LINEで送る

スクールポット中学受験版 - 首都圏学校情報検索サイト

ツイッター フェイスブック

私立中高進学通信

2019年7月号

学校が変わる! 改革私学

淑徳SC中等部

ユネスコスクールに加盟が決定
社会的課題と「生き方」をつなげる
SC独自のキャリア教育

5月16日・17日に中等部と高1生が参加した新潟県での田植え体験。初めて田んぼに入った生徒がほとんどでしたが、力を合わせて手植えを体験することができました。

5月16日・17日に中等部と高1生が参加した新潟県での田植え体験。
初めて田んぼに入った生徒がほとんどでしたが、力を合わせて手植えを体験することができました。

新潟食料農業大学と連携
生き方や環境問題を考える

 今年度より「ユネスコスクール」への加盟が決まった同校。ユネスコスクールとは、世界の諸問題に取り組む新しい教育や手法の開発、発展をめざす世界規模のネットワークに加盟した学校を指します。加盟に伴い、中等部のキャリア教育もバージョンアップしています。

 これまでの同校のキャリア教育は、自己・他者理解や、結婚・妊娠・出産・育児・家事というライフコースを切り口にしたものが中心でした。しかし、グローバル化やライフスタイルの多様化が進む中、女性の生き方もさまざまで、一つのモデルを示すことはできません。

 また、社会の変化と生徒の未来は密接に結びついています。そのため、社会的課題と自分の将来の生き方をつなげて考えるキャリア教育も求められています。そこでライフコースを切り口にするキャリア教育と並行して、ユネスコスクールの活動をキャリア教育の中にも取り入れることにしました。

 具体的には、新潟県にある新潟食料農業大学と連携し、「食」と「農業」を通して、さまざまな生き方や職業観に触れ、環境問題を考える機会を設けました。今年度は「お米」にスポットを当て、5月中旬に中等部全員と高1生が新潟県で1泊2日の田植えを体験。今後は稲の成長から収穫、精米、加工など、お米が苗から自分たちの食卓にのぼるまでの過程と、それに関わる環境問題や社会問題を学びます。

 学年の終わりには「自分たちに何ができるか」という視点に立ち、学びの成果を発表する予定です。

「収穫したお米でおむすびを作り、オープンキャンパスで振る舞う。甘酒を作って地域の人に飲んでいただく。そんなアウトプットも発信力の一つです。周りのさまざまな人たちからフィードバックをもらって、社会や自然環境との"関わり"や"つながり"を認識し、尊重できる心を育てたいと考えています」(入試広報部/安藤佑太先生)

高等部では興味・関心を
掘り下げる探究型の学習へ

 高等部のキャリア教育では、中等部で培った人間性をベースに同校独自の『グローバルキャリアプログラム "Whatʼs your favorite ?"』につなげていきます。直訳すれば「あなたのお気に入りは何?」と問いかける新たな取り組みです。生徒一人ひとりが自分の興味や関心を掘り下げる中で、 未来を生きる力の「土台づくり」をしてほしい、という願いを込めて名付けられました。

 プログラムでは自分の興味や関心のあることを探究し、高1・高2で、オリジナルのWebマガジンにて発信することをゴールにしています。高1の段階では「行動し発信する」基礎的なスキルを磨きます。具体的には地元の商店会をグループで訪問して「職業インタビュー」をし、自分が関心を持ったこと、興味深いと思ったことをまとめて軽井沢サマースクールで発表する予定です。

「生徒たちはこれまで、考えてから行動することが多かったと思います。けれどもこれからはまず行動を起こす"前のめり感"が大事になると思います。準備が完全でなくとも、最初にアクションを起こし、そこからコミュニケーションが生まれて、考えたり感じたりする力が高まっていく。成功は自信に変えていけばいいし、失敗したらそこから学べば良いのです。社会に出た時に自分の力として活かせるたくましい"生きる力"を、本校で学ぶ中で身につけてほしいです」(高1担任/保延今日子先生)

ここがポイント
食と農業を通して地球規模の課題を知る
中等部のキャリア教育は「食育ESD」
連携する新潟食料農業大学の教授の方々から、農業と食との関係について、多彩な講義を受けました。連携する新潟食料農業大学の教授の方々から、農業と食との関係について、多彩な講義を受けました。

 社会的問題に対して自分たちにできることを考え、取り組むことは、将来の「生き方」を考えるうえで、キャリア教育として大きな意味を持ちます。中等部は国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」(※1)に基づき、食や農業との関連、自分たちの食生活についての体験や考えを深めながら、自律心、判断力、責任感などの人間性を育む取り組みを行っています。

