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私立中高進学通信

2019年2・3月合併号

私たち、僕たちが大好きな先生

恵泉女学園中学校

想像のスイッチを入れる
“学びの共同体”を作る
この二つを大切にして私自身も学び続けたい

社会科 小林詩織(こばやし しおり)先生

立教大学大学院文学研究科史学専攻に在籍する傍ら、私立の女子校の社会科講師として、地理や公民などを担当。大学院を卒業後、2つの私立中学校・高等学校の非常勤講師を兼務。2016年に恵泉女学園中学・高等学校に専任教師として着任。現在中2生の担任のほか、中2生の歴史と高2生の世界史を担当。サッカークラブの顧問も務めています。

 テレビ番組を模したユニークなグループワークなどで、生徒の記憶に残る社会科の授業を展開。生徒たちも楽しそうに、工夫を凝らして発表に臨んでいました。まっすぐに生徒に向き合う小林詩織先生に、授業に込める思いを聞きました。

恩師からの思いを次の世代に伝えたい

――教員をめざしたきっかけを教えてください。

クイズ番組の“司会者による発問と解答者による対話”であった点に着目。「生徒たちにもこの形式を似せることで相互の学び合いが可能だと感じました。受け身で授業を受けるのではなく、疑問を持ち、問いを立てて調べてみることも大切にしています」(小林先生)クイズ番組の“司会者による発問と解答者による対話”であった点に着目。「生徒たちにもこの形式を似せることで相互の学び合いが可能だと感じました。受け身で授業を受けるのではなく、疑問を持ち、問いを立てて調べてみることも大切にしています」(小林先生)

 子どもの時に、家族もそうですが、先生など素晴らしい大人に恵まれました。いろいろな先生にお世話になったご恩とは、先生方にお返しするものだと思っていました。でも、ある先生に「私たちも昔、いろいろな先生に教わってきたんだ。君も私たちに返すのではなく次の世代にその恩を返しなさい」と言っていただいて、その言葉がきっかけになりました。

――社会科を選ばれたのは?

 実は、とくに歴史が好きというわけではなかったのですが、今は、好きでなくて良かったと思っています。苦手な生徒の気持ちがわかりますし、その生徒が関心をもてる授業をめざそうと思えるからです。

 私は、とにかく単語を暗記して、テストで100点を取ることができればそれで満足、といういわゆる“点取り虫”な生徒でした。でも、大学生になって、あんなに勉強してきたのに、授業の内容が何も頭に残っていないことにがく然としました。

 自分が教員になったら、生徒にとってそんな授業にしたくないと思いました。もし、歴史が好きで興味を持って勉強していたら、今のような考えになっていなかったと思います。

――授業で大切にしていることはどんなことですか?

 大切にしていることは二つあります。一つ目は、生徒たちの“想像のスイッチ”を入れること。「歴史」は過去に起こったことで、体験できないから想像しにくいですよね。もし、自分がその時代に生きていて同じ選択を迫られたら、自分ならどうするだろうとか、そういうことを考えさせるスイッチを入れることを考えています。学びは共感から始まると思うので授業でもいろいろなエピソードを盛り込んでいます。

 また、世界史の授業では、自身の体験も話します。私は、世界26カ国ほどの国を旅したので、その時に書き溜めた旅行記も紹介しています。体験を話すことで、「私もこの国に行ってみたい」「自分がこの国に行ったらどう感じるのか」というような想像力を膨らませることを心がけています。

記憶に残すにはうまくいかない経験も大事

――では、もう一つは?

 グループワークなどで“学び合う”ということです。それと前述のような、「テストに出るんだ」と覚えたものはすぐに忘れてしまいますから、記憶に残すということも心がけています。グループワークでは発表する過程でいろいろとつまずきがあります。「なぜだろう?」と考えることやうまくいかないような経験というのが、記憶に残すうえでも大事だと思うのです。うまくいかない時に、チームを組んでいる誰かが、解決できることがあります。そこで学び合うことによって、教えてもらった子はもちろん、教えた子も、人に教えることで学べます。それはこの職業に就いて気づいたことで、私が一番、学ばせてもらっていると感じます(笑)。そういう学びの共同体を作っていくことを大切にしています。

――そうした授業は準備も大変なのでは?

 想定外の質問が出ることもありますし、豊かな発想力を持っていたりするので、こちらが130%ぐらいの準備をしておかないと答えられません。

 それがまた面白い部分でもあり、そういうところにまだ自分の力不足を感じるとともに、教師も常に“学び”だと教えてもらえます。それから、発表をした後、生徒へのフィードバックをどこまで行うのかという点ではいまだに悩みます。

“生徒と教師”ではなく“人と人”の関係

――生徒たちの授業への反応はいかがですか?

 テレビのクイズ番組を再現する授業を始めて4~5年になりますが、その授業について手紙を書いてくれた卒業生がいました。「事件名を覚えるだけでなく、先人たちの営みを学び、思いを馳せ、生きることについて考えることが大事だと気づいた」とあって、自分が伝えたかったことが伝わっていたのだとうれしくなりました。

 また、以前の赴任先でも授業で取り上げた「児童労働」について、生徒が感想を手紙に書いてきてくれたことがありました。彼女はさまざまな事情を抱えていた生徒なのですが、教育を受けられることが当たり前ではない子どもたちがいることを知り、自分が教育を受けられる恵まれた立場にいること、そのことをおろそかにしてはいけないということを学んだと手紙に書いてくれました。その生徒のことは本人に許可をもらって、今でも生徒たちにも話しています。

 正直、これまで、教職を離れようと思ったことが何度もありましたが、こういう反応をもらうと、自分の使命として、もう少し、ここでがんばらなければという気持ちになります。生徒たちに留まらせてもらっています。

――最後にご自身の目標をお聞かせください。

 学び続ける人でありたいと思っています。私は、いわゆる“教師らしく”在ることがあまり好きではありません。“生徒と教師”という関係より、“人と人”という関係性でいたいからです。生徒から学ぶこともたくさんあります。彼女たちは、こちらの言葉を感性でキャッチして自分の言葉に変えて発信する力を持っていて、そうやって成長していく姿をみるのはうれしいです。そんな関係性の教師がいても良いのではないかと思っています。

グループワークで各チームが趣向を凝らしたクイズを出題。答えもみんなで話し合ってチームで解答します。グループワークで各チームが趣向を凝らしたクイズを出題。答えもみんなで話し合ってチームで解答します。
小林先生の「宝物」という生徒からの手紙。中には何枚にもわたって綴られた長い手紙も。小林先生の「宝物」という生徒からの手紙。中には何枚にもわたって綴られた長い手紙も。

(この記事は『私立中高進学通信2019年2・3月合併号』に掲載しました。)

恵泉女学園中学校  

〒156-8520 東京都世田谷区船橋5-8-1
TEL:03-3303-2115

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