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私立中高進学通信

2019年1月号

私学の英語最前線

東京都市大学等々力中学校

音読を日々繰り返して 英語の4技能を磨く

「グローバルリーダーの育成」が同校の教育目標の一つ。
音読トレーニングを積み重ね、実践的な英語力を養う授業を英語科の全教員が実践しています。
「リテリング」の様子。相手がうなずいたり笑ったりする反応を見ながら英語を話すことで、さらに音読の効果が高まります。

「リテリング」の様子。
相手がうなずいたり笑ったりする反応を見ながら英語を話すことで、さらに音読の効果が高まります。

意味がわかった英文を何度も声に出して練習する

「英語の和訳ができたということは、ピアノでいえば、楽譜を読めるようになったことを意味します。楽譜を読めただけで満足する人はいないでしょう。ピアノを弾く練習を繰り返さなければ、上達しません。音読とは、ピアノを弾くことと同じなのです。
 従来の英語教育では、和訳ができたり、文法が理解できたりしたことがゴールでした。しかし、これはスタート地点です。本校では『音読の都市大等々力』と呼ばれても良いほどに英語を何度も口に出して読む“音読”に力を入れています。
 英文法の理解や構文、語彙力の習得は基礎です。『reading(読む)』『listening(聞く)』『writing(書く)』『speaking(話す)』の4技能の習得は実践です。基礎と実践の架け橋になるのが音読だと本校では考えています。単語や文法を学んで意味がわかった英文を声に出して練習すると、コミュニケーションやプレゼンテーションに活きてくるのです。“音読”すると脳科学的にも、脳が活性化されるという説もあります」
(英語科主任/児玉昭先生)

 同校の中学では英語の授業が週に7時間。主に文法を教える授業と読解を教える授業があり、英文の内容や意味、文法を理解した後、CDの音声を真似しながら音読を繰り返します。目標は「週100回、年間3500回の音読」。これが英語の全教員の合言葉になっていると児玉先生は語ります。

音読によって英語の語順のまま理解する思考回路が養われる

 では“音読”がもたらす効果を英語の4技能の面から見ていきましょう。

 まず『reading』。黙読では、英文を日本語の語順に直そうと後ろから読みがちです。『返り読み』と呼ばれるこの読み方では、速読が困難になります。リスニングやスピーキングにも対応できません。

 ところが、音読を繰り返すと、英語の語順のままで理解する思考回路が身につき、速読につながります。すると、たくさんの英文を読めるようになり、多読も可能になるのです。

 次に『listening』。耳で聞く英語は黙読のように目で読むだけでは身につきません。音読を繰り返すことで、聞こえてくるまま理解できるようになるとともに、英語のスピードや音の変化に耳が慣れていきます。また、CDの音声を真似するため、正しい発音も学べます。

 続いて『writing』。音読で繰り返し練習した英文の構造を英作文に活用できるようになります。さらに、週に1度の割合で、英文を暗唱する宿題が出されるため、自然と自分の知識として英文が蓄積され、英作文ができるようになるのです。

 最後に『speaking』。音読の反復練習によって英語を話す力が鍛えられます。さらにこの力を向上させるため『リテリング』という手法を同校では実践しています。

教室にあふれる、間違っても恥ずかしくない雰囲気

「『リテリング』は、英文を音読した後、生徒同士でペアを組み、その英文の内容を、教科書を見ずに相手の前でもう一度話すという練習です。音読がインプットなら、『リテリング』はアウトプットです。
『リテリング』では、英文を完全な形で再現する必要はありません。例えば、英文に出てくる『John』という名前を忘れて『He』という単語に変えるようなことが起きてきますが、これは学んだ英語が自分の英語になりつつある兆しなのです。
 高校生になると語彙が増えてきますから、先ほどの例のように自分で工夫して表現を変える『パラフレーズ』を使った『リテリング』もできるようになっていきます。『リテリング』を発展させた手法が『サマライゼーション』です。音読した本文全体を自分の表現を使って要約して相手に伝えます」

『リテリング』の最大のメリットは、これまで日本人が英語を話せるようになれなかった、英語を間違えることの恥ずかしさを払しょくできることだと児玉先生は力説します。

「テキストの英文をそのまま暗唱するのではなく『自分の表現を使ってもいい』と言ってあるので、言葉に詰まったり、間違えたりしても恥ずかしくありません。生徒は『忘れちゃった』と照れ笑いをしながら一生懸命に英文を口にしています」

 さらに『speaking』の力を高めるために放課後や長期休暇中にも語学講座や海外研修、留学などのプログラムを用意しています。

 こうした手厚い英語教育により、同校の生徒の英語力は伸び続けています。2017年度の調査では中高生向けの4技能測定テスト『GTEC』では次のような結果が出ています。

 中2の全国平均スコア332に対して同校の生徒たちは344でした。その3年後、この生徒たちが高2になった時、全国平均スコアは445。この結果に対して、同校の生徒たちは529と大きく上回っているのです。

POINT1
放課後を利用した英会話の講座

 1~2学期には、放課後に定員20名以下の「イングリッシュ・シャワー講座」を開講。また、オンラインによるマンツーマンの英会話レッスン(写真)も行っています。英語を話す機会をどんどん提供しています。

POINT2
長期休暇中の希望者に向けたプログラム

 ネイティブの教員による5日間の「夏期イングリッシュサマーコース」(写真)を中学生に向けて用意。英語を覚えてから使うのではなく、楽しく使いながら覚えます。また、海外から来た留学生とディスカッションを重ねていく、中3から高2対象の「冬期エンパワーメントプログラム」も好評です。

POINT3
全員参加の「オックスフォード大学語学研修旅行」

 高2が全員参加する「オックスフォード大学語学研修旅行」(写真)では、オックスフォード大学の教授や学生たちと交流しながら、イギリスの歴史や文化を肌で感じます。ほかにも希望者に向けた短期留学や長期留学があります。

担当の先生より
英語が伝わったときの喜びを大切にしたい
児玉昭先生

 本校ではすべての教科に『知識構成型ジグソー法』を授業に導入しています。これは、グループワークを通して、問題解決能力を育む協働学習法です。私はジグソー法と『リテリング』を組み合わせた授業も行っています。例えば、高1と高2では世界のジョークを集めた本を使ってこんな授業を行いました。ペアを組んだ2人の生徒に、それぞれ違う英文のジョークを読ませます。そして、相手にこのジョークを『リテリング』して聞かせるのです。オチの部分で相手が笑ってくれると、生徒は大喜びしますね。自分の英語が伝わったときのうれしさが、英語を学ぶモチベーションにつながります。このうれしさを大切にしたいと思っています。
(英語科主任/児玉昭先生)

(この記事は『私立中高進学通信2019年1月号』に掲載しました。)

東京都市大学等々力中学校  

〒158-0082 東京都世田谷区等々力8-10-1
TEL:03-5962-0104

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