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私立中高進学通信

2019年特別号

THE VOICE 校長インタビュー

東京立正中学校

全員がレギュラー。
補欠は一人もいない。だからこそ全員が輝く!

梅沢辰也(うめざわ・たつや)校長先生 日本体育大学在学中から、八王子実践高校バレーボール部コーチとして、全国優勝を2回経験。その後、実業団チームの監督、全日本ジュニアコーチを経て中村学園に奉職。前任校では6年間、校長を務めた。2019年4月、学校法人堀之内学園 東京立正中学校・高等学校校長に就任。

梅沢辰也(うめざわ・たつや)校長先生
日本体育大学在学中から、八王子実践高校バレーボール部コーチとして、全国優勝を2回経験。
その後、実業団チームの監督、全日本ジュニアコーチを経て中村学園に奉職。
前任校では6年間、校長を務めた。2019年4月、学校法人堀之内学園 東京立正中学校・高等学校校長に就任。

1926(昭和元)年に設立された伝統校『東京立正中学校・高等学校』(杉並区・共学校)が、2019年4月、新校長として梅沢辰也先生を迎えました。就任から半年が経った梅沢先生に、生徒たちとの交流の様子や現在の心境などについて伺いました。

学校は公式試合に向けて準備するところ

 日本体育大学在学中から、女子バレーボールの強豪校の指導者となるなど、バレーボールとの関りが深い梅沢辰也先生。実業団女子チームや全日本ジュニア女子での指導経験も豊富にある一方で、昨年度末までは都内の女子校に33年間在籍し、体育科教員から校長職まで務めた実績もある新校長先生です。

「私のバレーボール人生はほぼ女子バレーボールと共にあると言っても過言ではありませんが、実はこの夏、人生で初めて男子バレーボール部の試合に同行し、しかも二十数年ぶりに公式戦のベンチに入りました。緊張感が充満するコートの独特な雰囲気が懐かしかったです。普段の学校生活は練習試合ととても良く似ています。その中には失敗や反省がたくさん詰まっているからです。じゃあ、公式試合に相当するのは何かといえば、例えば、みんなの気持ちを一つにして取り組む学校行事。さらに視野を広げれば、大学受験からその先の未来も、個人としての公式試合ではないでしょうか。力を出すべき"ここぞ"という時に本当の力が出せるかどうか。その鍵はすべて普段の学校生活の中にあります。要するに、本番での勝利を約束するのは、普段からの練習の積み重ねであり、その練習の中身にこだわることで、自らの未来を、主体的に切り拓くことができるのです。いざ公式試合に臨んだ時、苦しくても挑み続けた練習試合の方が楽だったと、そんなふうに笑って言えるような心の余裕が大切なのです」

 スポーツにも勉強にも、考え方として共通するものはあると強調する梅沢先生です。

「スポーツも勉強も、特別に選ばれた人だけが上位で輝くというものではありません。一人ひとりがそれぞれの課題克服に向けて主体的に動き、努力することで、学校全体の土台も盤石になるのです。何事にも主体的に挑む仲間たちと切磋琢磨する環境の中から、必ずや次の高い目標も見えてくるでしょう。だからこそ私は、『全員がレギュラー。補欠は一人もいない』とのモットーを掲げて、生徒一人ひとりを応援しているのです」

「時間=いのち」。そこから発する"なぜ?"を問う
プロの朗読関係者とも交流がある梅沢先生。「外部団体による朗読劇に参加し、実際にステージに立った生徒も出てきています。学校の中だけでは味わうことができない多彩な体験を、これからも増やしていきたいと思っています」プロの朗読関係者とも交流がある梅沢先生。「外部団体による朗読劇に参加し、実際にステージに立った生徒も出てきています。学校の中だけでは味わうことができない多彩な体験を、これからも増やしていきたいと思っています」

 東京立正は今年度から、授業の始まりを告げるチャイムを廃止しました。そのねらいはどこにあるのでしょうか。

「東京立正の建学の理念は『生命の尊重・慈悲・平和』です。私はこれを生徒たちに理解してもらうために『時間=いのち』との考えを推奨することにしました。これが、4月からノーチャイム制を導入した一番のねらいです。そして"生命を尊重する"とは、すなわち他者の時間も尊重することにつながります」

