私立中高進学通信
2019年1月号
未来を切り拓くグローバル教育
文化学園大学杉並中学校
中学に来春新設
DD 準備コース
2019年よりカナダ式21世紀型教育を中学から体感

中1の英語のクラスは、生徒のレベルに応じて複数に分け少人数制で習熟度別に取り組んでいます。
中1で基礎を固め、中2からの高度な英語の授業にも対応できるまでの力を身につけていきます。
カナダの卒業資格も得られるダブルディプロマ実施校
2018年度から男女共学となり、中1と高1に男子生徒が入学。『感動の教育』を建学の精神とする同校にとって共学化は、多様な価値観を育み「21世紀型教育」をさらに前進させるものでした。
同校は2015年より、高校に『ダブルディプロマ(DD)コース』を設置しています。DDコースの生徒は、同校の高校とカナダのブリティッシュコロンビア(BC)州の高校の両方に在籍することとなり、日本のカリキュラムとカナダのカリキュラムを、同時進行で受講することができるのです。
カナダのカリキュラムは、BC州の教員による英語の授業を受講します。2つのカリキュラムを学ぶため1日の授業時数は7~8コマとなりますが、卒業時には、日本とカナダの高校卒業資格を得ることができます。そのため、海外大学への進学もスムーズで、国内私立大学へも帰国生として受験が認められることもあります。この場合、一般入試と合わせて同じ大学を2回受験できることも。実際に2017年度に卒業したDDコースの一期生は、難関海外大学や国内有名私大の合格を手にしました。
そして何より英語でカナダ式の「21世紀型教育」を受講できるため、英語力はもちろん、表現力や思考力、読解力、判断力が飛躍的に伸びることが期待されます。
中学『DD準備コース』も英語「で」学ぶ
関心の高まりを受け、2019年度からは中学にも『DD準備コース』を新設。中学入学後、希望によって、中2から『DD準備コース』か『中高一貫コース』を選べるようになります。
両コースの違いは英語の授業にあり、DD準備コースは週10時間のうち8時間をBC州教員が担当し、カナダのカリキュラムに沿った内容で実施。
一方の中高一貫コースでは週9時間、英語の授業があり、このうち欧米出身のネイティブ教員が7時間を担当します。中高一貫コースが“英語「を」学ぶ”のに対し、DD準備コースは“英語「で」学ぶ”というスタイルの違いがあります。
中学においては英語以外の授業は共通カリキュラムで行い、学費の違いはありません。DD準備コースは、英検4級レベル以上であれば希望者全員が受講可能です。また、中高一貫コースでも高い英語力が培われるので、高校からDDコースに進むことも可能です。
同校では、DD準備コースに加え、2019年度から、「STEAM教育」(※)を強化していきます。プログラミングやロボット制作などを行うLABO教室も新設するなど、その準備は着々と進んでいます。
共学化だけではなく、新しい挑戦を続ける同校の動きに目が離せません。
※STEAM教育……科学・数学・技術領域に重点をおく教育として注目されているSTEM教育に、「A(ART)」=芸術を加え、理数系の科目や芸術領域に力を入れる教育方針。ファッションや美術の分野で専門学部を有する系列大学の存在がある同校ならではの取り組みが期待できます。
Action Report File001
世界水準の授業で英語力や思考力が向上
カナダの21世紀型教育を杉並で!

「DDコースを新設して4年になりますが、カナダの教育は改めて日本の生徒になじみやすいカリキュラムだと感じています。1日7~8時間の授業をこなすなど、両校の単位を取ることには努力が必要ですが、カナダ式の教育はアクティブラーニング形式が主なので、生徒たちも楽しんで取り組んでいるようです」
と、松谷茂校長先生は話します。
DDコースには例年、カナダの教育省から7~8名の教員が派遣されています。授業の様子を見ていると、日本で従来行われてきた教育スタイルとはまったく違う教え方で、驚かされることもあるそうです。
経済協力開発機構加盟国で比べた、生徒の学習到達度調査2015年度の調査によると、読解力は35カ国中、日本が6位だったのに比べ、カナダは1位でした。このようにカナダ式の教育では読解力で大きな力がつき、日本の模擬試験や英語の検定試験でもハイスコアにつながっていると松谷校長先生は言います。
「DDコースの一期生は高校入学時に英検準2級レベルの生徒が約半数でしたが、高3では6割以上が準1級、さらに3割は1級レベルまで到達して驚きました」
一期生は13人でしたが、うち5人は海外大学へ進学し、世界大学評価ランキングで東大を上回る大学も含まれています。国内でも早稲田大学や国際基督教大学などの難関私立大学へ合格しており、取り組みの成果が証明されました。


