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私立中高進学通信

2018年12月号

実践報告 私学の授業

京華中学校

ICT活用と考える授業で主体的な学びを引き出す

友達と話し合いながら化学変化の仕組みを理解
生徒が“主体的に学ぶ姿勢”を養う授業が行われています。

生徒が“主体的に学ぶ姿勢”を養う授業が行われています。

“わかりやすい授業”よりも“わかろうとする授業”を

「それではいつも通りの手順でプリントをやってみてください。最後に小テストをします」

 授業開始から15分後、理科の和田達典先生がそう指示すると、生徒たちは一斉に机を移動し、クラスメートと話し合いを始めました。この日、中2の理科で行われていたのは「化学変化」の授業。プリントには「酸化・燃焼・還元とは何か説明できるようにしなさい」など、6つほど課題が示されています。

「銅は燃焼すると、酸素と結び付くんでしょう?」

「うん! さっき、先生が酸化銅になるって説明してた」

 生徒たちは、前半の授業で学んだことを踏まえ、教科書やタブレット端末などを活用しながら課題と向き合います。どの生徒も積極的に情報交換に努め、理解が深まっていく様子が伝わってきます。

 今年度、中2の理科では“主体的に学ぶ姿勢を身につける”ことを目標に掲げています。

「私の説明だけでは、わかったつもりになっているだけの生徒もいます。そうならないためにも、“わかりやすい授業”よりも、生徒が主体的に“わかろうとする授業”を行うのが大切だと考えています」

 と、和田先生はその趣旨を説明します。

学びを支える1人1台のタブレット端末

 和田先生が「いつも通りの手順で」と伝えただけで、生徒たちが迷いなく話し合いを始めた様子からも、アクティブラーニングが日常化していることがわかります。

「同様の学習活動は、ほかの教科でも行われています。生徒には、知識や技能だけでなく、勉強の仕方を身につけ、必要なときに必要なことを主体的に学んでいける人になってほしいと考えています」

 生徒たちの学びのツールとして、大きな役割を果たしているのがICT機器です。同校では、2017年度の入学生から、1人1台のタブレット端末を貸与。自宅への持ち帰りも可能とし、宿題に取り組んだり、先生と連絡を取ったりするのに活用しています。

 この日の授業でも、最後の小テストの問題をタブレット端末に提示。生徒たちの解答が瞬時に集計されて前方スクリーンに表示されるなど、ICTを効果的に活用した授業が展開されていました。

「生徒たちは動画を通じて視覚的に理解をしたり、学習プリントをダウンロードして活用したりしています。長期休暇中も連絡が取れるので、生徒からの相談にもよくのっています」

 主体的に学ぶ道具として、また教員とのコミュニケーションをより円滑にする手段の一つとして、ICT機器は生徒たちの学びを強力にサポートしているのです。

Step 1
化学変化の基本概念を説明
プロジェクタを教室に配備。スライドを出しながら説明することで、生徒たちの顔が見えると和田先生は言います。プロジェクタを教室に配備。スライドを出しながら説明することで、生徒たちの顔が見えると和田先生は言います。

 最初の15分間は、プロジェクタを活用しながらの講義。前の授業のおさらいをした後、和田先生は「酸化」「酸化物」「燃焼」「還元」などキーワードをスクリーンに示し、化学変化の基本概念を説明していきます。ユーモアも交えた説明に、教室からは時折笑い声が上がります。

授業のポイント

「導入では細部まで説明をしすぎず、その後の話し合い活動と思考活動を通じて、考える力を養うようにしています」(和田先生)

Step 2
課題解決に向けた話し合い活動

 授業開始15分後からは、話し合い活動の時間です。グループはとくに指定されていないので、どの生徒も自主的に友達に声をかけて情報交換を重ねます。プリントに書かれた6つの課題を解くため、教科書から必要な情報を探し、必要に応じてタブレット端末を活用します。有益な情報を得るために、教室を歩き回っていろいろな友達に声をかける生徒もいます。

授業のポイント

「教科書は、ただ読み上げるだけでは、生徒たちの理解は深まりません。課題解決に向けて、主体的に読んでいく学習活動こそが大事だと考えます」(和田先生)

タブレット端末は、通信サービスを通じてインターネットとつながっているので、いつでもどこでも利用可能です。タブレット端末は、通信サービスを通じてインターネットとつながっているので、いつでもどこでも利用可能です。
タブレット端末を使って調べる生徒たち。その表情を見ても、主体的に楽しく学べている様子が伝わってきます。タブレット端末を使って調べる生徒たち。その表情を見ても、主体的に楽しく学べている様子が伝わってきます。

Step 3
小テスト&授業の振り返り
振り返りのプリントには、授業で学んだことなどをまとめていきます。振り返りのプリントには、授業で学んだことなどをまとめていきます。

 授業の締めくくりは10分間の小テスト。化学変化について、正しいものを選ぶ4択問題が、生徒たちのタブレット端末に提示されます。解答は瞬時に集計され、その結果を踏まえて友達同士でもう一度話し合い活動を行います。最後に振り返りのプリントに記入して、50分の授業は終了です。

授業のポイント

「導入の説明10分、話し合い活動30分、小テストと振り返り10分というのが、私の授業の標準的な流れになっています」(和田先生)

入力!入力!
集計結果!集計結果!

生徒たちが入力した解答の集計結果は、瞬時に円グラフとなって前方スクリーンに表示されます。

ココも注目!
生徒たちが自身の力で実験を計画・実施する『課題研究』
理科/和田達典先生理科/和田達典先生

 理科では、生徒が自らテーマを決め、計画から実施までを行う『課題研究』も行われています。

「授業の主人公は生徒。教員がお膳立てをしすぎず、生徒が自らの意志で探究していけるようにしています」(和田先生)

2017年度に行われた『課題研究』の様子。

2017年度に行われた『課題研究』の様子。

(この記事は『私立中高進学通信2018年12月号』に掲載しました。)

京華中学校  

〒112-8612 東京都文京区白山5-6-6
TEL:03-3946-4451

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