私立中高進学通信
2019年7月号
中1の始め方
東京家政学院中学校
学校生活の基礎を築くための見守りを

5月に行われるオリエンテーション旅行では、ものづくり体験がメニューに取り入れられています。
班ごとのグループワークで、生徒同士の絆を深める狙いがあります。
中学は学年に1クラス、クラスの人数は15~20人。そんな少人数を2人の担任と1人の副担任が見守る手厚いサポート体制となっています。学年主任を含む4人の先生方に、中1生を育てていく心構えについて、お話をうかがいました。
学校生活に慣れ
学習習慣をつけるための導き

――入学後の中1生は、どのように学校生活に慣れていくのでしょうか。
吉野和子先生
入学式の翌日に、先輩である在校生との対面式があり、さらにその後、校内オリエンテーションで先輩との交流を深めます。オリエンテーションでは、生徒会の企画によるゲームを楽しみます。その後は中1生だけで、講師の方のプログラムに沿って、自己紹介や中学生としてのマナー、人の話の聞き方などを学びます。
平木登先生
迷子になる新入生もいるので、校内見学も行います。最初の頃の昼食は、席を毎日変えてなるべくいろいろな人と接する機会を設けています。少し落ち着いてくると生徒から担任に話しかけてくれるようになります。
吉野先生
学習面では、中学校と小学校での違いに戸惑わないよう、最初の授業で丁寧に説明します。
安達京子先生
私は数学を担当していますが、授業をよく聞くこと、復習をしっかりすること、科目の好き嫌いをしないこと、まずはそれらができるような指導を心がけています。
鶴田崇先生
英語も、小学校で学んできているとはいえ、基礎から始めて、書くことにも慣れてもらうようにしています。ネイティブの先生とチームティーチングで臨む授業もあり、いろいろな教員と関われる環境を整えています。
吉野先生
国語では、ことばを大切にすること、自分の意見をまとめること、さらに、ほかの人の意見を聞いて自分の意見を再構築できることをめざしています。また、読書習慣も身につけてほしいので、図書館の利用の仕方やどんな本があるかなどのガイダンスを行って詳しく説明しています。
鶴田先生
それらを経て5月に、1泊2日のオリエンテーション旅行があります。水族館の見学やうちわなどのものづくり体験などの際には、学校では出なかった本音が出てきます。異なる考えも受け入れつつ、親睦を深めてもらおうという狙いもあります。
安達先生
食事や入浴などの時間を通して、普段の学校生活では見えない生徒の一面がわかります。生徒のいろいろな面が見られることで、その後の指導に生かすことができます。
早い段階で信頼関係を築くために
――複数担任制を踏まえつつ、中1生には、1年間を通してどのように成長してもらいたいとお考えですか。
吉野先生
学校で自分の役割を持って、居場所を見つけられるようになってほしいですね。複数担任制は、教員一人の感覚だけで生徒を見るのではなく、いろいろな角度から見ることができます。目が行き届きやすいですし、生徒が悩みを相談したい時、話しやすい先生を選べるのも良いと思います。
安達先生
基本的に3年間同じ教員が見守るので、保護者の方も安心されるようです。生徒には、友達同士や教員との間で良好なコミュニケーションがとれるようになってほしいです。悩みがあってもうまく意思の疎通ができていればたいていのことは解決するからです。
平木先生
保護者の方にもいつでもご相談くださいと伝えているので、相談内容によっては、教員が指名されることもあるんですよ(笑)。早い段階で生徒や保護者との信頼関係を構築することが大切なので、言葉のかけ方も慎重にしています。
鶴田先生
最初のつまずきが後々まで影響することがあるので、気をつけたいですね。
吉野先生
逆に最初がうまくいけば3年間はあっという間ですからね(笑)。
1年生 TIME LINE
できるだけ早く中学校生活に慣れ、生徒同士や教員とのコミュニケーションが深められるように、4月から5月の時期にオリエンテーションを集中させています。






(この記事は『私立中高進学通信2019年7月号』に掲載しました。)
東京家政学院中学校
〒102-8341 東京都千代田区三番町22
TEL:03-3262-2255
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