LINEで送る

スクールポット中学受験版 - 首都圏学校情報検索サイト

ツイッター フェイスブック

私立中高進学通信

2019年特別号

憧れ校のこだわり教育

江戸川学園取手中学校

規律ある進学校の「深化と挑戦」

待望の12年一貫教育体制が完成。併設小学校から進学した63名と中学受験組240名の計303名が大集合しました。

待望の12年一貫教育体制が完成。
併設小学校から進学した63名と中学受験組240名の計303名が大集合しました。

今春、併設小からの初の一貫生が中等部へ進学。小・中・高12年一貫教育体制が整い、新たな歴史の幕が上がりました。『規律ある進学校』を教育方針に掲げて42年。心の教育に尽力している同校の「深化と挑戦」に着目しました。

併設小一貫生が核となり
中学からの入学者を刺激する12年一貫教育体制が完成
江戸川学園取手小学校の7つの習慣

第1の習慣
『自分でえらぶ』(=責任をもつ)
第2の習慣
『おわりから考える』(=計画を立てる)
第3の習慣
『だいじなことからはじめる』(=まず宿題をする)
第4の習慣
『 Win - Winを考える 』(=みんながハッピー)
第5の習慣
『あいてのことをまずわかる』(=あいての話から聞く)
第6の習慣
『力をあわせる』(=みんなで考えたほうがうまくいく)
第7の習慣
『自分をみがく』(=いつもよい気持ちですごす)

 創立から42年目の春を迎えた江戸川学園取手。今年の春は、同校が昨年度から掲げているキャッチフレーズ「NEW江戸取」をまさに体現するものとなりました。その理由は、併設の『江戸川学園取手小学校』からの一貫生たちが、中学校の入学者の陣列に加わったことにあります。

「今年度は本校にとって、とても大事な一年になるでしょう。なぜなら、併設小学校からの生徒たち63名が中学校に進学し、待望の12年一貫教育の形が現実のものとなったからです。もちろん小学校からの入学者が加わった分、中学校からの募集人員の数を縮小しています。したがいまして、過去にない狭き門となった中学受験を経て入学を許可された生徒240名は皆、優秀な人材ばかりです。総勢303名と一緒に迎えた希望の春は、文字どおり本校の新しいスタートとなりました」
(校長/竹澤賢司先生)

 小・中・高を合わせて12年一貫教育の学園となったことのメリットは、具体的にどこにあるのでしょうか。

「一言でいえば、併設小学校の出身者たちが、間違いなく学校改革の核となるでしょう。私どもの “えどとり小”では、知識や学力の修得はもちろん、学園の教育理念である『心豊かなリーダーの育成』を、小学校入学直後から6年間、具体的なカリキュラムを通して実践しているからです」

 そこでの注目カリキュラムの一つが、グローバル社会のビジネスリーダーたちも実践している『7つの習慣』です。スティーブン・R・コヴィー博士が提唱者であることは広く知られています。第一の習慣「主体性を発揮する」、第二の習慣「目的を持って始める」、第三の習慣「重要事項を優先する」、第四の習慣「Win-Winを考える」、第五の習慣「理解してから理解される」、第六の習慣「相乗効果を発揮する」、第七の習慣「刃を研ぐ」となっていますが、併設小学校では、7つの習慣一つひとつを、児童にわかりやすい言葉で伝えています。第1は『自分でえらぶ』(=責任をもつ)、第2は『おわりから考える』(=計画を立てる)、第3は『だいじなことからはじめる』(=まず宿題をする)、第4は『Win-Winを考える』(=みんながハッピー)、第5は『あいてのことをまずわかる』(=あいての話から聞く)、第6は『力をあわせる』(=みんなで考えたほうがうまくいく)、第7が『自分をみがく』(=いつもよい気持ちですごす)です。

「小学校では『7つの習慣』をもとにした道徳教育テキスト(『リーダー・イン・ミー』)を活用しています。重要なことは、教職員全員で本テキストについての研修を受けた後、リーダーシップの捉え方やビジョンを理解したうえで、授業計画を進めているところです。小学校からの一貫生は各クラスに満遍なく在籍していますので、中学からの入学者とは、必然的に切磋琢磨し合う関係となります。一方、中学・高校から入学してくる生徒たちも随時、多種多様な “外の風”を教室内に吹き込んでくれるでしょう。その様子はまさにグローバル社会そのものです。本学園がしかける12年一貫教育の一番のねらいもそこにあります」

