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私立中高進学通信

2019年1月号

校長が語る 自立へのプロセス

世田谷学園中学校

自らの智慧と足でたくましく生きる人材を育成

「獅子児祭の実行委員の生徒たちのがんばりもあって、来場者が増えたんです。本当にお疲れさまでした」(山本慈訓校長先生)。獅子児祭実行委員長と副委員長を務めた3人と一緒に。

「獅子児祭の実行委員の生徒たちのがんばりもあって、
来場者が増えたんです。本当にお疲れさまでした」(山本慈訓校長先生)。
獅子児祭実行委員長と副委員長を務めた3人と一緒に。

仏教・禅の教えをもとに、学力の向上だけでなく、人間としての成長を重視した教育を行っている同校。生徒を自立へと導く鍵は、教育理念である「Think & Share」と「生き方」の授業のベースとなっている坐禅と写経にあるようです。

大切なのは、体験し
感謝の心を自覚すること
山本慈訓(やまもと・じくん)山本慈訓(やまもと・じくん)校長先生
1965年、東京生まれ。中央大学理工学部物理学科卒業、同大学大学院修士課程を修了。1993年より世田谷学園中学校・高等学校教諭、2010年に校長補佐、2011年に副校長、同年8月より現職。

「自立心が芽生える思春期は、豊かな感性を育む時期でもあります。本校では、単に知識を積み上げるだけでなく、感性を磨く体験を重ねることを大切にしています。なかでも大事にしているのは『感謝の心を自覚する』ことです」

 と、校長の山本慈訓先生。

 体育祭や獅子児祭(文化祭)、ボランティア活動など、さまざまな行事を通して、仲間と協力して味わう達成感や、人から感謝される喜びを体験することによって、生徒は成長していくのです。

「例えば、9月に行われた獅子児祭では、今まで生徒だけが参加していた後夜祭を、今年はグランドフィナーレとして、一般の方も参加できるようにしました。これは、『来てくださった方に感謝の気持ちを込めて、より楽しんでいただきたい』という思いで、実行委員の5年生(高2)が考えた企画です。こんなふうに成長してくれたことに、私も感激しました」

 また、同校の特徴である坐禅と写経も、生徒の成長に大きな役割を果たしています。

「『生き方』の授業として行う坐禅は、姿勢や呼吸を調えて、静かにじっと坐って自分を見つめ直す時間です。それをくり返すうちに、当たり前だと思っていた、例えば“家族の存在”へのありがたさに気づき、他者を思いやる気持ちや感謝の心を自覚していくのです。写経も丁寧に書くことで、坐禅と同じような気づきが得られます。『満員電車の中でまだ小さい小学生を、わが校の生徒が気遣う姿』をある方が学校に知らせてくれたこともありました」

お釈迦様の教えを軸に学ぶグローバル教育
自立するために大切なこと
  1. 感謝の気持ちを自覚する
  2. 互いの多様性を認める
  3. 思いやりの心を持つ
  4. 今をひたすらに明日に向かって果敢に挑戦する

「本校では、『Think & Share』を教育理念としています。これは、お釈迦様の『天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)』というお言葉を国際的に通用する言葉として、英訳したものです」

 「唯我独尊」は「自分勝手」「傲慢」などと解釈されがちですが、正しくは「私には、私だけがもっているかけがえのない価値がある。それと同じように、すべての人々にその人だけが持っているかけがえのない価値がある。つまり、人は一人ひとりが立派な人間になれる力を持ち、必ず光り輝ける」という意味だそうです。

「仏教の人間観に基づく生き方を説いている言葉ですが、多様性を認め合うという考え方は、グローバル教育の基本でもあります。グローバルな人材になるには、地球的視野を持ち、地球的問題に取り組む姿勢が大切。異なる文化や考え方の違いを理解し、さまざまな国の人たちとコミュニケーションがとれる能力を身につけることに力を入れています」

 グローバル教育の大きなプログラムとして、カナダ英語研修があります。対象は4年生(高1)で全員が参加します。研修先であるカナダのグレンライオン・ノーフォーク校とは姉妹校なので、研修内容も学校同士で直接相談をして決定。同校独自のプログラムを展開しています。

「研修前は不安そうだった生徒も帰ってくると『またカナダに行きたい!』と言うほど、毎年、楽しく有意義な時間を過ごしています」

 ほかに、ニュージーランド研修旅行(希望者)や、インターナショナルスクールの生徒との交流など、取り組みは多岐にわたっています。

AI&ITという新時代を生き抜くために必要なこと

「これからの時代は、AI(人工知能)やIT(情報技術)を、文系・理系を問わず最低限のこととして、使いこなさなければならない。そこで、今まで以上に数学を通して、論理的思考力をしっかりと伸ばしていきたいと考えています。2019年入試から『算数特選入試』を始めるのもそのためです」

「激しく変化する時代を生き抜くために必要なのは、『智慧』と『慈悲』と『勇気』と考え、これを本校がめざす人間像としています。一般的によく使われる『知恵』は悪い意味でも用いますが、『智慧』は良い意味でしか使わない言葉。『感謝』の心は『慈悲』や『勇気』の種であり、知性にこの『慈悲』と『勇気』が加わることで『智慧』になると考えています。生徒たちには、将来の夢や目標をしっかりと持って、明日を見つめて今をひたすらに、果敢に挑戦してほしい。私たちはそんな生徒たちを見守りつつ、グローバルリーダーとして活躍できる人材を育てていきます」

「今年の獅子児祭は、来場者に楽しんでもらいたいと新しいことを多く取り入れました。でも、みんなの協力もあってできたことだと感謝しています」(実行委員長/小野澤くん)「今年の獅子児祭は、来場者に楽しんでもらいたいと新しいことを多く取り入れました。でも、みんなの協力もあってできたことだと感謝しています」(実行委員長/小野澤くん)
カナダ英語研修では、ビクトリア大学での寮生活やホームステイを体験しながら、カナダの生活や文化について“英語で”学びます。カナダ英語研修では、ビクトリア大学での寮生活やホームステイを体験しながら、カナダの生活や文化について“英語で”学びます。

(この記事は『私立中高進学通信2019年1月号』に掲載しました。)

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