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私立中高進学通信

2019年1月号

注目のPICK UP TOPIC!

二松学舎大学附属柏中学校

自ら課題を設定し、探究する
「自問自答プログラム」を実践

探究の成果をプレゼンテーション
グラフなどを用いたわかりやすい資料をスクリーンに映してプレゼンテーションします。

グラフなどを用いたわかりやすい資料をスクリーンに映してプレゼンテーションします。

中3の1年間で取り組む「探究論文」作成
2月の発表の持ち時間は1人7分間。膨大な情報を凝縮し、要点をまとめた説明が必要です。2月の発表の持ち時間は1人7分間。膨大な情報を凝縮し、要点をまとめた説明が必要です。

 グローバルな視野を育み、「自問自答」を教育の原点に掲げる同校。現代社会に貢献する人材になるには、正解を一つと限定せず、自ら課題を設定・探究し、自ら解決する力を身につけることが重要だと考えています。

 同校では、「自問自答」をキーワードにした実践を進めており、中1では「地域」をテーマとしています。学校の近くにある手賀沼の環境と歴史について、グループごとに探究し、その内容を発表します。中2では「日本」をテーマに、修学旅行で訪れる京都・奈良の歴史や文化、宗教などについて事前学習と現地での調査を行います。

 そして、中学での「自問自答プログラム」の集大成とも言えるのが、中3で取り組む「探究論文」の作成です。すべて個人で取り組み、テーマは生徒が自分の興味・関心にもとづき自由に決定します。インターネットなどを活用しての調査のほか、専門家の話を聞く、実験をするなど、その方法についても試行錯誤しながら進めていきます。集めた情報や調べたデータを分析し、結論を考察して8000字程度の論文にまとめます。

「中1・中2での実践を通して、課題の探し方や仮説の立て方といった “学び方”は会得しているので、中3ではその力を基に、興味のあるテーマと1年間向き合います。テーマは幅広く、『スフィア基準(災害などの支援者が現場で守る最低基準)について』『制服の文化と歴史について』など、実に多様なテーマが選ばれています。指導する私たちも一生懸命勉強しています」と、同プログラムリーダー・中学学年主任の森寿直先生は話します。

 生徒たちの研究成果は、9月の松陵祭で中間発表。そして、2月に論文を提出し、中1生と中2生、保護者の前で発表します。堂々と自分の考えを披露する生徒たちに、驚く保護者も多いそうです。「探究論文」作成を通して、自ら課題を探究したことで、プレゼンテーションのスキルが磨かれていくのはもちろん、大きな自信を得ているのです。

研究内容の紹介
犯罪事件が起こる社会的理由についての調査と考察
中3 岡本さん中3
岡本さん

――研究テーマについてどのように探究しましたか?

 研究テーマは犯罪心理学で、「人はなぜ罪を犯してしまうのか?」です。刑事ドラマを見るのが好きなこと、最近の事件に触れて、犯人はどうしてその事件を起こしたのか気になったことがきっかけです。犯罪の中でもとくに興味のある少年犯罪について深く調べました。

岡本さんの調査ノート。調べたことがていねいにまとめられています。岡本さんの調査ノート。調べたことがていねいにまとめられています。

 インターネットなどで、実際に起こった事件を調べて、犯罪を犯すことになった理由を分析しました。その結果、犯罪は、犯人だけに問題があるのではなく、成育環境など、いくつかの社会的な理由があることがわかりました。

――プログラムを通じて得たものは?

 発表に使うまとめの資料をつくる際にわかりやすくするには、1ページでどれだけの情報を入れたら良いかといった、プレゼン力を得られたと思います。


高いロケット技術を持つ日本が有人ロケット開発をしない理由は?
中3 郡家さん中3
郡家さん

――研究テーマについてどのように探究しましたか?

 研究テーマは、「日本が有人ロケットを保有しないのはなぜか?」です。小さい頃から理科が好きで、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の施設を見学に行った時に、日本のロケットは世界的にも高性能なのに、なぜだろうと思ったことがきっかけです。この疑問について調べるために、まず日本が持っているロケット技術について調べました。ロシアの有人ロケットとの性能の差を調べ、日本でも技術的には有人ロケットの開発が可能だということがわかりました。では、どうして開発しないのだろうかと思い、さらに深く調べてみました。

 JAXAの方に話を聞いた結果、国の方針がないとできないこと、そのためには、国民の支持が必要なのではないかと考えました。そこで、過去に有人宇宙飛行を実施しているアメリカで、アポロ計画が進められていた頃、政府や企業はどうやって国民の支持を得ていたかを、英語の本を翻訳しながら調べました。

――プログラムを通じて得たものは?

 新聞やニュースなどを通じて社会で起きていることに目を向け、そこで感じた疑問を調べ解決しようとする姿勢が身につきました。


テーマ選びから発表までの活動で大きな力がつく
中学学年主任/森 寿直先生中学学年主任/森 寿直先生

「自問自答プログラム」は、自分の興味のあるテーマを見つめ、1年間かけて探究する取り組みです。参考文献を探したり、自分で調査して数値を明らかにしたり、考察したことを言語化してわかりやすく発表するというプロセスを通して、高校や社会で役立つ調べ方や発表のしかたが身につきます。

『探究論文集』は製本されて配付されます。『探究論文集』は製本されて配付されます。

 導入してから今年で4年目ですが、これまで取り組んだ生徒からは、「課題は与えられるものだったが、自分で学ぶことで知識が増えるのが楽しいと思えた」「日常生活で些細なことにも疑問を感じ、調べるくせがついた」などの声が聞かれます。

 正解が一つでない課題を探し、発表するまでのプロセスで大きな力がついていると思います。

(この記事は『私立中高進学通信2019年1月号』に掲載しました。)

二松学舎大学附属柏中学校  

〒277-0902 千葉県柏市大井2590
TEL:04-7191-3180

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