信頼される教員と信頼できる生徒で築く
働き方改革と教育改革

 注目を集める今年度の新入生たちはこの日、学校生活で初となる『校長講話』に出席しました。中等部1年生を対象に年6回、道徳教育の一環として開催している心の教育の一つです。毎回、偉人たちの生き方を通して、世界型人材となるリーダーのあり方を学んでいきます。第1回目の偉人は野口英世。そのキーワードは中学生活の始まりにふさわしく、「初志貫徹・切磋琢磨」です。校長講話を終えた竹澤先生に、そのポイントをうかがいました。

「野口英世の功績については誰もがよく知るところですが、幼少期の彼の才能を見抜き、物心両面で支えた恩師・小林栄先生の存在を忘れてはいけません。小林先生は猪苗代高等小学校教頭時、野口英世に左手の手術を受けさせたことでも知られていますが、なんといっても野口自身が生涯にわたって “恩師”と仰ぎ続けた原点は、初志貫徹の生き方を貫き、切磋琢磨して世の中の人々に貢献することを彼自身の心に刻み込んだところにあります。その根拠は、19歳で故郷をあとにした野口が遺した言葉『志を得ざれば再び此地を踏まず』にあります。教員も本気の姿勢を見せることで、子どもたちに人生のすべてをかけることのできるタフな精神力と学力が身につくのです。私の講話で取り上げる最初の偉人として野口英世を選んだのも、入学者全員に初志貫徹の心がまえ、切磋琢磨の姿勢を身につけることを約束してもらいたかったからにほかなりません。約1時間に及ぶ講話の最中、全員が私語を発することなく背筋を伸ばして私の話に耳を傾け、時に重要事項は必死になってメモを取る姿は、これから本格的に始まる6年間にかける、それぞれの強い決意の表れと受け止めました」

 創立以来、同校は『生徒の夢は学校の目標』とのメッセージを標榜し、生徒とともに歩み続けることを実践してきました。副校長をはじめとする経験豊富なベテラン教員が担当する年17回(中1)の特別の教科『道徳』の授業も、生徒と教員の信頼関係の上に成り立っているといっても過言ではありません。先生方も一人の人間として生徒と接している以上、道徳を実践していくことが常に問われているのです。

「例えば、本校では毎週水曜日を定時退勤日(ノー残業デー)として、特別な理由がない限り、先生方には退勤してもらっています。新たに生まれた時間を効果的に活用し、それぞれの担当教科の専門性を高めてもらうのもいいでしょう。と同時に、気持ちは常に生徒とともにあることが前提であり、もっと言えば、教員とは24時間、教員であり続けなければならないのです。それこそが教員となった者の使命だからです」

 竹澤先生は教員という存在を単なる職業として見るのではなく、聖職者の “生き方”として捉えています。世の中の動きに先んじるような形で、率先して教職員の働き方改革に挑むリーダーシップも、『生徒の夢は学校の目標』と重なって興味深いものがあります。

「世の中の企業、職場の多くは今、働き方改革の推進に努めているところだと思いますが、本校では一昨年あたりから、教職員の働き方改革を進めると同時に、それに見合った教育改革にも着目し、これまでにない新しい施策を次々と導入しています。その一例が、これまでの50分授業を5分短縮させた45分授業の展開です。当初、授業時間の短縮が生徒にとって不利に働くのではないかというネガティブな意見もありましたが、これまで実践してきた双方向授業をさらに深化させながら、教員が生徒たちのポテンシャルを見事に向上させています。これからも生徒とともに歩み続けながら、教員自身も人間力向上に努めていくというのが本校らしさではないかと自負しています」

規律は思いやりと心得る
真のリーダー教育で利他の心を育んでいく

 授業時間が短縮された分、新たに導入された学習プログラムが『アフタースクール』(自由選択講座)です。一日当たり約1時間の自由に使える枠ができたことで、生徒一人ひとりの主体的な学びが深まっています。

「お茶の水女子大学との連携による海の生物体験や、企業との産学連携による商品開発など、学校外での活動も広がっています。大学生や社会人と接する中で、本校の教育方針である『規律ある進学校』の真価も問われます。また、高校生の中には、『科学の甲子園』での活躍や、模擬国連に参加して他校の生徒との交流を深める生徒もいます。そのような教育的効果を改めて分析したうえで、前年度の講座内容を見直し、講座数も昨年度前期の145から今年度は157に増加させました」