 取り組みの柱となるのが、新潟食料農業大学から教授を招き、講義やワークショップを通して「持続可能な環境づくり」を学ぶ計画です。持続可能な開発のための教育を「ESD(Education for Sustainable Development)」(※2)と呼ぶことから、同校ではこの活動全体を「食育ESD」と呼んでいます。

※1 持続可能な開発目標(SDGs)…2015年に国連で採択された、2030年 までに達成すべき17の国際社会共通の目標。SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称。

※2 ESD(Education for Sustainable Development)…持続可能な開発のための教育。世界の社会的問題を自らの問題として捉え、身近なところから取り組むことにより、それらの課題の解決につながる新たな価値観や行動を生み出し、持続可能な社会を創造していくことをめざす学習や活動。

ここがポイント
興味・関心のあるテーマを掘り下げWebで発信
高等部のキャリア教育は探究型

 すでに現高1生はこのプログラムが進行中です。グループでの活動となるため4月の入学直後にそれぞれの生徒の興味や関心を語り合う学年交流を行い、その後、メディアプラットフォーム「note」を運営する株式会社ピースオブケイクのディレクターを講師に招き「自ら発信することの大切さ」の講義を受けました。

 夏休みには「職業インタビュー」を行う計画です。相手にどのような質問を用意しておいたらいいのか、インタビューの相手にどのようにアポイントを取れば快く取材を受けてもらえるのか準備を進めている最中です。

高等部におけるグローバルキャリアプログラムを通じて伸ばしたい3つの力
  • ・社会の中で「なぜ?」と問いかけ、分析したり考えたりする力
  • ・「なぜ?」を知るために行動に移す「積極性」
  • ・行動する時に必要な「コミュニケーション能力」や「協調性」
高1の初めには学年交流を行い、株式会社ピースオブケイクのディレクター水野圭輔氏を招いて「発信することの価値」についてお話を聞きました。
高1の初めには学年交流を行い、株式会社ピースオブケイクのディレクター水野圭輔氏を招いて「発信することの価値」についてお話を聞きました。

高1の初めには学年交流を行い、株式会社ピースオブケイクのディレクター水野圭輔氏を招いて
「発信することの価値」についてお話を聞きました。

ここがポイント
若手の先生が「熱く」教育を語っています!
生徒の未来を思い描きながら

 キャリアプログラムを中心的に担うのは、若手教員を中心とした『キャリアチーム』です。企画を実行できる機動力と同時に、時間をかけて議論する雰囲気を大切にして、プログラムづくりに注力しています。

「本校の教育理念に基づき、生徒たちがどのような人物に育ってほしいのか、時には激論を交わしながら言語化しています。とはいえ、生徒たちが私たちの思いやキャリア教育を受け入れてくれるだろうか、という不安もありました。でも4月の学年交流でアットホームな雰囲気が生まれて、ホッとしています。教員の私たちこそ、積極的に行動する生徒たちから学んだ瞬間でした」(安藤先生)

 一人ひとりが望む形の進路選択を尊重したいと考える同校。「高校卒業後も、何かあったら相談に戻ってこられる温かい場所でありたい」と安藤先生。少人数教育の環境を活かしたキャリアプログラムが、生徒の未来への礎になることをめざしています。

「中高6年間のキャリア教育を通して、『自分のここは誰にも負けないぞ』という、自己肯定感、自己啓発力を身につけてほしいです。生徒には興味や関心のあることを抑え込まずにいてほしいです。極端な話、職業調べでは自分が好きなYouTuberに話を聞きにいってもいい、そのぐらいの行動力を育てられたらと思っています」(入試広報部部長/安藤佑太先生)「中高6年間のキャリア教育を通して、『自分のここは誰にも負けないぞ』という、自己肯定感、自己啓発力を身につけてほしいです。生徒には興味や関心のあることを抑え込まずにいてほしいです。極端な話、職業調べでは自分が好きなYouTuberに話を聞きにいってもいい、そのぐらいの行動力を育てられたらと思っています」
(入試広報部部長/安藤佑太先生)
「高1からタブレット端末を1人1台使用しています。高1では、Webマガジンで自分の意見を発表するのがゴールです。デジタルネイティブの今どきの生徒たちは、教員の想像以上に興味を示しています」(高等部1年担任/保延今日子先生)「高1からタブレット端末を1人1台使用しています。高1では、Webマガジンで自分の意見を発表するのがゴールです。デジタルネイティブの今どきの生徒たちは、教員の想像以上に興味を示しています」
(高等部1年担任/保延今日子先生)

(この記事は『私立中高進学通信2019年7月号』に掲載しました。)

進学通信 2019年7月号
紹介する学校
共学校 共学校   女子校 女子校   男子校 男子校
この号のトップに戻る 進学通信一覧を見る
ページトップ