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私立中高進学通信

2018年10月号

校長が語る 自立へのプロセス

東京純心女子中学校

“叡智” “真心” “貢献”をバランス良く育てたい

生徒一人ひとりの探究心を深める“学びの場”であり続けたいと考える同校。2019年度から導入される2コース制など、2020年の教育改革を見据えた新たな取り組みを進めています。

探究型の学習を強化しつつ柔軟性を持ったカリキュラム
松下みどり(まつした・みどり)校長先生松下みどり(まつした・みどり)校長先生
長崎県出身。幼児洗礼を受ける。清泉女子大学卒業後、純心聖母会に入会。3年間の修練期を経て、姉妹校である鹿児島と長崎で教鞭を執る。2013年より国語科教員として東京純心女子高等学校へ。翌年4月に副校長、8月に校長職を引き継ぎ、現在に至る。

「今までは、中学校で基礎学力を身につけさせてそれを高校で伸ばす。高2生、高3生になったら進路に合わせて、各々が必要な科目を選択するカリキュラムでした。これからの日本の教育改革は、未確定の部分も多く、変化も大きいので、柔軟に対応できる新たな形を考えました」(松下みどり校長先生)

 中1から行っている探究型学習については継続しつつ、高2からは『叡智探究特進プログラム』(通称・特進プログラム)と『叡智探究セレクトデザイン』(通称・セレクトデザイン)の2つのコースを設定しました。現在の高1生が2年生に進級する来年4月からスタートします。特進プログラムコースは難関国公立大学や最難関私立大学を視野に5教科の安定した学力を養います。一方のセレクトデザインコースは、これまでの選択制を最大限生かす形となります。

「系列の大学が敷地内にあり、看護学科やこども文化学科をめざして本校に入学してくる生徒もおります。セレクトデザインコースには、大学の授業も取り入れ、大学教授の講義を受けられるようにしたいと思っています。
 進路を決めかねている生徒でも、高校のカリキュラムの中で併設の大学の授業を体験できるようになれば、学科なども含めて『自分はこの分野に適性がある』という発見の機会になるでしょう。また、別方面に進む場合でも、大学で学ぶことへの興味や関心を持ってもらえるのではないかと考えています。大学と連携してそのような取り組みを進めていくつもりです」

 英語教育に関しては、以前から教科書の見直しなどの対策を行い、授業の中で生徒がしっかりと力をつけられるよう進めてきました。さらに、GTEC(※)や英検に関しても、学校で実施すると同時に、生徒たちが外部の試験に挑戦できる環境を整えています。

「土曜日に行っていたスポーツ大会を、外部試験のない水曜日に移しました。場所も、これまでの屋外から、今年は屋内体育館のエスフォルタアリーナ八王子に変えました。スポーツ大会をはじめ、行事には多くの保護者の方が見に来てくださるので、『屋外より快適でよかった』と大変好評でした」

聖母マリアのように賢く実行力のある女性を育てたい
東京純心女子の自立のための柱
  1. 課題を解決する賢さ
  2. 他者に心を留めるやさしさ
  3. 社会に貢献できる行動力

 被ばく校である「長崎純心」がルーツの同校。平和な社会や未来を創るために活躍できる人を育てたいと考え、『叡智・真心・貢献』の3つを教育目標としています。

「一般的に学校教育がめざすのは社会の中で自立し生きていく力をつけることだと言われますが、カトリックミッションスクールでは、プラスアルファで人間の尊厳、一人ひとりがかけがえのない存在であることを実感させることが大切だと考えています。
 本校の理想とする人物像は聖母マリアです。聖書によると、マリア様はとても賢くて実行力のある方なのです。他者のために、周りの人をしっかりと見て、話をよく聞いて、機敏に行動する。どんな場所・場面でも人にも神様にも喜ばれる、賢く清くやさしい女性を育てたいと思っています」

ボランティア体験の積み重ねで人に喜ばれる幸せを知る
生徒たちも口々に「心が落ち着く」と語る聖堂には、やわらかな光が射しています。卒業生も“心のリハビリ”に同校を訪れるそうです。生徒たちも口々に「心が落ち着く」と語る聖堂には、やわらかな光が射しています。卒業生も“心のリハビリ”に同校を訪れるそうです。

「これからを生きていく生徒たちは、さまざまな問題に直面した時に、解決していく力を持った人が活躍できると言われています。それがまさに私たちが育てようとしている人間像そのものなのです。本校の生徒はいつも誰かを喜ばせたいと願っています。
 だから、ボランティアにも積極的に参加します。人のために何かをして喜んでもらうと、自分が幸せな気持ちになることを体験によって知っているので、その体験の積み重ねが喜びになっているのだと思います。おそらく社会に出てからも同じような発想を大切にしてくれるのではないでしょうか」

 松下校長先生は、毎年、中3生と面接の機会を設けていますが、その際“入学して一番変化したこと”を聞くと、「他人のことを考えられるようになりました」と話す生徒がほとんどとのこと。先輩や友達との関わりの中で、人のことを思いやる気持ちを学んでいくそうです。

「小さな学校なので、部活動や生徒会、委員会も縦割りで行います。その中で先輩から学ぶことも多いようです。要領の悪い後輩がいても、先輩は根気強く教えています。そのような生徒たちの姿を目の当たりにすると非常にうれしく思います。このようなやさしさと賢さを育み、社会に貢献できる人物をバランス良く育てていきたいと思っています」

(この記事は『私立中高進学通信2018年10月号』に掲載しました。)

東京純心女子中学校  

〒192-0011 東京都八王子市滝山町2-600
TEL:042-691-1345

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