 このような学習面での深化は、国際教育の場面でも顕著に見ることができます。キーワードは、2015年の国連サミットで採択された『SDGs』(=Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)です。

「本校では世界的規模で展開されるこのSDGsを、探究学習の大テーマとしました。貧困、飢餓、教育、気候変動、平和など、計17のテーマから個人の目標を設定し、主に総合学習の時間を活用しながら探究していきます。そのような中、昨年度には新たな挑戦として、カンボジアとベトナムで課題解決型学習を展開するプログラム『SDGsスタディツアー』が始まっています。ツアーでは、まずJICA(国際協力機構)とJEEF(日本環境教育フォーラム)の専門家による事前・事後学習を用意しています。また、現地では病院・孤児院への訪問、戦争博物館や世界遺産の見学、現地大学訪問、現地で活躍する専門家や地域住民への聞き取り調査などを行います。このような一連の流れを踏まえて、生徒は個人やグループでテーマを絞り込み、1年間かけて探究していくのです。私は学年末に集大成として行われたプレゼン大会を見ましたが、どのグループや個人も、世界的な問題意識を持って取り組んでいた姿勢を高く評価しています」

 今年度のスローガンをうかがうと、即座に「深化と挑戦」と答えてくれた竹澤先生。その言葉からは、2016年度から中学校に、『東大ジュニア』『医科ジュニア』『難関大ジュニア』の3コースを新設し、高校からの『東大コース』『医科コース』『難関大コース』に直結するコース編成を完成させた同校の、これから先も揺るぐことのない強い決意を感じました。

「授業改革にしてもアフタースクールにしても、さらには、SDGsを取り入れた探究学習にしても、さまざまな面で深化をキーワードに発展させ、挑戦していくことにより、中学では2021年度から、高校では2022年度から導入される新しい学習指導要領にも、何の不安もなく対応することができるのです。また、当然ながら2020年度から導入される大学入学共通テストへの対応も万全です」

 国際社会で活躍する真のリーダー教育を展開する同校では、全員にリーダーとなる意志を強く認識させることも重要です。最後に、リーダー教育に欠かせないポイントをうかがいました。

「これからの社会に必要となるのは、地球規模での協力関係を築くこと。ですから、リーダーシップにしてもフォロワーシップにしても、世界平和や環境問題など、世界的問題の解決のために提携できる、真のリーダー教育でなければいけません。つまり、世界に必要とされているのは、グローバル・パートナーシップなのです。学校という空間は、教職員という大人もいる社会の縮図、外国籍の教員や異文化を背景に育った帰国生も一緒に学ぶ世界の縮図でもありますから、やはり生徒一人ひとりには、これまで以上に規律ある行動が求められるでしょう。したがって、規律を身につけることがベストですが、規律で縛りつけるのではなく、規律を大切にする学校であることが重要です。私は今年度の新入生全員を前に、『規律は思いやりである』と伝えました。周りのことを思うからこそ規律が大事になるということです」

