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私立中高進学通信

2019年7月号

The Voice 校長インタビュー

秀明大学学校教師学部附属秀明八千代中学校

創造的な思考力の源は
知識を活用できる「知恵」です

富谷 利光 (とみや・としみつ)校長先生

富谷 利光 (とみや・としみつ)校長先生
東京大学教育学部卒業後、千葉県の公立高等学校国語科教諭となり、
教職のかたわら千葉大学大学院で教育学修士号を取得。
県立千葉高等学校の中高一貫化整備に携わり、その後、秀明大学学校教師学部教授に着任。
2015年度より同校校長を兼ねる。

建学の精神・校訓に基づいた『a-PGT』
知恵=知識+実経験
PGTで育てる本当の思考力
  1. 自分で考え行動する
    「実践力」=Pスキル(Practical skills)
  2. 地球規模でものごとを考えられる
    「国際力」=Gスキル(Global skills)
  3. 伝統を理解し先人の知恵を自分の生き方に活かす
    「伝統力」=Tスキル(Traditional skills)

『常に真理を追究し友情を培い広く社会に貢献する人間形成を目的とする』。

 この建学の精神に基づき、『知・技・心』の校訓を定めています。本校では生徒一人ひとりの持つ資質・能力を伸ばすため、中学では『PGTプログラム』を4年前に、高校では昨年から『a-PGT』をスタートさせました。

『a-PGT』は2020年の大学入試改革に対応できるように組み立てた、本校独自の「一歩先を行く教育」です。新たな大学入試では思考力や判断力、表現力などが求められます。その力を着実に身につけるため、思考力の物差しである『秀明スキルコード』を開発、活用するものです。

『PGT』のPスキル(Practical skills)は自分で考え行動する「実践力」、Gスキル(Global skills)は地球規模で物事を考えられる「国際力」、Tスキル(Traditional skills)は伝統を理解し先人の知恵を自分の生き方に活かす「伝統力」を指します。また、前提となる基礎的知識はK(Knowledge)スキルと呼んでいます。各スキルは「知っている」「わかる」「使える」「メタ認知(※1)を得る」の4つのレベルがあり、先ほどの4つのスキルとかけ合わせて、計16のコードを設定しています。

 本校は普段の授業、定期考査、評価や新たな大学入試で使われる「共通テスト」のプレテスト問題の分析まで、このスキルコードに基づいて組み立て、授業の質を向上させていきます。高校では主体性である「a」(active, advance:主体性、先駆性)をより発揮できる『a-PGT』となります。中高6年間で新しい大学入試に対応する力を育成しようというのが狙いです。

※1 メタ認知…自分自身の思考や行動を客観的に認識することによって、自分自身の認知行動を把握できる能力。

知識を覚えるだけではない
本当の学びができる

 中学で3年間『PGTプログラム』を経験してきた中3生が、その集大成として小グループごとに研究発表を行いました。この研究は附属校の利点を活かし、秀明大学の教授陣にゼミ形式で指導していただきました。

 生徒たちは知的好奇心を働かせて素晴らしい成果を残しました。「消費税増税と軽減税率」をテーマにした生徒の一人は、海外の軽減税率制度について調べていました。『もし日本でも軽減税率制度を導入するなら、消費税を増税する一方で、自国の文化保護に価するものへの税率を軽くしてはどうか』と、提案したのです。日本の伝統的な品物の税率を軽くすれば、その良さを守り、広げることにもつながるという主張です。これは日本や海外の「伝統」を学ぶ「Tスキル」を身につけていたからこそ、ユニークな「考え方・見方」を発見できたのだと思います。こうした学びには「知識+実経験=知恵」という方程式が成り立ちます。

 高校は学習指導要領の改訂により、「総合的な探究の時間」が始まります。国連の持続可能な開発目標(SDGs)(※2)の視点を取り入れ、タブレットや電子会議機能を備えた電子黒板などのICT機器を充実させながら進めていく予定です。

※2 持続可能な開発目標(SDGs)…2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに解決すべき17の国際目標。この目標を達成するために、どのようなことが必要かを考える学習が、世界中の学校で行われています。

気持ちを引き締めてくれた中学時代の恩師

 教員をめざすようになったのは、中学校時代の担任でありバスケットボール部の顧問をされていた女性の先生に影響を受けたからです。とても厳しい先生で、その厳しさが自分の気持ちを引き締め、奮い立たせてくれていると感じていました。

 東京大学時代の先輩が千葉県の教員になったことも、私を教育の現場へと導いてくれました。その先輩を追うように自分も千葉県の高校教員になり、十数年後には先輩と同じ学校で働くことになりました。思いを温めていれば、縁はいつかつながるのだと感じます。

 学生時代は演劇を学び、教員になってからは千葉大学の夜間大学院で生徒相談、カウンセリングを学びました。そのすべてが今につながっていると実感しています。

 本校は中高とも秀明大学との連携が強い附属校です。大学の教員として、教員をめざす学生の育成にも力を注ぎ、その教師力を系列校である本校の教育に還元し、生徒が「学ぶ喜び」を実感できる学校を形づくっていきたいと思っています。

[沿革]
1981年に秀明八千代中学校開校、1984年、秀明八千代高等学校開校、1988年に秀明大学開学。30年以上前からケンブリッジ大学などとの提携による英語教育を開始。1989年に中高ともに男女共学化。2015年に中学が、2018年に高校が秀明大学の附属校になり改称。大学との連携を活かした教育を展開している。

(この記事は『私立中高進学通信2019年7月号』に掲載しました。)

進学通信 2019年7月号
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