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私立中高進学通信

2019年1月号

実践報告 私学の授業

八千代松陰中学校

1人1台のChromebook導入で主体性と興味を引き出す

思考力を伸ばす探究型学習を推進
中1の理科の授業。Chromebookを調べ学習に使うことも。キータイピングの指導を受けているので、タイピングも滑らかです。生徒たちは自分でChromebookの使い方を発見して、さまざまな場面で使いこなしています。

中1の理科の授業。Chromebookを調べ学習に使うことも。
キータイピングの指導を受けているので、タイピングも滑らかです。
生徒たちは自分でChromebookの使い方を発見して、さまざまな場面で使いこなしています。

授業で積極的に導入し主体的な学びをサポート

 生徒一人ひとりの持ち味を活かす教育をモットーとする同校。ICTの導入にも早くから取り組み、現在では高2生までが1人1台のChromebookを所有しています。

 Chromebookの導入で大きく変わったのは、板書をする時間が減り、先生方の生徒と向き合う時間が増えたこと。今まで先生が黒板に板書していた内容を、一瞬でホワイトボードに映し出すことで時間が節約でき、生徒の間を巡視したり、生徒の質問に答えたりする時間が格段に増えました。

 また、Chromebookを使うことで、どの教科でも調べ学習や生徒主体の資料作りが進めやすくなりました。英語科の梅澤英里先生は、次のように話します。

「自分で調べたり、プレゼンテーションをしたりする機会を増やしたことで、生徒の授業に対するモチベーションが高まっています」

 資料の共同編集もできるので、グループワークを行う際にもアイデアが出やすくなり、議論も活発になったそうです。

 取材当日は、中1の社会科の授業で、グループごとに日本各地の特色について調べ学習が行われていました。生徒たちは手馴れた様子でChromebookを使い、相談しながら地図や図版を使ってグラフィカルなプレゼンテーション資料を作っていきます。発表では資料をスライドにしてホワイトボードに映し出し、各地の産業や文化をわかりやすく紹介。最後に地域社会の課題などにも触れ、一歩踏み込んだ学習が行われている様子がわかりました。

クラスメートとの思考の共有が視野を広げるきっかけに

 授業では、社会的な課題について、互いの意見が見える状態で書き込ませることもあるそうです。

「Chromebookを使って、生徒同士が互いの意見を共有する取り組みを積極的に行っています。意見が真っ二つに割れることもあり、同学年の生徒がどんな考えを持っているのかを知ることで、生徒たちの世界も大きく広がります」

 と、社会科の平澤亨先生は導入の効果について話します。

 導入にあたっては、キーボード付属のモデルを採用し、入学後からタイピングの指導を行っています。進学や就職をしてから、キータイピングができなくて困る若者が多い昨今、有用な取り組みと言えるでしょう。また将来の大学入試に備えて、行事や部活動の振り返りを書き込む『eポートフォリオ』(※1)も取り入れています。

 生徒の未来を後押しする同校のICT教育。どの教科でも有効な形でChromebookを取り入れ、学習を進めている様子が印象的でした。今後はより生徒が学びやすくなるよう、デジタル教科書の導入なども検討しているそうです。

※1 eポートフォリオ…部活動や学校外の活動成果など、活動の記録をデジタル化して保存するシステム。大学入試改革を見据え、これを高校の活動報告書として提出する動きが進んでいます。

各教科で効果的な使い方を採用 先生方に各教科の取り組みを聞いてみました
英語科
紙と鉛筆で単語練習をしつつ探究学習はChromebookで
梅澤英里先生梅澤英里先生

 授業で用いたスライドや問題は、Chromebookで共有していますので、各自が復習などで活用するように促しています。中1では基礎的な単語やアルファベットをしっかり覚えてもらいたいので、Chromebookを使うだけではなく、単語練習はノートと鉛筆を使って行っています。

 学年が上がると、ほかの教科で行った調べ学習を、英語に訳してプレゼンテーションすることもあります。探究的な学習も短時間かつ効率的に取り組めるようになったので、取り組みを増やし、生徒が主体的に学ぼうとする姿勢につながるように指導しています。


理科
実験動画をChromebookで確認
意見の共有が刺激に
酒井健丞先生酒井健丞先生

 いろいろな場面でChromebookを使っていますが、学校では実施することが難しい実験なども手軽に映像で見せられることに、大きな効果を感じています。実験動画を見せると、生徒の反応もよく、興味を持ちやすくなります。ICT導入で、イラストなどをホワイトボードに瞬時に映し出せるため、授業も理解しやすくなっていると思います。

 今後は、それぞれの生徒がグループ学習をスライドにまとめて持ち寄り、互いに学び合う協働学習に取り組みたいですね。

中1の理科の授業で元素記号を調べる生徒たち。疑問点をすぐに確認できるのも、ICTツールの利点です。

中1の理科の授業で元素記号を調べる生徒たち。
疑問点をすぐに確認できるのも、ICTツールの利点です。


社会科
リアリティをもって知識を吸収
生徒が使い方を発見することも
平澤亨先生平澤亨先生

 Chromebookを使って実際の地形を、リアリティをもって紹介できることが、地理の授業での大きなメリットです。Googleストリートビューを使って「ここまではバチカン、ここから先はイタリアだよ」など、実際に国境を見せたりできることも大きいですよね。

 中1生にグループでスライドを作らせたら、土日に自宅で編集を進めていた生徒もいました。興味が引き出され、学びが広がっていると実感します。教えていないのに新しい機能を使いこなしていることも少なくありません。

中1の社会科の授業。東北・北海道についての調べ学習の成果を発表する生徒たち。グループ学習にも取り組みやすくなりました。

中1の社会科の授業。東北・北海道についての調べ学習の成果を発表する生徒たち。
グループ学習にも取り組みやすくなりました。

Others
こんな使い方もしています

 同校では全学年が、日本語の基礎的な「読む」力を測る「RST」(リーディングスキルテスト)(※2)を一斉受検しています。テスト問題が各自のChromebookに配信され、画面タッチで解答を選んで問題を解いていきます。テスト終了後はその場で結果が配信され、瞬時に偏差値までわかります。4800台が同時にネット接続可能な、同校のインフラが最大限に活きる取り組みです。

 このほか、ホームルームでの係決めにChromebookを活用する場面も。授業だけでなく日常生活の中でも、生徒たちの欠かせないツールになっているようです。

※2 RST……国立情報研究所を中心とした研究チームが開発した、基本的読解力を測定するテスト。文章などの意味をどの程度正確に読めているのかをチェックすることができます。

RSTを一斉受検する生徒たち。同校にはChromebookとは別にコンピュータ室も3室あり、Chromebookを忘れた生徒はコンピュータ室で受検していました。RSTを一斉受検する生徒たち。同校にはChromebookとは別にコンピュータ室も3室あり、Chromebookを忘れた生徒はコンピュータ室で受検していました。
中1生は係決めに、Googleのサービス「Google Classroom」を使っていました。生徒と先生が共有して使える掲示板や課題提出の管理などが行えるため、宿題の提出などでも使われています。中1生は係決めに、Googleのサービス「Google Classroom」を使っていました。生徒と先生が共有して使える掲示板や課題提出の管理などが行えるため、宿題の提出などでも使われています。
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