私立中高進学通信
2019年4・5月合併号
未来を切り拓くグローバル教育
横浜富士見丘学園中学校
世界を身近に感じて
自らつかむ未来像
男女共学化でグローバル教育も加速

オーストラリア研修では、現地大学生との交流などの貴重な体験ができます。
この研修をきっかけに、英語や留学に興味を持つ生徒も少なくありません。
英語でのコミュニケーションを当たり前にする教育
1923年創立の伝統ある同校は、2019年度から男女共学となり、来たる100周年に向けて新たな歴史を刻み始めます。中1から高1までは男女の成長の違いや特性を尊重し、クラスは男女別に編成。一方、課外授業や学校行事などでは男女一緒に取り組む機会を設けるなど、多様な個性を認め合いながら、共に成長していく学園生活が始まります。
グローバル教育においてはこれまでも、英語を用いたコミュニケーションを日常的に行い、世界中の人と協働できる人材を育てようと多彩なプログラムが展開されてきました。共学化されてからも、そのノウハウを活かし、さらに取り組みを強化し、新しい試みもスタートさせています。
例えば中1・中2ではネイティブ教員が副担任となり、日常のさまざまな場面において英語で交流します。狙いは、英語に抵抗感を持たず、英語を使うのが楽しいと思えるようになること。あらゆる生徒が英語に親しむきっかけとなっており、男子のクラスでも同様の効果が期待されます。
中3では、英語を母国語としない留学生と一緒に横浜の観光名所を巡る『グローバルアイ』という取り組みを行っています。2018年度は10カ国からの留学生が参加しました。生徒たちは、英語を共通言語とすればさまざまな国の人々と十分にコミュニケーションできることを実感し、英語力にも自信を持つようになります。今後、男女が一緒に取り組むプログラムとしてさらに進化していく予定です。
男女それぞれに豪と米へ
海外研修を実施
中3になると、全員が海外研修に参加しますが、女子と男子では違いがあります。女子はオーストラリアでファームステイやドミトリーステイ、現地学生との交流など体験型の研修旅行を実施します。一方、男子はアメリカ西海岸でスタンフォード大学をはじめとする有名大学やシリコンバレーのIT企業などを訪問し、最先端の研究を見学。将来のビジョンを描けるような経験を積みます。
中3で男女別の研修に参加したあと、高校在学中に、理系を志望する女子生徒が男子のアメリカ研修に参加したり、短期留学を希望する男子生徒がオーストラリアへ渡ったり、と柔軟な対応も、今後行っていく予定です。
また2019年度から、中3・高1で週1回、オンライン英会話が必修となりました。以前より全学年の希望者を対象に、フィリピン・セブ島での語学研修を実施していますが、オンライン英会話では、この語学研修の講師がレッスンを行うため、より密な交流が期待できます。2020年度以降には第2外国語の講座を取り入れる計画も。日々、進化を遂げる同校のグローバル教育から目が離せません。
Action Report File001
男子はアメリカ西海岸で世界の最先端に触れる
中3の海外研修は全員参加
英語に親しんだ中学時代の集大成として、中3の1月に全員が海外研修に参加します。女子はさまざまな国籍の人々が暮らすオーストラリアで研修を長年行っており、農場でのファームステイや大学訪問など、多彩な経験を通して異文化理解を深めると同時に、自立心も高めます。希望すれば現地に残り、高校入学時まで短期留学として過ごすことも可能です。
一方、理数特進クラスである男子生徒はアメリカ西海岸を訪問。ホームステイをしながらスタンフォード大学やUCバークレー、カリフォルニア工科大学など世界トップの大学を訪れ、講演を受講します。さらにGoogleなどの最先端企業も訪問します。
「将来、世界を股にかけて活躍し、社会をけん引する生徒を育てたいと思っています。海外研修で"本物"に触れ、インスパイアされることを期待しています」(駒嵜校長先生)
全学年の希望者を対象に、フィリピン・セブ島での語学研修も行われていますが、セブ島でも現地の暮らしに触れる機会が設けられています。
「中学生からいろいろな国の、さまざまな生活を通して世界を知れば、将来、自分はどう生きるべきかが見えてくるはずです。それがグローバル教育において、一番大切なことだと考えています」


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留学生と横浜を巡る『グローバルアイ』
英語を使って世界中の人と交流

中3を対象に行っている『グローバルアイ』は、世界各地の人たちとの相互理解を目的に、英語を通してコミュニケーションを図る「グローカル」なプログラムです。できるだけ多くの国の人と交流することを狙いとしており、昨年度はナイジェリア、ポルトガル、インドネシア、カザフスタン、アルゼンチンなど10カ国の留学生と交流を深めました。
事前学習では参加する留学生全員の出身国について文化や宗教、生活習慣などを学び、どういうことに配慮しなければいけないか、また、どうコミュニケーションを取るべきか、という知識教養を高めています。
またプログラム当日は生徒3~4人のグループに留学生1人が同行し、横浜の街を巡ります。街案内をする中で、外国の方にとっての日本や横浜はどのように見えるのかといった外からの視点にも触れる生徒たち。最終日には一緒に街を巡った様子を資料にまとめ、発表することで体験をアウトプットします。もちろん、活動はすべて英語で行います。
グローバルアイでの経験を通し、生徒たちは完璧な英語を話せなくても、さまざまな国の人々とコミュニケーションが取れることを実体験として学ぶのです。
先生から一言
グローバル社会で活躍する近道は
地道な勉強から

世界中の人たちと交流する時には、自国の歴史や社会の仕組みなどについても語れる人にならなければいけません。生徒たちが将来、海外の優秀な人たちと一緒に働くことを考えれば、中高生の間はしっかり勉強し、学力や教養を徹底的に磨いてほしいです。そのことが一番、グローバル社会で活躍するための近道ではないかと考えています。(駒嵜 健校長先生)
(この記事は『私立中高進学通信2019年4・5月合併号』に掲載しました。)
横浜富士見丘学園中学校
〒241-8502 神奈川県横浜市旭区中沢1-24-1
TEL:045-367-4380
進学通信掲載情報

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