 これから心身ともにたくましく成長していく一人ひとりに、規律を通して利他の心が育まれることを先生方は期待しています。

校歌を声高らかに歌う中1生たち(第1回『校長講話』から)。校歌を声高らかに歌う中1生たち(第1回『校長講話』から)。
竹澤校長先生の登壇を待つ間、生徒たちは姿勢を正して「黙想」しています(第1回『校長講話』から)。竹澤校長先生の登壇を待つ間、生徒たちは姿勢を正して「黙想」しています(第1回『校長講話』から)。
2019年度の『特別の教科 道徳』
実施要領(一部抜粋)
中1 中2・中3
■時間:月曜日 8:25~9:35(70分) ■時間:月曜日 8:25~9:35(70分)
■内容:講話(35分)、ディスカッション・発表(30分)、まとめ(5分) ■内容:講話(35分)、ディスカッション・発表(30分)、
感想文(10分)または、まとめ(5分)
■実施回数:道徳17回・校長講話6回・全体発表会1回 ■実施回数:道徳25回
■実施要領
●建学の精神・道徳の基本理念・5つの心の誓い(*)に十分留意した内容であること。
●まとめの中では、本時のテーマに関連付けて、
本校で指導している「君、さん付け」が乱暴な言葉の抑止効果につながっている等、
具体的な指導項目と関連付けて浸透させることにも配慮する。
また、前回の感想文や他クラスの優れた意見等がある場合には、
手短に紹介し、本校生の連帯感育成につなげる機会となるようなまとめ方も工夫する。
■実施要領
●建学の精神・道徳の基本理念・5つの心の誓い(*)に十分留意した内容であること。
●感想文は当該時の10分間を使って10行程度でまとめさせ、提出させる。
限られた時間内でまとめることは、記述力はもちろんのこと、
聴く力や要点の識別・判断力向上にもつながるものであり、集中して取り組ませる。
■提出・コメント
●ノートは縦書きとし、指定した期日に担任に提出。
●担任・副担任が事前に打ち合わせを行い、コメントを付したうえで生徒に返却する。
●コメントの内容は生徒の意欲向上につながるように配慮し、
質問等が書かれていた場合には返事を記すか、直接本人に伝える。
■点検・コメント
●ノートは縦書きとする。
●ノート点検は実施者が行い押印する。
コメントは担任が3回に1回の割合で計8回書く。
それ以外の回については、原則としてコメントは書かないが、
質問等が書かれている場合には必要な対応を行う。
●コメントは生徒の質問等の内容にきちんと解答し、
意欲向上につながるように配慮する。
個別指導が必要な場合には別途面談を行う等、
生徒の意思表示を見落とさないよう細心の注意を払う。
5つの心の誓い
  1. 1 常に感謝の気持ちを持つ
  2. 2 人への思いやりの心を持つ
  3. 3 運動に勉強に一生懸命努力する
  4. 4 夢に向かって忍耐する心を持つ
  5. 5 人として正しくない行いを絶対にしない
アフタースクール講座数比較
2018年度前期
1 学習系 64
2 英語4技能系 6
3 実験系 8
4 教養系 25
5 芸術系 4
6 アクティビティー系 7
7 PBL系 1
8 社会科見学系 1
9 見学ツアー 9
10 講演会系 20
145
2019年度前期
1 学習系 110
2 英語4技能系 15
3 実験系 9
4 合教科系 8
5 芸術系 3
6 アクティビティー系 3
7 イベント系 7
8 フィールドワーク系 1
9 インターンシップ系 1
157

※ほかに「見学ツアー」「講演会系」などもあります。

TOPICS 1
偉人たちの生き方を通して未来の自分に何を問うのか。
303名の挑戦がスタート!
第1回『校長講話』から
竹澤校長先生の講話を集中して聴く中1の生徒たち。「初志貫徹」と「切磋琢磨」は全員の誓いとなりました。竹澤校長先生の講話を集中して聴く中1の生徒たち。「初志貫徹」と「切磋琢磨」は全員の誓いとなりました。

 取材当日は、総勢303名の中学1年生にとって初めての『校長講話』の開催日。講話の主人公は、世界的な医師であり、細菌学者でもあった野口英世です。「人間とは心の在り様でいかようにも変化するものです。だから中学生になった今は大きなチャンスです。そこを肝に銘じて、校長講話を聴いてください」。竹澤校長先生は夢に向かって一歩を踏み出したばかりの精鋭たちに向けてエールを送ります。

 テーマは、野口の生涯を通して学ぶ『初志貫徹・切磋琢磨』です。「努力だ、勉強だ、それが天才だ。誰よりも3倍、4倍、5倍勉強する。それが天才だ」(野口英世の遺訓より)。力強いメッセージを真摯に受け止める生徒たちは、それぞれの夢の具現化に向けて、これからの自分に何を問うのでしょうか。ここから303名の挑戦が始まります!

『校長講話』の今後の予定

●第2回『世界のリーダー リンカーン大統領に学ぶ』。キーワード「読書は人格を磨く」
●第3回『対人関係力 二宮尊徳に学ぶ』。キーワード「道徳なくして改革ならず」
●第4回『内なるリーダー性 孔子「論語」に学ぶ』。キーワード「克己復礼」
●第5回『グローバル人材 マザー・テレサに学ぶ』。キーワード「利他の心」
●第6回『学問のすすめ 福澤諭吉の思想に学ぶ』。キーワード「20年、30年先を見据えよ」

