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私立中高進学通信

2019年1月号

生徒の未来対応型学校へバージョンアップ

淑徳SC中等部

超小型PCで本格的なプログラミング学習
AI時代を担う人材を育成する

手のひらに収まっているのが小型パソコン「ラズベリーパイ」。生徒が使うのは「Raspberry Pi Kit for DUMMIES」というラズベリーパイの最もやさしいキットです。

手のひらに収まっているのが小型パソコン「ラズベリーパイ」。
生徒が使うのは「Raspberry Pi Kit for DUMMIES」というラズベリーパイの最もやさしいキットです。

教育用PC「ラズベリーパイ」でコンピュータの仕組みを学ぶ

 同校は日々進化するAI(人工知能)社会を見据えて、ICT教育にさまざまな角度からアプローチしてきました。パソコンの使い方に関しても、文書作成や表計算、プレゼンテーションソフトなどの使い方はもちろん、個人情報の保護、セキュリティなど安全対策も教えています。

 注目したいのはコンピュータの物理構造を学ぶ授業があること。コンピュータの演算や記憶装置がどのように構成されているのか、いわばコンピュータの仕組みを学ぶのです。その取り組みの一つが、超小型のパソコン「ラズベリーパイ(Raspberry Pi)」を教材にした授業です。ラズベリーパイとは、学校でコンピュータの基本を学ぶためにイギリスで作られたコンピュータ。手のひらサイズながらOSをインストールでき、マウスやキーボード、ディスプレイを接続できる安価なコンピュータとして、教育目的だけでなくホビー用途としても知られています。

 授業は専門内容に長けた外部講師を招いて行われます。中1ではプログラミングの基礎を学び、最終的にはキャラクターを動かしたりアニメーション作品を作ったりするのがゴール。中2ではゲーム制作に取り組むという、生徒たちが楽しく学習でき、興味深い内容になっています。

コンピュータサイエンスに楽しさや達成感は不可欠

 外部講師を派遣している株式会社インタークロス代表取締役の桃井正典さんは、ラズベリーパイを使う意義を「ICT教育においてハード系の知識を学ぶことへの抵抗感をなくしたい」といいます。今の子どもは昔のようにコンピュータを趣味として楽しんだり、夢中になったりする経験が少なく、その結果、コンピュータサイエンスへの関心が薄れてきていることを危惧し、歯止めをかけたいと考えているそうです。

 今後のAI時代を見据えて、コンピュータサイエンスを学ぶことは大変有利で、就職先も日本だけでなく海外に広がる可能性があります。その土台になるのが、中高時代に得るコンピュータそのものへの興味や関心なのです。ラズベリーパイを使ってコンピュータを自分で作り、プログラミングをしてソフトを動かしてみる、という原体験が不可欠というわけです。

 中1を担当する福嶋寿奈先生は「生徒たちはタブレット端末を使いこなし、スマートフォンの操作も得意ですが、パソコンの仕組みはこの授業で初めて知ったはずです」

 と話します。

 電源やコネクタを挿す位置がわからず、初動の操作にも試行錯誤する生徒たち。1時間ずつじっくりと時間をかけて授業を進めていくなかで、コンピュータへの理解や興味、自信も深めていきます。

「当初、高1で導入しようという意見もありましたが、思い切って中1から導入しました。前年度の生徒たちは、やってみたら面白いと感じたようで、達成感や自信を持てる姿が見られました。
 中1で習得した基礎を踏まえ、中2からはプログラミング言語を使って自分でプログラムを組む体験をし、中3では、新言語のルビーにも挑戦したいですね」

 と入試広報部の片平清先生。

 コンピュータを基礎から学び、流行に流されないICT学習は、同校の学校名の「SC」に込められた「Successful Careerサクセスフルキャリア」=「女性として『よりよく生きる』」に直結した学びと言えるでしょう。

ここがポイント
コンピュータの仕組みを知る
初めて触れるコンピュータの中身

 中1での取り組みは、「ラズベリーパイ」を開封し、電源を入れてモニターやキーボード、マウスを接続するところからスタート。初めて見る小さな基盤に「これがコンピュータなの?」と驚きながら手に取ります。

 手のひらサイズの基盤を透明プラスティックケースに取り付ければ準備は完了。電源を入れ、マウスとキーボード、ディスプレイを接続していきます。スケルトンになっている基盤を見ると、細かな基盤のチップやUSBポートなどが見えます。これは通常のノートパソコンやデスクトップパソコンなどでは見えない部分です。生徒たちは初めて扱う基盤に試行錯誤しながら、何とか無線LAN接続ができるところまでこぎつけました。

すべてのコネクタを接続すると、モニターに画面が表示されます。すべてのコネクタを接続すると、モニターに画面が表示されます。
操作で迷ったら友達同士で教え合います。図書コーナーの一角にあるコンピュータスペースで行われます。操作で迷ったら友達同士で教え合います。図書コーナーの一角にあるコンピュータスペースで行われます。
ここがポイント
中2ではプログラミング言語を書いてゲーム制作に挑戦!
言語を用いて本格的なプログラミング
タブレットに配付されたプリントはプログラム言語パイソンのコード見本。同じように入力すれば正しくパソコンが動きますが……。タブレットに配付されたプリントはプログラム言語パイソンのコード見本。同じように入力すれば正しくパソコンが動きますが……。

 中1では簡単な操作でプログラミングが行える「スクラッチ」というソフトを使って、プログラミングの基礎を学び、中2では本格的に「パイソン」というプログラミング言語を用いてゲーム制作に取り組みます。

 スクラッチは「ビジュアルプログラミング」といってマウスで操作ボタンを組み合わせるだけでキャラクターを動かせましたが、パイソンは違います。キーボードでプログラミング言語を入力しなければプログラムを組むことはできません。見本のコードを自分のパソコンに入力し動かしてみます。1文字違ってもプログラムはうまく実行されません。生徒たちは夢中になって取り組んでいました。

前年の体験もあり余裕の中2生。自分のラズベリーパイの起動も素早くできます。前年の体験もあり余裕の中2生。自分のラズベリーパイの起動も素早くできます。
「あれ、動かない。どこが違うんだろう?」とコードを目で追う生徒。講師の吉澤忠さんはシステム開発を手掛けるシステムエンジニア。「どこだろうね?」と、生徒に答えを探させる教え方はプロフェッショナルならではです。「あれ、動かない。どこが違うんだろう?」とコードを目で追う生徒。講師の吉澤忠さんはシステム開発を手掛けるシステムエンジニア。「どこだろうね?」と、生徒に答えを探させる教え方はプロフェッショナルならではです。

進学通信2019年1月号
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