私立中高進学通信
2019年4・5月合併号
私学の光輝
玉川学園(中)
日々の生活と行事をバランスよく行い
生徒の成長を促す

体育祭は10月に開催。中学・高校だけではなく、幼稚部から大学まで学園全体で行われます。
また、玉川大学教育学部の学生が運営に関わります。
毎日の成果を行事で発表
「12の教育信条」を掲げ、「将来を見据えて国際社会で活躍できる人材の育成」をめざしている同学園。
「教育活動全般においてバランスのよい人格形成をめざしています。そして、子どもたちが自分で考えて判断し、行動できるように育てていきたいと考えています」(中学部長/伊部敏之先生)
こうした教育理念を踏まえ、同学園では行事を有効活用した生徒の育成が行われています。例えば「12の教育信条」の中の一つに「自学自律」があります。これは「学びとは教えられるものではなく、自らがつかみ取るもの。課題を自分で見つけ、解決する手法を身につけていく」というもの。
この自学自律の実践の場が自由研究という授業です。生徒はさまざまな分野から自分の興味・関心に沿ってテーマを設定し、担当教員と一緒に研究を進め、1年間の成果を文化祭に相当する玉川学園展で発表します。
「生徒たちの知的好奇心をあおり、彼らのやりたいことをどんどん発展させていきます。自分の興味があるものを研究していくことで、その経験が後の大学進学や将来の夢へとつながっていきます」(伊部先生)
「成果を発表する」意味では体育祭も同様です。いろいろな競技で競い合うというよりも、体育の授業の中で培った自分たちの成果を、お互いに披露するのです。
さらに音楽祭やクリスマス礼拝も行われます。同学園では、毎日の朝会や昼食前、学年集会の際に、校歌をはじめ、歌を歌う習慣があります。
「まさに"歌に始まり、歌に終わる"学園生活。そうした毎日の積み重ねと音楽の授業の成果発表として音楽祭が行われています」(中学部学務主任/髙津健一先生)
毎週の礼拝は一人ひとりがそれぞれの1週間を振り返る時間ですが、その集大成として12月のクリスマス礼拝があります。1年間を振り返り感謝をする時間として捉えられています。
いずれも、行事のために準備をするというよりも、"日々の学園生活の積み重ねが行事につながっている"という図式。「日々の学園生活と行事にバランスよく取り組むことによって自然に成長を促していくプログラム」という髙津先生の言葉どおり実践しているのです。
「自分で考えて行動できることも大切ですが、同時に"仲間を思いやる"ことも大切です。本学園の生徒には世話好きの子が多くて、周りに困っている人がいたら必ず助けてあげています。そういう雰囲気が、自分たちで何かに挑戦しようとする原動力になっているのだと思います。
また7年生(中1)の段階では、いろいろな可能性があっても、自分は何が得意なのかをわかっていない状態にあると思います。そんな生徒たちに自分の好きなもの、得意なものを見つけさせるきっかけの一つとして、行事を有効活用しています。今まで気づかなかった自分を感じた時、行事を通して達成感を得た時、生徒たちは本当にステキな表情を見せるのです」(伊部先生)



中学生はこん棒体操や旗の体操、高校生はボール運動などの演目を披露します。
教員も生徒たちと一緒になって創り上げます。
なお、体育祭とは別にスポーツ大会もあり、この時「競技を通じて競い合う」体験ができます。



中学生が中心となる玉川学園展は毎年3月初旬に開催。口述で発表する、
ものを作って発表する、自分の身体を使って表現する……など方法はさまざまですが、
どんな表現になったとしても「自分から発信する」ことが課されています。






12月のクリスマス礼拝では、クリスマスに関係する朗読劇が行われます。
朗読劇の数は4本で、すべて教員が書き下ろした台本を使います。
「クリスマスを通して温かい気持ちになるとともに、新しい年のことを考えるきっかけになればと考えています」(髙津先生)



創立時から行われているスキー学校。当時の生徒が「スキーのプロに教わりたい」とリクエストしたことから、
オーストリアのスキー講師ハンネス・シュナイダー氏を招いて指導してもらったエピソードは今に語り継がれています。
「生徒に"本物"に触れさせる」ことも同学園の教育方針の一つです。
(この記事は『私立中高進学通信2019年4・5月合併号』に掲載しました。)
玉川学園(中)
〒194-8610 東京都町田市玉川学園6-1-1
TEL:042-739-8931
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