LINEで送る

スクールポット中学受験版 - 首都圏学校情報検索サイト

ツイッター フェイスブック

私立中高進学通信

2018年12月号

私学の英語最前線

聖学院中学校

英語の4技能強化に加え世界で生きる力を鍛える

キリスト教・体験教育・国際理解教育が育む人間力をベースに、英語力を育成する同校。
大学入試のみにとらわれない「世界で生きるための英語」教育がここにあります。
同校の朝は、始業前15分間の礼拝からスタート。生徒一人ひとりが自分と向き合い、自らの生き方を考える大切な時間でもあります。

同校の朝は、始業前15分間の礼拝からスタート。
生徒一人ひとりが自分と向き合い、自らの生き方を考える大切な時間でもあります。

単なる英語力の強化ではなく生きる力を身につけて世界へ

 米国の宣教師が設立した神学校を母体にしていることもあり、同校は草創期より「英語の聖学院」との高い評価が定着しています。近年では、いわゆる“入試のための英語”からの脱却を図りながら、キリスト教精神に基づく男子校としての誇りも高く、グローバル社会に出ても物怖じしないコミュニケーションツールとしての英語力の強化に努めています。その土台にあるものは、スクールモットーである『Only One for Others』(他者のために生きる人)の精神です。

「本校の英語教育は、単に、聞く・話す・読む・書くという4技能を鍛えるだけではありません。グローバル社会の先頭に立って舵取りができるように、文化・宗教・国境を越え、他者を受容できる深い心と、世界を俯瞰的に観察できる広い視野を養う教育です。それが、『Only One for Others』です。“英語教育”といっても単独なものでなく、毎朝始業前に行う15分の礼拝も、学年別に取り組む体験学習も、学年を越えて参加する国際教育もすべて含めてのものであるところに、大きな特徴があります」(英語科主任/井上渉先生)

 帰国生も含め、互いの価値観を受け入れる心を大切にしている同校の学校生活からは、自分を生かし、他者を生かす共生の心が芽生えていきます。多様性を認め合う環境の中、自分を知り、他者を知ることで、自ら進むべき道も、より確かなものへと進化していきます。ここ数年で増えている海外大学への進学実績も、生徒一人ひとりの成長の証です。

「海外大学に進学する生徒の支援として、TOEIC、TOEFL、IELTS(※1)など、各種検定試験の受検対策も希望制で行っています。昨年度は、世界の大学ランキングで東京大学の上を行くミシガン大学をはじめ、全米の5大学へも合格しています。本校の英語教育の土台にあるものは、キリスト教、体験教育、国際理解教育などがすべて相まったもので、一つひとつが掛け算的に身につく “生きる力”だと考えています」
(副校長・入試広報部長/清水広幸先生)

※1 IELTS…英語能力の検定試験の一つで、カナダやオーストラリアなどでは、同試験で一定以上の点数をとることが永住権獲得の条件の一つとされています。

台湾の大学進学に向けて放課後の華語講座も用意

 同校の海外大学進学には、米国ばかりでなく、台湾の大学に延べ16名が進学しているという興味深い一面もあります。その背景には、2016年4月から、台湾の大学進学希望者に向けて、放課後の華語(中国語)講座を設定したことがあげられます。台湾の大学には、欧米の大学の学位も取得できるプログラムが充実しているほか、学費が安いというメリットもあります。また、卒業後は英語・中国語・日本語の3カ国語を操るトリリンガル人材として、国内外の企業から多くの求人があることなども大きな魅力となっています。

“Who are you”にしっかりと答えられる真の英語教育を

 英語の授業は週6時間で、そのうち1時間が、日本人教員とネイティブ教員によるチームティーチングの英会話です。

「初めは英語力にばらつきがあるため、中1から4つのコースに分けて英会話の授業を行っています。しかし、男子の場合、ある時期から突然理解力がアップすることが多いので、ほんの数カ月で頭角を表す生徒もいます。そこが男子校の面白さで、各コース間では、学期ごとの入れ替えも積極的に行っています。初めはあいさつや日常的に使うフレーズを定着させ、徐々に自分の意見を英語で書いてスピーチする力、プレゼンテーションやディスカッションする力を養成していきます」(井上先生)

 英語初心者や苦手意識を持つ生徒でも、安心して英語を話すことができる環境の中で、それぞれが次の目標を描いて成長していきます。主体的に英語を学び始めた生徒がより能動的な学びを深められるように、英語試験対策の強化や、ICT教材の活用にも力を注いでいます。

「本校では、教育目標の主要な柱の一つとしてSDGs(※2)を意識しています。国連加盟国が掲げた各種の活動をしていくうえでも、英語は欠かせませんから、そのような視点も生徒たちの英語を学ぶ意欲になります」

 “生の英語”と触れる機会を増やすため、さまざまなICT教材を使用するのも英語科の先生方のこだわりです。BBC(英国放送協会)の英語教材や人気のTED(※3)、さらにはトランプ大統領のツイッターを紹介しながらのグローバルな授業もあるそうです。

