Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!
LINEで送る

スクールポット中学受験版 - 首都圏学校情報検索サイト

ツイッター フェイスブック

私立中高進学通信

2018年10月号

私学の校外学習・学外交流

富士見中学校

自然をよく観察して疑問を持つ 実物を見て考える姿勢を育む
生きもの探究教室

日常生活の場を離れ、自然の中で生き物を観察します。
自分の目で見て自分の頭で考えられるようになることが狙いです。
この地域の自然に詳しいフィールドガイドの方からアドバイスをもらいます。

この地域の自然に詳しいフィールドガイドの方からアドバイスをもらいます。

 心地良い風が吹きわたる高原。まぶしく降り注ぐ太陽の光の下、生徒たちがそこかしこで、植物に目をこらしたり、地面を歩き回るアリの動きを観察したりと、チームごとに生き物を観察するフィールドワークを行っています。

 同校では、これまで実施してきた林間学校に、今年度から新しい試みを加え、「生きもの探究教室」に発展させました。中1生が5、6人のチームに分かれ、生き物について詳しく調べます。テーマは「なぜ、アブとハチは似ているのか」「なぜ、ミドリシジミの仲間はそこをなわばりにしたいのか」「なぜ、カエデの葉はこんなつき方なのか」など、昆虫や鳥類、植物に関するものが10あります。どのテーマも「なぜ」で始まっていますが、そこには理由があります。それは、この教室を実施する最大の目的が「疑問をたくさん持とう」というものだからです。

 理科に限らず、あらゆる探究活動は「なぜ」という疑問を持つところから始まります。できるだけ多くの疑問を持ち、それがどうしてなのか仮説を立て、調べることで検証し、その結果から考察します。すべての探究はこの手順で行われます。生きもの探究教室は、生徒たちにこの手順を身につけてもらうことを狙いとした活動なのです。

 自然を満喫しながらも探究する姿勢を身につけてほしい。そんな学校からの思いに、生徒たちもしっかりと応えていました。

観察したことはその場で記録!観察したことはその場で記録!
ごうごうと水音を立てる滝のそばでカエデの葉のつき方を観察しています。ごうごうと水音を立てる滝のそばでカエデの葉のつき方を観察しています。
地面で活動するアリを粘り強く観察します。地面で活動するアリを粘り強く観察します。
どんな場所にガがいるのか、採集して調べます。どんな場所にガがいるのか、採集して調べます。
採集したガを容器に入れて持ち帰ります。採集したガを容器に入れて持ち帰ります。
フィールドワークを体験した生徒たちにインタビュー
疑問を持ったら仮説を立てよう
そして調べて考察しよう
テーマ:なぜ、カエデの葉はこんなつき方なのか

「カエデのことは、今までモミジと同じものかなと思っていたくらいだったのですが、種類によって葉の形がいろいろと違うことがわかって、おもしろかったです」

「イタヤカエデとハウチワカエデとヒトツバカエデの3種類を調べました。葉の形や大きさ、生えている場所まで違うことにびっくりしました」


テーマ:なぜ、派手なガと地味なガがいるのか

「家でガを見た時に、きれいなガや地味なガがいて、どうして違いがあるのかなと思っていたので、このテーマを選びました」

「20匹くらいガをつかまえましたが、日陰にいることが多かったです。派手なガから地味なガまで何段階かに分けて、どれが多いか集計します」

「今日のような自然観察をするのは初めてでした。知らないことがわかって、意外とおもしろいと思いました」


テーマ:なぜ、アリは大家族でくらすのか

「アリの巣の近くに5種類の食べ物を置いて、そこに来たアリに絵の具で色をつけました。同じアリが同じ食べ物に来るのかなど、アリの行動を調べるためです」

「3時間くらい観察していたので、途中でちょっとくじけそうになりましたが、おもしろかったです」


“正しい”結果は出なくていい自分なりに考えることが大切
左から田辺雅義先生、三浦佳奈先生、渡辺潤先生。左から田辺雅義先生、三浦佳奈先生、渡辺潤先生。

 生きもの探究教室を運営された先生方に話をうかがいました。

「生徒に図鑑やテレビを通してではなく、実物を見て疑問を持ってほしいというのが一番の狙いです。その先に仮説、検証がありますが、正しいとされる結果が出なくてもかまいません。自分なりに考えることが大事なのです。生き物は実体があるので疑問を抱きやすい題材となります」
(三浦先生)

