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私立中高進学通信

2018年12月号

6年間の指導メソッド

東京純心女子中学校

「探究型学習」を深化する『学び方』の授業を開始

中高の学びの基盤となる「読む」「調べる」力を大きな財産として育む同校。グローバルな英語教育と並んで、現代社会に求められる「探究型学習」に比重を置いた教育を発展させるため、本年度より『学び方』の授業を導入しました。
『学び方』の授業は、モニター設備のある中学図書館とコンピュータ教室で連携的に行います。「学びの基地」と呼ばれる中学・高校別の図書館を有する同校は、併せて約8万冊もの蔵書を所有しています。

『学び方』の授業は、モニター設備のある中学図書館とコンピュータ教室で連携的に行います。
「学びの基地」と呼ばれる中学・高校別の図書館を有する同校は、併せて約8万冊もの蔵書を所有しています。

中1で始める『学び方』の授業がすべての学習の基礎を作る
探究型学習 実施例
中1 ●世界の国調べ(社会科)
●クリティカル要約(国語)
●今、この女性が知りたい(進路活動)
中2 ●マザー・テレサ新聞(宗教)
●クリティカル要約(国語)
●ベートーヴェン・レポート(音楽)
●NPO法人インタビュー(進路活動)
中3 ●古典パンフレット(国語)
●時事問題スピーチ(社会科)
●自由研究(理科)
●食材調べ(家庭科)
高1 ●女性の生き方を考えよう(家庭科)
●長崎のキリスト教ポスターツアー(宗教)
高2 ●生命倫理ポスターツアー(宗教)

『キリスト教の価値観に基づくこころの教育』『全人教育』『グローバル教育』の3つを教育方針とする同校。その実現のために、実技トレーニング型の「英語教育」とともに長きにわたって推し進めてきたのが、「探究型学習」の徹底です。同校の探究型学習はリベラルアーツの観点から、大学入試に直結する5教科に留まらず、幅広く実施されています。個々の課題の設定・情報収集・情報の取捨選択・情報の分析・まとめ・表現まで、ていねいに段階を踏んで「自らの答えを発見するためのプロセス」そのものに重点を置いているのが特徴です。

 2018年春より、中1を対象に探究型学習を深めるため、同校オリジナルの授業である『学び方』を、正式にカリキュラム化しました。週1時間の総合学習の時間を活用して行われます。『学び方』の授業とは、探究型学習に不可欠な “正しい”情報収集方法と分析方法を、「本」と「インターネット」の両方を駆使して実践的に学ぶ授業です。指導にあたるのは、司書教諭の遊佐幸枝先生と情報科主任の野﨑剛司先生。オリジナル教材を作成し、チームティーチングで授業を行っています。

司書教諭/遊佐幸枝先生司書教諭/遊佐幸枝先生

「『学び方』の授業がめざすのは、あらゆる教科学習に通じる “学び方のルール”の習得です。本校は以前から中1の探究型学習で、国内外で活躍する日本の女性をテーマにレポートを作成・発表する『女性研究』を行ってきました。『学び方』はその発展形です。進路指導、キャリア教育にも結びつく『女性研究なりきりプレゼンテーション』を最終目標として、情報の集め方と活かし方を、中1という早い段階で徹底指導しています。ここで身につけたスキルは、中高6年間の学びにはもちろん、高度な記述式問題が導入される将来の大学受験にも、大いに役立ちます」
(司書教諭/遊佐幸枝先生)

知識と自ら考える力を養いリテラシーも強化

 もう一つ、『学び方』の授業で大切な要素は、生徒たちの現在と将来の生活に不可欠な「リテラシー」の向上です。

情報科主任/野﨑剛司先生情報科主任/野﨑剛司先生

「大学での勉学のみならず、今後社会に出て必ず必要になるのが、インターネット情報をどう扱うかというリテラシーの問題です。ネット情報は便利ですが、内容は玉石混交。情報の正誤、鮮度もリアルタイムで更新されるので、非常に扱いが難しい。だからこそ、社会問題化するSNSとの向き合い方も含めて、いかに “自分で考えて”情報を取捨選択するか。それを1年間かけて学ぶのが、この授業の目的です」
(情報科主任/野﨑剛司先生)

『学び方』の授業の成果は、中1後期の地理で行われる「国調べ」の探究型学習にも直結。高2まで続く、そのほかの探究型学習にも存分に活かされます。実際に『学び方』の授業を取材してみると、生徒たちが個々の調査に加えてグループワークも行い、これを通じてコミュニケーション力を高めながら、頭を柔らかくして取り組んでいる様子が感じられました。「本」と「インターネット」という生活に密着した題材を通じて、6年間の学びの基礎となる論理的思考力や情報を精査する力が、ここでしっかりと育まれていくのがわかります。

 さらに2019年4月からは、中3の社会科で行う探究型学習『時事問題スピーチ』に向けた『学び方』の授業も、中3の前期に導入する予定です。今後も同校は、幅広い視野とさまざまな取り組みを導入しながら、長年培ってきた探究型学習を、より深化させる取り組みに挑戦していきます。

「本校の生徒は、調べ物やまとめは得意なので、さらに得た知識や情報を新しいものへと発展させる創造性を伸ばしていきたいと考えています。『学び方』の授業を通じて、知らないことを知る面白さ、自分で考えることの面白さを身につけてもらいたいですね」(野崎先生)

「来年度以降は、よりクリエイティブな力を養う授業内容、課題設定を、野﨑先生と力を合わせて練り上げていきます。常に変化する時代性と社会性に即し、生徒たちの今に寄り添うための試行錯誤を重ねていきます」(遊佐先生)

課題解決のための6つのプロセス

図書館とコンピュータ教室の双方で『学び方』授業をレポート

 第16回目の『学び方』の授業では、まず中学図書館で遊佐先生主導による「読む」ことと「学ぶ」ことの関連性や「読書の意義」を学びました。続いて、隣にあるコンピュータ教室に移動して、野﨑先生の主導で、総合百科事典「ポプラディア」の最新インターネット版と以前に発刊された書籍版の両方で、「東日本大震災」や「選挙権」などの事項を調べて情報鮮度の違いや経年による内容の違いをリサーチ。自分に必要な情報を、どこから得るのが適切かを中心に、信頼性の高い情報源の探し方、書籍で調べるメリット、インターネットで調べるメリットを、グループワークで学びます。

 授業には、遊佐先生と野﨑先生が作成したオリジナルテキストとワークシートを活用しています。生徒の理解度に合わせ、随時ワークシートもアップデートされ、常に新しい“学び方”が導入されます。

担当の異なる教員同士の知識が密に連携するこの授業では、生徒たちの能動的な学習をサポートしています。より実践的な探究型学習のベースを構築します。担当の異なる教員同士の知識が密に連携するこの授業では、生徒たちの能動的な学習をサポートしています。より実践的な探究型学習のベースを構築します。
実際にネットと書籍の情報を比較することで、新しい発見を得る生徒たちからは、「知らなかった!」「どうして違うの?」と気づきの声が上がります。実際にネットと書籍の情報を比較することで、新しい発見を得る生徒たちからは、「知らなかった!」「どうして違うの?」と気づきの声が上がります。
図書館にはそこかしこに、調べものをする際の注意事項が掲示され、生徒の“学び方”に役立っています。図書館にはそこかしこに、調べものをする際の注意事項が掲示され、生徒の“学び方”に役立っています。

(この記事は『私立中高進学通信2018年12月号』に掲載しました。)

東京純心女子中学校  

〒192-0011 東京都八王子市滝山町2-600
TEL:042-691-1345

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