Action Report File002
STEAM教育を本格導入
Art分野の強みも生かす
グローバル化とIT化が急速に進む社会で活躍するために、同校では2019年度から、科学・技術・工学・数学に芸術をプラスした「STEAM教育」の強化に乗り出します。
共学化の影響もあり、理系を志望する生徒が増えたこともありますが、「文系の生徒であっても、理系の知識教養はこれからの社会に欠かせません。幅広く文系理系両方で興味や関心を広げてもらいたいです」
と松谷校長先生は話します。理系分野を強化するにあたり、STEAM教育の本場であるアメリカでの研修にも参加してきたそうです。
具体的な取り組みとして中学では、新設されるLABO教室でプログラミングやロボット製作に取り組み、理科系の科目では実験の頻度を増やすなどして、興味・関心を持ってもらうことを主眼とします。高校では、特別進学コースに理数クラスを設置し、探究学習などを通してさらに深い研究に取り組んでいくことになります。
また、系列の文化学園大学は服装学部や造形学部を有することから、デザインや表現といったアートの分野について、専門的な授業を受けられるのも同校の強みです。
「社会が抱える課題を解決するため、自分は何ができるのかをよく考え、工夫したり、アイデアを出し合ったりして、困難を乗り越える力をつけてもらいたい。そのためにSTEAM教育は有効であると考えています」
(松谷校長先生)


(この記事は『私立中高進学通信2019年1月号』に掲載しました。)
文化学園大学杉並中学校
〒166-0004 東京都杉並区阿佐谷南3-48-16
TEL:03-3392-6636
進学通信掲載情報

PICK UP!!
紹介する学校
- 先輩から後輩へと“物語”を紡ぐ平成最後を飾る『桐陽祭』目白研心中学校
- AED講習帝京大学系属帝京中学校
- 「応援すること」を通して人間力を養う安田学園中学校
- 多くの本を読ませたいという創立者の思いが生き続ける図書館 国府台女子学院中学部
- 一人で学ぶのではなくみんなで“学び合う場”富士見中学校
- 「考えて行動のできる人」をめざして勉強に部活動に全力投球! 横浜創英中学校
- バンクーバー語学研修で英語が“使える”生徒を育む春日部共栄中学校
- 中2・高1が全員参加 イギリス英語研修秀明大学学校教師学部附属秀明八千代中学校
- 2019年度より『S探究コース』『LAコース』がスタート! より深い学びへ多摩大学目黒中学校
- 異文化を肌で感じるオーストラリア海外研修八王子学園八王子中学校
- 中学に来春新設 DD準備コース文化学園大学杉並中学校
- 台湾への大学進学を全面的にサポート文教大学付属中学校
- 男女別クラスによる共学化がスタート横浜富士見丘学園中学校
- 未来につながる“実践力”を多彩な探究プログラムで育む実践女子学園中学校
- 『地球思考プログラム』で世界とつながる女性を育てる東京女子学園中学校
- 1人1台のChromebook導入で主体性と興味を引き出す八千代松陰中学校
- 自らの智慧と足でたくましく生きる人材を育成世田谷学園中学校
- 伝統に息づく先人の志や願いに触れ国際社会を生きる基盤を培う麗澤中学校
- プレゼンのおかげで人前で話すことが得意になりました!和洋九段女子中学校
- 一人ひとりを伸ばして、しっかり支える伝統的な「そのつど評価」と「成績伝達」桐朋女子中学校
- 知識・思考を深め、好奇心を広げる読書経験で、生徒の成長をバックアップ東洋英和女学院中学部
- 自ら課題を設定し、探究する「自問自答プログラム」を実践 二松学舎大学附属柏中学校
- 一人ひとりの生徒をよく見てくださる先生がたくさんいらっしゃいます国士舘中学校
- 「創発学」のおかげで自主性や創造性が身についたと思います日本学園中学校
- 多彩な入試で主体的に学ぶ生徒を募る開智日本橋学園中学校
- 多様な受験生を受け入れる努力の成果を示せる入試神田女学園中学校
- 自らを「磨き」「創る」教育は新たなるステージへ昭和学院中学校
- 21世紀の国際感覚を育むグローバル留学コース昭和女子大学附属昭和中学校
- 音読を日々繰り返して英語の4技能を磨く東京都市大学等々力中学校
- “きめ細かな”指導で全生徒の英語力を伸ばす富士見丘中学校
- 超小型PCで本格的なプログラミング学習 AI時代を担う人材を育成する淑徳SC中等部
- 2019年度より『S探究コース』『LAコース』がスタート! より深い学びへ光英VERITAS中学校(現校名 聖徳大学附属女子中学校)
- 成功も失敗も成長の糧に!自律的学習者を育む学校行事成城中学校
- 思いやりや礼儀正しさ、協調性 母校での学びが卒業後も活きていると実感東京女学館中学校
- のびのびと育つ環境が自信につながり自分らしく生きる土台に日出学園中学校