「生徒たちは、初めは指示に従うだけでしたが、だんだんと自主的に取り組むようになりました」(田辺先生)

「たくさんの生徒がフィールドに入るため、フィールドの質が損なわれないように留意しました」(渡辺先生)

タブレットは、フィールドワークの際に撮影で使うほか、ネットでの調べものにも活用します。タブレットは、フィールドワークの際に撮影で使うほか、ネットでの調べものにも活用します。
採集したハチとアブをよく観察します。採集したハチとアブをよく観察します。
フィールドワークが終わったら、疑問に沿って調べたことやわかったことを模造紙にまとめ、ほかのチームに向けて発表します。フィールドワークが終わったら、疑問に沿って調べたことやわかったことを模造紙にまとめ、ほかのチームに向けて発表します。
チームのメンバーで疑問を出し合い、検証していきます。チームのメンバーで疑問を出し合い、検証していきます。
カエデの葉のつき方や形が、種類によってどう違うかを調べ、スケッチします。カエデの葉のつき方や形が、種類によってどう違うかを調べ、スケッチします。

(この記事は『私立中高進学通信2018年10月号』に掲載しました。)

富士見中学校  

〒176-0023 東京都練馬区中村北4-8-26
TEL:03-3999-2136

進学通信掲載情報

【中1の始め方】「問う」ことで培う 自分で考え、行動する力
【みんなのSDGs】社会貢献の第一歩が まっすぐ未来に続く
【未来を切り拓くグローバル教育】海外大学進学を視野にグローバルセンターが始動
【注目! News and Topics】社会課題と向き合う視野と主体性を養う地域連携で実現した探究プログラム
【実践報告 私学の授業】地域の『困った!』を考える探究学習『ねりま探究』
【実践!未来の学び 探究型読書】本を手掛かりに、思考の幅を広げる高2生の『探究型読書』
【目標にLock On!! 私の成長Story】生徒会や自主活動に打ち込んだ中高時代 先生や仲間との出会いが成長につながった
【注目! News and Topics】「ニュージーランド ターム留学」が積極的に進路を切り開く機会になりました
【グローバル特集 授業[学校生活]】触れ合い、探究することで身につくグローバルな視点
【実践報告 私学の授業】自分の興味や関心を掘り下げる中3の『卒業研究』
【キャンパスのビジョン】一人で学ぶのではなくみんなで“学び合う場”
【私学の校外学習・学外交流】自然をよく観察して疑問を持つ実物を見て考える姿勢を育む 生きもの探究教室
【目標にLock On!! 私の成長Story】勉強、部活動、生徒会、ニュージーランド留学そのどれもが私を成長させてくれた宝物
【学校生活ハイライト】授業でコツコツ仕上げた思い出の作品を披露
【SCHOOL UPDATE】創立80周年に向け新校舎建設 交流と積極性を生む未来志向の新校舎
【目標にLock On!! 私の成長Story】知性と個性を伸ばす豊かな学びの場で未来を切り拓く確かな土台を築く
【目標にLock On!! 私の成長Story】先生の何気ない一言で奮起!目標にまっすぐ向かうことのできた6年間
【校長が語る 思春期の伸ばし方】チャレンジは自己肯定感を育む第一歩 その歩みをサポーターとして応援する
【キャンパスのVISION】生徒たちのくつろぎの空間となるベンチ式の木製大階段
【中1の始め方】友人関係や学習面での不安をなくし 自己管理のできる生徒を育てる
【学校生活ハイライト】生徒主体の体育祭 さまざまな競技を通して団結力を養い 高3生は創作ダンスで有終の美を飾る
【Students' Chat Spot】生徒会の高3生4人が学校の魅力を語る
【目標にLock On_!! 私の合格Story】みんなで “一つのもの” に向かう喜び そんな時間を共有し、目標を実現できた6年間
【その先に備える キャリア教育】グループワークで得た自信と積極性で未来を拓く
【Teacher's Lounge 先生たちの座談会】自慢は生徒達の “行動力” 教員はそれを見守り支えるよう努めています
【部活レポート】ダンス部
進学通信2018年10月号
紹介する学校
共学校 共学校   女子校 女子校   男子校 男子校
この号のトップに戻る 進学通信一覧を見る
ページトップ