私立中高進学通信
2019年1月号
注目のPICK UP TOPIC!
東洋英和女学院中学部
知識・思考を深め、好奇心を広げる
読書経験で、生徒の成長をバックアップ
学院の中心に位置する開かれた図書室

図書活動委員会が積極的に活動

(図書活動委員会・副委員長・中2/E・Tさん)
心と知性を養い、自分の将来の夢を実現し、他者のために自分を活かす女性を育てることを教育目標とする同校では、知識と思考を深めるために、読書指導を大切にしています。校舎の中心に位置する図書室は生徒の利用率が高く、読書指導の中核を担っています。蔵書は約5万冊で、月に200冊の新刊が入荷されます。
図書室では、2人の専任司書教諭が生徒の質問や要望に応え、先生の意見を取り入れながら、授業や課題、行事に役立つ本も多数そろえ、特集コーナーなどで紹介しています。
「生徒が興味を持ってくれるよう、新刊コーナーは毎週入れ替えています。
最近人気なのは、AI関連の書籍です。AIが自分たちの将来にどう関わっていくのか、長所・短所は何かなど、生徒たちが知りたいことを深く調べられるような本を紹介しています。
卒業生である村岡花子さんが翻訳した『赤毛のアン』シリーズも人気で、貸出が途切れません」
(司書教諭/富岡暢子先生)
生徒による図書活動委員会の活動も熱心です。通常の貸し出し業務のほか、おすすめの本を紹介する冊子「どくらく」を作成したり、文化祭での古本市やイベントなどに取り組んだりしています。
「図書活動委員会では、生徒や保護者に呼びかけ、古本を集めています。文化祭の古本市で販売し、売り上げを児童養護施設に献金したり、開発途上国の識字活動や図書館整備をしているNPO法人に寄付したりする活動を積極的に行っています」(司書教諭/市川亜里沙先生)
多角的な取り組みで読書を奨励
2020年度の入試改革で重視される「思考力・判断力・表現力」の育成に読書が極めて重要だととらえる同校は、進路指導の面からも読書を奨励。
中1〜中2は『ブックリストのび〜る』という台紙を教室に掲示し、本を借りて読んだらシールを貼る取り組みを行っています。本をたくさん読む生徒に刺激され、周囲も読書に励む動機づけになっています。
中3からは『Feelnote』というSNS型の校内e-portfolioを利用。読書記録を入力しておくと、自身の読書履歴を確認できるのはもちろん、タイムラインで友達や先生のおすすめの本や感想などの投稿を見ることができるので、読書の幅が広がります。
「読書によって、自分と違う思考を知ることで、自分の枠を越えたところで新たな経験を積むことができます。感受性がより豊かになり、思考力も鍛えられます。小論文を書いたり、面接で受け答えをしたりする力は、読書でこそ養えます。めざす進路に必要な学びを深めるためにも、生徒にはできるだけ多くの良い本と出会って、自分の思考の土台をしっかりと固めてほしいです」(進路指導/松木強先生)


夏休み前の貸し出しでにぎわう図書室。
夏休み中は貸出冊数の制限がなく、長期間借りられるため、
多くの生徒が興味のある本や課題に関する本などをまとめて借りていきます。

「文化祭の企画をどう工夫しようか、考えるのが楽しいです!」
(図書活動委員会・委員長 中3/Y・Fさん)
「卒業生の著作を紹介するコーナーはぜひ見てください」
(図書活動委員会 中3/F・Tさん)
「図書室はみんなが気軽に立ち寄れる場所にあります」
(図書活動委員会・副委員長 中3/M・Wさん)

「図書室に通うと、読書のジャンルが増えます」
(図書活動委員会・中2/K・Yさん)
「窓から見える緑が美しい自習室があります」
(図書活動委員会・中2/N・Mさん)

「海外でのホームステイを予定している生徒が、和食を英語で紹介する本を活用したり、運動部の生徒がスポーツの本を調べたりと、生徒の興味や学びもさまざまです。できるだけ多くの要望に応えられる図書室でありたいと思っています。
中学生へのおすすめは『世界地図の下書き』(朝井リョウ/集英社)。いろいろな環境の中にある子どもたちへ思いを馳せられる本です。高校生には『新版 大学生のためのレポート・論文術』(小笠原喜康/講談社)。すぐ役に立つ、実践的なことが学べるので、手に取ってもらいたいです」
(富岡先生)
「『この本が好きなのですが、同じ雰囲気の本はありますか?』など、生徒の質問に応じて、一緒に探すのがとても楽しいです。『おもしろかったです!』と言われると、うれしくなります。
中学生に読んでもらいたいのが、『夏への扉[新訳版]』(ロバート・A・ハインライン/早川書房)。AIが現実になった今、60年前に考えられた未来の科学技術の話は新鮮味もあり、読み応えがあります。高校生には『知って得する 図書館の楽しみかた』(吉井潤/勉誠出版)。表現はやわらかいですが、大学の学びへの準備がしっかりできる1冊です」(市川先生)

「教員から生徒へ向けて、“ブックリスト”を定期的に作成しています。ジャンルは問わず、生徒に読んでほしい本を、コメント付きで紹介します。私は『夜と霧 新版』(ヴィクトール・E・フランクル/みすず書房)を紹介しました。高校3年生の時にたまたま読んで、感銘を受けた本です。社会科の教員になるきっかけの一つになりました。
本との出会いは、人生の大きな節目になることもあります。良い本を見つけて、さらに関連した本を探せるようになってほしいです」(松木先生)
(この記事は『私立中高進学通信2019年1月号』に掲載しました。)
東洋英和女学院中学部
〒106-8507 東京都港区六本木5-14-40
TEL:03-3583-0696
進学通信掲載情報

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