私立中高進学通信
2019年2・3月合併号
未来を切り拓くグローバル教育
十文字中学校
英語での発信力を育む多彩な教育プログラム
“英語の十文字”を支えるオリジナルの取り組み

英語でプレゼンテーションをする機会を数多く用意している同校。
生徒たちも自分の考えを英語で発信することを自然に覚えていきます。
現地校で学ぶ海外研修と英検準1級をめざす短期留学
2014年から独自の教育改革『Move on プロジェクト』に取り組む同校。英語についても多彩な教育プログラムを行っています。その一つが、中3の3月に行う海外研修です。12日間、オーストラリアのブリスベン周辺の家庭にホームステイをしながら、現地の公私立校6校で学ぶこの研修には、希望制にもかかわらず約9割の生徒が参加します。
「本校の生徒に向けた英語の特別レッスンを受けながら、現地校の授業にも参加します。やはり、現地校に通えるというのが大きなメリットです」
と、国際交流代表の高瀬聡伸先生は言います。現地校では体育や家庭科などの実技系の授業のほか、数学や物理などの授業も学びます。この研修に刺激を受け、高校になってから3カ月のターム留学や、1年間の留学制度を利用する生徒もいるそうです。
「3カ月のターム留学は英検準1級の特訓をオーストラリアの現地校で行います。すでに2018年度は6名が参加しました」
学校内で英語を使うチャンスを増やす
海外研修や留学以外にも、英語に触れる機会を校内で数多く設けており、その代表格が、『発信力育成プログラム』です。このプログラムでは、一つのテーマに対して「英作文を書く」→「オンライン英会話でネイティブ講師と話す」→「英語でプレゼンテーション」→「オンライン英会話でもう一度ブラッシュアップ」というサイクルを、1年間に数回体験。中1から中3の3年間で、このサイクルを何度も繰り返し、英語の「話す力」「聞く力」を養成していきます。
また、自分の好きなことについてクラスメートの前で英語でプレゼンテーションをする『Show&Tellコンテスト』や、英語の歌に振りをつけて歌う『ミュージックフェスティバル』など、英語を楽しく学べる行事も数多く用意されています。
さらに、高校からは、新しい大学入試に向けた英検対策や、思考力育成講座などもスタートします。
「英検については、早め早めの取得を促しています。最近の外部試験利用型入試では、英検2級以上を持っていないと出願できない大学や学部も出てきています。MARCHレベルの大学受験になると英検準1級を求めてきますから、英検2級以上の取得を目標に対策講座などを行っています。夏期・冬期講習でしっかりと対策をするのはもちろん、入試の最新情報も学年集会などで告知しています。
本校では、発信力プログラムで、中学のうちに英語に触れる体験を数多く行っています。英語を話すことに、ものおじしないように積極性を育む内容ですので、非常に女子教育に合った内容になっているのではないかと思っています」
Action Report File001
『発信力育成プログラム』
繰り返し学習が効果的

英語の話す力・書く力を強化
オンライン英会話では、ネイティブ講師がテーマに沿った質問をしてくれます。2回目のオンライン英会話では、驚くほど話せるようになり、生徒自身がびっくりすることも。
中学3年間の英語の取り組みの中で、最も重視しているカリキュラムの一つが、『発信力育成プログラム』です。テーマを決めて英語の「話す力」「書く力」を強化していくというもので、生徒たちは1つのテーマについて英作文、ネイティブ講師との会話、英語でのプレゼンテーションに数カ月のタームで取り組みます。
1年間に数回、テーマを変えながら取り組むことで、生徒たちの語学力は着実に向上していきます。

Action Report File002
オーストラリア海外研修
現地校でしっかり学べる

現地校では、同年代の生徒たちと共に学びます。英語教育の成果を発揮する場でもあります。
中3の春休みに実施されるオーストラリア海外研修では、ホームステイをシングルステイ(1人1家庭)、ダブルステイ(2人1家庭)から選べます。現地校では1人に1人ずつバディ(サポートしてくれる現地校の生徒)がつくので安心です。同校の生徒向けの英語の特別レッスンを受けつつ、時にはバディの授業に一緒に参加します。
研修前は英語が苦手だった生徒も、「行って良かった」「楽しかった」と話し、帰国後は校内のスピーチコンテストなどにも積極的に参加するようになるそうです。
Action Report File003
『Show&Tellコンテスト』
好きなものを英語でプレゼンテーション

