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私立中高進学通信

2019年1月号

実践報告 私学の授業

実践女子学園中学校

未来につながる“実践力”を
多彩な探究プログラムで育む

仲間と協働しながら“正解のない問い”に挑む
グループでの話し合い活動では、どの生徒も積極的に発言し、主体性を持って学習活動に参加しています。

グループでの話し合い活動では、どの生徒も積極的に発言し、主体性を持って学習活動に参加しています。

積み重ねてきた教育実践を体系的に再構築
教頭の松下寿久先生。教頭の松下寿久先生

 校名が表す通り、学んだ知識を実生活で“実践”できる力の育成に取り組んできた同校。創立から120年間にわたり継承してきたその理念は、はからずも文部科学省が新しい学習指導要領として指し示す「思考力・表現力・判断力の育成」という教育ビジョンとも軌を一にしています。

「本校では、ずっと以前から思考力や表現力を伸ばすことを大切にしてきました。近年そうした取り組みを体系的に整理し、『探究教育』『グローバル教育』『感性表現教育』という3つに再構築し推進しています。日々の授業にこの3つを融合させ、生徒たちが自らの手で自らのキャリアを創っていく力を育むのが本校の教育です。とくに『探究教育』は、真の人間力を養ううえで重要な役割を担っています」

 と、教頭の松下寿久先生は話します。

 同校では、6年間を中1・中2の『基礎期』、中3・高1の『充実期』、高2・高3の『発展期』に分けた教育を展開していますが、中でも『充実期』には数多くの探究プログラムが用意されています。

「『基礎期』で培った基礎学力を活かし、『充実期』では “自ら考える”ことを重視します。仲間と協働しながら思索を深め、正解のない問いに挑みます。この過程で “情報活用力”や “課題解決力” “将来設計力”といった生きる力を養い、『発展期』での進路選択につなげていくのが本校のキャリア教育なのです」

めざしているのは主語が“私”になる授業

 探究教育のプログラムの一つ、中3の『総合学習プロジェクト』では、さまざまな社会課題に向き合う活動が行われています。この日の授業の題材は、国連の「SDGs(持続可能な開発目標)」。「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」などの目標に対し、生徒たちは5人1組で解決策を考えます。制限時間は15分。この短時間で、生徒たちは話し合いから資料づくりまでを行い、最後には代表者が発表します。積極的に話し合う態度や資料づくりの手際の良さから、生徒たちがこうした活動に慣れていることがわかります。

「大切なのは、生徒たちが“自分事”として社会の課題をとらえること。主語が“私”になるような授業づくりを心がけています」

 と、キャリア教育部中学主任・数学科の渡辺大輔先生は、活動の狙いを話します。

 高1では、外部企業が主催する「クエストエデュケーション」に参加しています。これは実在する企業から提示されるミッションに対し、生徒たちがグループ単位で数カ月をかけてプロジェクト提案を行うもので、全国約150校・約2万人の小中高生が競い合います。

「企業のミッションはどれも難解なため、テーマパークの創設やアプリの開発など、ありきたりな提案になりがちです。そのため、事前に将来的に起こりうることを予想した『未来年表』を見せるなどして、実社会が抱えている課題に、目を向けさせるようにしています」

 と数学科・情報科・技術科の教員で「クエストエデュケーション」担当の佐川大先生は話します。

「クエストエデュケーション」では、各企業が優秀と認めるプロジェクト提案に企業賞が贈られます。同校ではこれまで何度も企業賞を受賞し、2011年には企業賞の最高峰であるグランプリも受賞しました。同校の探究教育のプログラムが、生徒たちの豊かな思考力や表現力を育んだ成果です。

「本校は大学受験対策にももちろん全力を上げていますが、中高6年間の教育目標は単に大学進学ではありません。その先にある長い人生を自分の力で切り拓いていく力、いわば、生涯を支える “人間力”の育成こそが私たちの役目なのです」(松下先生)

生徒たちが力を合わせて挑む総合学習プロジェクト
国連の「SDGs」の目標に取り組む
SDGsの目標例 生徒たちが選んだワード
すべての人に健康と福祉を 「福祉ロボット開発」
ジェンダー平等を実現しよう 「LGBT」
働きがいも経済成長も 「労働基準法」

 中3の『総合学習プロジェクト』の題材は、国連サミットで採択された「SDGs」がテーマ。最初に「SDGs」の17の目標が示され、グループごとに、どの目標の達成に挑むかを決定。次に、先生から50のワードが示され、生徒たちは手分けをして、自分たちが選んだ目標と関連するものを抜き出します。

 その後、その中から「ベストワード」を選び、そのワードを使いながら目標達成の方策をA3の紙にまとめます。最後に、各グループの代表者が前に出て、1人30秒程度で発表を行います。50のワードの中には、「労働基準法」や「サマータイム」など、やや難解な用語も交じっていますが、生徒たちは互いに教え合うなどして理解を深めていきます。

 また、活動に入る前には、先生から「平和」「国際化」など定義があいまいな“マジックワード”について説明があり、生徒たちはそうしたワードを具体的な言葉に置き換えながら、発表資料を作成します。

「『数学が苦手だから』などの安易な理由で進路選択をしてほしくないとの思いがあり、生徒にはこうした活動を通じて、社会の課題に目を向けてほしいと思います」(渡辺先生)

生徒たちに、問題解決のヒントを出す渡辺先生。「生徒たちには、生涯にわたり主体的に学び続けるアクティブ・ラーナーになってほしい」と期待を寄せます。生徒たちに、問題解決のヒントを出す渡辺先生。「生徒たちには、生涯にわたり主体的に学び続けるアクティブ・ラーナーになってほしい」と期待を寄せます。
作成したペーパーを使って発表する生徒。50分1コマの授業内で、話し合いから発表までを行います。作成したペーパーを使って発表する生徒。50分1コマの授業内で、話し合いから発表までを行います。
各企業のミッションに対し生徒たちがプロジェクト提案に挑む
クエストエデュケーション

「クエストエデュケーション」への取り組みは、約半年間にわたります。最初に生徒たちは、6社のミッションの中からどれに取り組むかを選択。その後、同じミッションを選んだ者同士でグループを組み、ブレーンストーミングなどを行いながら提案内容を練り上げていきます。

 どのミッションも、説得力のある提案にするのは大変です。生徒たちはメンバー同士で密接に協働しながら、知恵を出し合います。

「生活が満たされた現代社会の中で、新しいアイデアを創造するのは難しいものです。それだけに、生徒が『こうありたい!』と思えるような形で働きかけを行っています」(佐川先生)

発表資料は、パワーポイントで作成します。どのミッションも一筋縄ではいかないだけに、仲間とアイデアを出し合います。発表資料は、パワーポイントで作成します。どのミッションも一筋縄ではいかないだけに、仲間とアイデアを出し合います。
グループでのブレーンストーミングでは、一人ひとりがアイデアを付せんに書き、模造紙に張り付けながら話し合います。グループでのブレーンストーミングでは、一人ひとりがアイデアを付せんに書き、模造紙に張り付けながら話し合います。

(この記事は『私立中高進学通信2019年1月号』に掲載しました。)

実践女子学園中学校  

〒150-0011 東京都渋谷区東1-1-11
TEL:03-3409-1771

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