TOPICS 2
帰国生も、一貫生も、
中入生も楽しく競い合って高みをめざす!
中1の研修旅行から

 総勢303名が臨んだ4月中旬の2泊3日の『研修旅行』(箱根芦ノ湖畔で実施)。入学してから初めてとなる宿泊行事は、あいさつの大切さを学び、5分前行動の習慣を身につけ、『誠実・謙虚・努力』(校訓)を基本とした“えどとり生”としての誇りを感じる重要な3日間です。しかしそこはまだ“顔見知り”レベルの1年生同士。研修の休憩時間には、英語の辞書を用いた「早引き大会」で楽しく交流しました。

「すでに英語力のある帰国生、小学生の頃から良質の英語教育に触れている併設小学校からの一貫生、そして、中学受験を乗り越えてきた生徒たちが競い合う楽しい時間でした。お互いに負けたくないという気持ちが、主体的に学ぶ力となって成長していくことを期待しています」(学年部長/遠藤実由喜先生)

「スタート!」のかけ声とともに早引きを開始。「昆虫に関する英単語」「乗り物に関する英単語」などから、品詞、意味、読み方などを調べていきます。「スタート!」のかけ声とともに早引きを開始。「昆虫に関する英単語」「乗り物に関する英単語」などから、品詞、意味、読み方などを調べていきます。
1ラウンド3分間の英語辞書早引き大会。フライング防止のため、初めは頭の上まで手を挙げて開始を待ちます。1ラウンド3分間の英語辞書早引き大会。フライング防止のため、初めは頭の上まで手を挙げて開始を待ちます。
一度調べた単語には付箋がずらり! 引いた単語の数を誇らしげに教えてくれる生徒もいました。一度調べた単語には付箋がずらり! 引いた単語の数を誇らしげに教えてくれる生徒もいました。

先生のホンネ
私利私欲のためではなく
周囲への気遣いを忘れない規律ある人材の育成を
竹澤賢司校長先生竹澤賢司校長先生

 読書家でもある竹澤先生の長年の愛読書の一つが、日本実業界の父と呼ばれた渋沢栄一の名著『論語と算盤』です。道徳を「論語」に例え、経済を「算盤」に例えて語った演説内容をまとめた1冊です。

「渋沢栄一は生涯に500もの企業の設立に携わりましたが、なぜか財閥をつくりませんでした。その答えは、利他の心があったからです。私利私欲のために働くのでなく、国を豊かにするために、きちんと経済が回るようにすることに生涯をかけて尽力したのです。今回、1万円札の顔が福澤諭吉から渋沢栄一に代わることが発表されましたが、まさに時代の流れに沿ったものかもしれません。これから先、財布の中に1万円札が入っていたら、渋沢栄一の顔をじっと見つめるべきではないでしょうか。拝金主義では正しい経済とはいえないと、そんな渋沢栄一の声が聞こえてくるかもしれません。
 本校は今年度からいよいよ“世界型人材の育成編”に入っていきます。どんな時でも周囲への気遣いを忘れなかった渋沢栄一のような、道徳を基盤にした規律ある人材の育成に全力を挙げてまいります」

Information
江戸川学園取手中・高等学校 (茨城県取手市・共学校)

[設立]
1978(昭和53)年に『心豊かなリーダーの育成』(教育理念)を掲げて設立。1987年に中学校開校。『規律ある進学校』(教育方針)として、心力・学力・体力の三位一体の教育を推進。2014年には江戸川学園取手小学校が開校し、茨城県内初の小中高12年一貫教育校に。2016年度から中学校に、東大ジュニアコース・医科ジュニアコース・難関大ジュニアコースの3コース制を導入。2019年4月、併設小学校から初の一貫生が入学し12年一貫の教育体制が整った。

[アクセス]
JR常磐線・東京メトロ「取手」駅西口より徒歩25分(または、バス「江戸川学園・中央タウン行き」5分)

 江戸川学園取手の教育の中核にあるものが「道徳」の実践による心の教育です。竹澤校長先生は、「学校教育の本筋は人づくり。心の教育を通して、自分はどう生きるべきか、どうやって社会に貢献していくべきかを考えて行動できる、正しい道徳性を自分の中に築いてもらいたい」と語ります。中等部・高等部で取り組む『道徳の授業』をはじめ、竹澤先生が担当する『校長講話』、副校長やベテラン教員が担当する合同ホームルーム、ロングホームルームを通して「心力」を高める教育が実践されています。

ページトップ