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私立中高進学通信

2019年4・5月合併号

実践報告 私学の授業

品川女子学院中等部

課題発見力・解決力を養う
『CBL』の取り組み

身近な問題を発見し、解決に向けて行動してみよう!
2018年11月に行われたCBL学年代表プレゼンテーションの様子。会場への問いかけから始まるもの、驚くような映像で訴えるものなど、10グループがそれぞれ、バラエティに富んだ構成で完成度の高いプレゼンを披露しました。

2018年11月に行われたCBL学年代表プレゼンテーションの様子。
会場への問いかけから始まるもの、驚くような映像で訴えるものなど、
10グループがそれぞれ、バラエティに富んだ構成で完成度の高いプレゼンを披露しました。

起業マインドを育み
社会にアプローチする

 現代社会で生きる28歳の女性をイメージし、そこから逆算した中高6年間の女子教育を実践する同校では、必要な知識、学力、能力を身につけさせる教育活動『28project』を教育の柱としています。一生涯を視野に、しっかりとした将来へのビジョンを持って行動できる女性を育てることが同校の目標。そのために、身の回りにある社会の問題を自ら発見し、いろいろな人たちと議論や協力をしながら、問題解決に取り組む “起業マインド”を育んでいます。

 中1から取り組む『28project』の学びを土台に、高2生全員がグループワークで取り組むのが『チャレンジベースドラーニング(CBL)』(※)です。

「起業マインドを身につけるために、中3のデザイン思考講座、高1のリーダーシップ研修、高1・高2の起業体験プログラムがあります。CBLでは計画だけで終わらせず、社会に向けて実際に行動することに重きを置いています。インタビューをする、アンケートをとるといった実社会と関わる行動を起こし、それを反映して実用的な解決策を提示することが求められます」

 と、CBLを担当する家庭科の丸山智子先生は説明してくれました。

※チャレンジベースドラーニング(Challenge Based Learning=CBL)…アクティブラーニングによる課題解決型学習の手法の一つ。身近な課題を発見し、解決策を立案するだけでなく、解決策の実践までを行うのが特徴のプロジェクト型学習。

“ホンモノ”の解決策を成果として示す

 CBLは高2の家庭科の授業で行われ、最終的には各クラスでのプレゼンテーションが行われます。学校や授業の枠を越え、実社会をフィールドに、生徒が自ら計画して取り組んでいきます。

「生徒自身が作った計画をもとに毎回の授業で研究を進めていきますが、グループによって進度が違います。調査や研究を進めやすいように、生徒全員が持つタブレット端末を使い、ファイル共有アプリを活用し、進捗状況、CBLの活動に必要なプロセスや日程、参考になる情報などを共有できるようにしています」

 2018年11月に行われたCBL学年代表プレゼンテーションでは、クラス発表によって選ばれた10グループが学年全員に向かってプレゼンテーションをしました。

 プレゼンテーションでは、身近にある疑問からスタートし、どのような調査に基づいて、どのように課題を設定したのかが示され、ウェブサイトの立ち上げ、冊子の制作、アプリの作成、他校との交流を交えたプロジェクトの始動といった解決策が、アイデアではなく実際の成果物として紹介されました。こうした活動の中にはCBLの授業が終わった後も継続されて、やがて社会を動かしていく力となっていくものもあります。

Next Stage
異文化の人々と問題意識を共有するには?
オーストラリアの学校でプレゼンテーション

 各クラスの代表に選ばれたグループはCBL学年代表プレゼンテーション(ページ冒頭の写真)に進み、厳正な審査の上、さらに2つのグループが選ばれます。

 選ばれた2グループは、プレゼンテーションの内容を英語に翻訳、提示する資料なども英語で作成し直し、オーストラリアの先進的なCBLの実践校であるKolbe Catholic Collegeの研修に参加。現地校の生徒に向けて、英語でプレゼンテーションを行います。

 生徒たちは現地でどのようなことを学ぶことができるのでしょうか。2019年2月の入試期間中に約1週間の研修に参加した2グループ8人の声を紹介します。

オーストラリア研修でプレゼンテーションを行っている様子。現地校の生徒たちと英語でコミュニケーションを取りながら、熱を込めて説明していきます。オーストラリア研修でプレゼンテーションを行っている様子。現地校の生徒たちと英語でコミュニケーションを取りながら、熱を込めて説明していきます。
自らが提示した問題について、外国の同世代の生徒と話し合うのは、またとない経験です。海外でも自分たちの取り組みが受け入れられた経験は、一生の財産になります。自らが提示した問題について、外国の同世代の生徒と話し合うのは、またとない経験です。海外でも自分たちの取り組みが受け入れられた経験は、一生の財産になります。

オーストラリアでプレゼンテーションをした2グループにインタビュー
テーマ 「災害対策について」

メンバー K.Kさん I.Hさん H.Yさん K.Rさん

K.Kさん
─現地で共通理解を図ることが大きな課題でした。オーストラリアの人たちに津波の怖さを実感してもらうために、動画を取り入れるなど工夫しました。

I.Hさん
─研修を通して、人の心を動かすことの難しさを実感しました。同時に、思いが通じた喜びも経験したので、これを今後に活かしたいと思います。

H.Yさん
─聞く人にも一緒に考えてもらう参加型プレゼンをめざし、ジェスチャーや問いかけを交えるなど試行錯誤をして、表現をブラッシュアップできました。

K.Rさん
─話し方に抑揚をつけたり、強弱をつけたりすることで、聞き手の興味を引くことができました。これからは伝わる英語を意識して習得したいと思っています。


テーマ 「男女平等─家庭内の家事分担における性別格差について─」

メンバー F.Hさん K.Aさん I.Hさん N.Kさん

F.Hさん
─現地の学校にはいろいろな人種や国籍の人がいました。こうした環境なら、今とは違う考えを持ったかもしれません。今後はもっと広い視野で物事を考えたいと思います。

K.Aさん
─自分の思いを周りの人にアウトプットすることが大切だと感じました。さまざまな人と意見交換をして成長するために、実践的な英語力を身につけたいです。

I.Hさん
─今回の研修は、自分の努力と実力で勝ち取った機会です。機会を活かしたい思いとCBLで得た自信から、積極的に行動でき、自分の成長が実感できました。

N.Kさん
─メンバーの互いの強みを活かし合うことができました。これまで、いろいろな取り組みを一緒に学んできた積み重ねがあったからこそだと実感しました。

メンター制度でサポートが充実

 受験を翌年に控えた高2生がCBLと勉強を両立し、意欲を持って取り組めるように、『メンター制度』を実施。ほかの教科・学年の教員もCBLに参加し、生徒たちの活動のサポートにあたる仕組みです。

 メンター(指導・助言者)となる教員は、担当グループの研究計画書やプレゼンテーションのチェックなど、適宜アドバイスを行い、教員同士が協力し合い、全49のグループを個別にサポートしています。


一人ひとりの生徒が意欲的に学べる機会

家庭科・CBL担当/丸山智子先生

 CBLは4人ぐらいの小グループで取り組むので、集団の中に埋もれることがなく、一人ひとりに行動することが求められます。行動力のある生徒はもちろん伸びていきますし、引っ込み思案だった生徒は「CBLで力を発揮する機会が持てたことで自信がつき、成長を実感している」と話してくれたこともあります。生徒の成長を目の当たりにできますので、教員にとっても喜びが大きく有意義な取り組みです。

(この記事は『私立中高進学通信2019年4・5月合併号』に掲載しました。)

品川女子学院中等部  

〒140-8707 東京都品川区北品川3-3-12
TEL:03-3474-4048

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