 ところで、日本育ちの生徒も帰国生も、一般的には「英語力を伸ばす」という点を意識しがちですが、井上先生の考えは少し違うようです。

「世界の中での自分の位置、日本人としてのアイデンティティなどを意識することが、世界で活躍していくうえでの最重要ポイントになると考えています。海外の大学では英語力が問われるのは当然ですが、もう一つ大事なことは、自分自身をどう分析できるかです。とりわけ米国の大学入試にはエッセイがあり、志望校の求める学生像に合わせて自分を表現する必要があります。そのような意味からも、“Who are you”にしっかり答えられる生徒を育成することが、私たち英語科教員のもう一つの役割なのです」

 同校の他者のために生きる人(=Only One for Others)の土台づくりは、人間力も鍛える独自の英語教育から始まっているのです。

※2 SDGs…世界が2016年から2030年までに達成すべき17の環境や開発に関する国際目標。Sustainable Development Goalsの略称で、日本では「持続可能な開発目標」と訳されています。

※3 TED…世界的講演会「TED Conference」(テド・カンファレンス)を主催している非営利団体。講演会の内容は、インターネット上で無料で動画配信されており、字幕と英語の書き起こし文章が付与されているので、英語学習ツールとして人気が高い。

POINT1
異文化を心で感じる英国オックスフォード研修

 中2から参加できる海外研修(15日間・希望制)。英国オックスフォードを舞台に、異文化を頭でなく心で感じる研修を展開。午前中は外国の生徒たちと英語だけで行われる授業で学び、午後は名所めぐりやアクティビティで過ごします。

POINT2
ボランティア精神を育み豊かさを問うタイ研修旅行

 今年で30年目を迎えるタイ北部の山岳少数民族の子どもたちとの交流や、ボランティア活動を目的とした独自の海外研修(13日間・希望制)。生徒たちは本当の豊かさとは何か、自問自答しながら真の国際交流を体験します。進路選択や社会を見据える姿勢に大きな影響を与える研修です。

POINT3
より能動的な学びにつなげるICT教材フル活用の授業

 板書の時間を減らすことで演習の時間が増え、時間内での英語定着に効果があるICT授業。ICT活用は全校を挙げて行っており、英語以外の授業でも各教員が自作の教材を活用して、活気ある授業を展開しています(写真は井上先生の英語の授業)。

担当の先生より
海外でも通用する英語力を獲得
将来への選択肢が広がる

「毎朝の全校礼拝では、ネイティブ教員も英語でスピーチを行います。中学生も必死にその意味をくみ取ろうと努力するなかで、自ずと英語を聞く力が伸びていくのです。このように英語が身近にある本校では、海外の大学をめざすということ自体特別なことではありません。自分の人生の中で、“どうしても学びたいことが海外にあるようだ”と、自ずとわかってくるところから、進路選択の幅が広がっていくのです」(英語科主任/井上 渉先生)

(この記事は『私立中高進学通信2018年12月号』に掲載しました。)

聖学院中学校  

〒114-8502 東京都北区中里3-12-1
TEL:03-3917-1121

進学通信掲載情報

【私学の英語最前線】英語の4技能強化に加え世界で生きる力を鍛える
【未来を切り拓くグローバル教育】多彩な文化との出会いが生徒の心を大きく育てる
【実践報告 私学の授業】スタートは図形の楽しさを見つけることから 汎用的な数学的思考力につながる「幾何」の授業
【みんな大好き キャンパス食堂】上級生の気配りが連鎖して広がる どんな生徒にも居場所があり心地よく温かな食堂
【目標にLock On!! 私の成長Story】たくさんの人の気持ちに寄り添えたことが必ずこれからの人生の礎になる!
【6年間の指導メソッド】『育てたい生徒像』を土台にしたカリキュラム
【Teacher's Lounge 先生たちの座談会】21世紀型教育の先進校 生徒飛躍の源はコレだ!人気校が実践する教育の進め方
【熱中!部活動】鉄道研究部/バドミントン部
【学校生活ハイライト】Only Oneの自分をつくる 第一歩となる新入生合宿
【未来を生き抜く学力のつけかた】独自の学習プログラムL.L.T.で 自ら考え、学ぶ探究心や共に生きる力を育てる
【未来を生き抜く学力のつけかた】答えのない問いの「納得解」を探す力をつける21世紀型教育
【Teacher's Lounge 先生たちの座談会】学ぶ楽しさを体感する聖学院の21世紀型教育 「思考力を育てる」プロジェクトで生徒に芽生える新しい学力
【学校生活ハイライト】互いを知り、認め合う新生活の不安を吹き飛ばし1年生が一回り成長する 軽井沢の新入生合宿
【その先に備える キャリア教育】自分にしかない“賜物”を見つけて社会のために役立てる
【大学合格力強化計画】多彩な学校行事を通じて社会を知り 生徒の「学びたい」気持ちを引き出す
【全人教室│心を育む私学の授業】答えがひとつではないテーマに取り組む L.L.T.
進学通信2018年12月号
紹介する学校
共学校 共学校   女子校 女子校   男子校 男子校
この号のトップに戻る 進学通信一覧を見る
ページトップ