 4月から始まったノーチャイム制の効果について、ある高3の生徒(女子)が語ったそうです。

「その子は、『これまではチャイムが鳴ってから教室に入ればいいと軽く考えていたけれども、今は5分くらい前になるとそわそわしだし、10分間の休憩時間の使い方が変わった』と私に言ってくれました。一方、先生方に感想を聞くと、ノーチャイム制の導入以降、廊下にいる生徒の数が減り、教室に残って次の授業の準備をする生徒が増えたと言います。しかし、これらは良い例に過ぎません。なかには"遅刻さえしなければ本当にそれでいいのか?"と、疑問を持ち始めている生徒もいるようです。しかし、それもノーチャイム制のねらいの一つです。私はそのような疑問を持つ生徒が出てくるのが本来の学校のあり方と考えており、学校始まって以来の"大きな出来事"を、あえて生徒や教職員の皆さんに提案したのです。事実、私と意見交換がしたいという生徒が校長室にやってくるようになりました。校長に就任してすぐ、校長室を誰でも入室できるよう常に扉を開けているのも、実はそのようなことも背景にあったからです」

 校長室を開放して以降、1学期の間に述べ90人を超える生徒がやってきたそうです。

「大半の生徒は"こんな話を聞いてほしい"と言ってやってきます。1時間半も議論する生徒もいます。一方、お弁当を食べるためだけにくるようなグループもあれば、校則を変えてもらいたいから直訴に来たという生徒たちもいます。校則の件は、具体的に何が問題なのか分解して根拠を示すことが必要であるとアドバイスしています。彼らの顔には"なんで?"という表情が浮かんでいますが、数日後、『〇〇についての意見を集めたので見てほしい』と、再びやってくる生徒もいます。実に頼もしいですね。校長室は駆け込み寺ではなく、『なぜ?』『どうして?』と考えるもう一つの教室と思ってもらえたら嬉しいです」

『梅ちゃん先生の幸せになる授業』からの宿題とは?

 生徒との対話を軸に、一人ひとりの今とじっくりと向き合うのが梅沢先生のスタイルです。ちなみに、先生のニックネームは「梅ちゃん先生」です。

「本校には毎週月曜日の朝、全校生徒が講堂に集まって行う『瞑想の時間』があります。自分を見つめ、心の安定を図ることを目標にした本校の伝統教育の一つですが、私は最後の15分間を校長講話として活用させてもらっています。ただし、私から生徒に対する一方通行型の講話ではおもしろくありませんので、"私対全生徒の授業" と位置づけてもらっています。名づけて『梅ちゃん先生の幸せになる授業』です(笑)」

 1学期に行われた同授業のメインテーマは、『見る』でした。

「例えば、生まれたばかりの赤ちゃんの写真をスクリーンに映し出し、『この写真から何が見えますか?』と全校生徒に問うのです。これらの答えは直接、校長室に言いに来ることになっています。また、この夏は、毎年8月下旬に地元で開催される『東京高円寺阿波おどり』のボランティアスタッフの公募があることを紹介しました。すると、計40名の中高生が手を挙げ、大人たちに混ざって都内屈指の大イベントを支えてくれました。これはものすごく貴重な経験と言えるでしょう。ちなみに、私からの宿題は、"踊る側、観る側ではなく、サポートする側から何が見えてくるか?"というものでした。この結果は、2学期の梅ちゃん先生の授業を通して、発表してもらおうと考えています」

 一方、学校改革の仕掛け人でもある"梅ちゃん先生"と接する、他の先生方の反応はどうでしょうか。

「先生方には今、どんどん授業を変えていってくださいという方針の下で、年に4回、『授業月間』と称したオリジナル授業を行ってもらっています。簡単にポイントだけをお伝えしますと、男子生徒と女子生徒が共に考え、主体的に取り組む授業がどれだけできるかです。先生方にはそのファシリテーター役になってもらいたいと考えています。もちろん授業を一から作るのですから、簡単なことではありません。でも心配はいりません。私はトライ&エラーを推奨する校長ですので、とにかく挑戦し続けていただければそれでいいのです。これから1年かけてやってみて、先生方の間にどんな"気づき"が起こるのかが楽しみです。それを、『21世紀型教育研究』という名の学内研究機関と結びつけ、東京立正になくてはならない授業を創り出していこうというプロジェクトです。これから始まる、新時代の東京立正に期待してください」

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