「Show&Tell」とは、アメリカの幼稚園や小学校で行われるスピーチの基礎訓練。自分の好きなものを家から持ってきて、全員の前でそれについて数分間のプレゼンテーションを行って、人前でわかりやすく堂々と話す練習をするのです。
初めて取り組む生徒たちにとっては、「好きなもの」という漠然としたテーマでは難しいため、同校では全員にイースターエッグを配布し、それぞれの生徒が自分の好きな飾り付けをして、どこが気に入っているのか、どんな材料を使ったのかなどを英語で発表する取り組みを行っています。
材料の名称を辞書で調べたり、表現方法を工夫したりというふうに、それぞれが英語を試行錯誤する絶好の機会になります。
Action Report File004
『ミュージックフェスティバル』
全員が息を合わせて英語でダンス

同校の英語の授業では、最初に英語の歌を歌ってウォームアップをする習慣があります。そこで、2014年度から、授業で歌った英語の歌の中から好きな歌を1曲選び、クラスで振り付けをして発表する『ミュージックフェスティバル』を始めました。生徒たちは授業のみならず、休み時間や放課後に集まって、歌と踊りの稽古をするそうです。
(この記事は『私立中高進学通信2019年2・3月合併号』に掲載しました。)
十文字中学校
〒170-0004 東京都豊島区北大塚1-10-33
TEL:03-3918-0511
進学通信掲載情報

PICK UP!!
紹介する学校
- 奉仕の精神をもとに生徒が主体的に取り組む『純花祭じゅんかさい』サレジアン国際学園世田谷中学校
- 科学の甲子園ジュニア埼玉県大会 「科学の甲子園」全国大会予選初出場で初優勝大宮開成中学校
- クリスマスツリー点灯式 キリスト教の「奉仕の精神」で共生社会に貢献する人間性を育む関東学院中学校
- 古き良き伝統と新しさが調和した食堂「けやき」が誕生麗澤中学校
- 4名のお父さまが学校の魅力を語る保護者座談会光塩女子学院中等科
- 受験生、保護者が積極的に参加した中学入試説明会城北中学校
- 英語での発信力を育む多彩な教育プログラム十文字中学校
- 2019年度より日本大学の付属校へ目黒日本大学中学校
- 体験を積み上げて学ぶ理科の実験授業獨協埼玉中学校
- 上野動物園で外の空気を感じながら創作の楽しさを味わう 中1校外学習〜動物園スケッチ〜女子美術大学付属中学校
- 「自立と共生」の実現へのステップとなる都電の旅 中1校外学習〜都電荒川線の旅〜文京学院大学女子中学校
- 行事も楽しく面白い先生が多いので授業も飽きないです芝浦工業大学柏中学校
- 想像のスイッチを入れる“学びの共同体”を作る この二つを大切にして私自身も学び続けたい恵泉女学園中学校
- 日本語しか使わないのはすごくもったいない 英語が読めればたくさんの情報を得られます高輪中学校
- 音楽は心を開くツール 音楽科の授業がグローバル教育にも大いに役立つと思います東京成徳大学中学校
- 勉強ができることより 人柄が温かいことが大事 人から好かれる人間になってほしいです日本工業大学駒場中学校
- 4年に一度の音楽会を開催 芸術によって人間性を育てる自由学園(男子部・女子部)中等科
- 情報収集、情報発信にフル活用 双方向の授業を拡充する田園調布学園中等部
- オーストラリアの姉妹校とのターム留学東京純心女子中学校
- やさしい先生が子どもたちをしっかりと見守ってくれるアットホームな学校立正大学付属立正中学校
- 「私の生き方は、これでよいのか?」と常に問いかけて「ほんとうの私を生きる」浦和明の星女子中学校
- 国際人を育成するため早期から英語に触れる東洋大学京北中学校
- 高校時代に書き上げた「みらい論文」が卒業後の人生の指針に麴町学園女子(麹町学園女子)中学校


