私立中高進学通信
2018年10月号
未来を切り拓くグローバル教育
東京成徳大学中学校
他の留学生とともに学ぶ全員参加の中3学期留学
2017年度入学生から世界レベルの学びがスタート

NZの学期留学では、現地校1校につき、同校の生徒1~3名程度が学びます。
現地の生徒も留学生の受け入れに慣れているのでとても親切で、楽しく過ごせたそうです。
生徒の姿勢が大きく変わる学期留学の影響力
中3のニュージーランド学期留学は、今年で16回目を迎えました。ニュージーランド(以下NZ)の1学期にあたる1月から4月の初めまでの間に留学するもので、年々参加者が増え、2017年度、2018年度は学年の半数を超える生徒が参加しました。
留学後、生徒の積極性が増し、学期留学の経験者の多くが大学入試で目標の国立大学に合格するなど、成果の大きさを実感したことから、2017年の入学者から、中3での学期留学を全員参加にしました。
「NZでは、自ら発信しなければ、自分の存在に気づいてすらもらえません。現地の生徒はもちろん、さまざまな国の留学生が自分の意見を持ち、堂々と発信する姿に、生徒は『今のままではだめだ』という危機感を持って帰国します。その経験が、その後の学校生活を大きく変えるきっかけになるのです」
(国際交流部長・英語科/
学期留学に備えて欧米型の学習スタイルを導入
学期留学の成果をより高めるため、現地校の授業スタイルや学習観に慣れるように、中1の授業からグループディスカッションや、自分の意見をまとめ、発表する機会を多く取り入れています。学期に1度、「イングリッシュキャンプ」を実施し、初めて会った外国人とでも英語でコミュニケーションを図る経験も積んでいます。
こうした取り組みを重ねることで、「今の中1・中2は、アイスブレーキング(※1)が必要ない」と茂原先生が言うほど、初対面でもすぐに英語で話しかけ、本題に入ることができるようになりました。中1の3学期に実施された校外学習では、日本の大学に通う留学生がアドバイザーとして参加しましたが、中1とは思えない積極性に非常に驚かされたといいます。
こうした活動の一つひとつにルーブリック(※2)を作成し、生徒が自分自身を評価するようにしているのも、同校ならではの取り組みです。
「欧米型の授業では、結果よりも過程が重視され、答えが合っていても、なぜその答えにたどりついたかを説明できなければ評価されません。
授業でも、なぜそう考えたのか、自らの思考の過程を説明することが求められます。生徒同士が思考の過程を披露し合うことが“授業”なのです。ですから授業で発言しない生徒は、授業に貢献していないと判断されてしまいます。
日本の学習観とは違うため、求められていることに自分で気づくことが大切です。そうした意味からルーブリックを取り入れているのです」
こうしたトレーニングを積み、NZで他国の留学生や現地の生徒と互角に議論する。この経験は生徒にとって、大きな自信と成長のステップになるでしょう。
※1 アイスブレーキング…初対面の人同士が出会う時に、緊張をほぐすために行うレクリエーション。
※2 ルーブリック…学習到達状況を生徒が自分で評価するための評価基準。
Action Report File001
留学を実りあるものにする細かな配慮
日本語に触れることを極力廃した学期留学
NZのオークランドやその近郊の学校で学ぶ学期留学。NZは4学期制のため、1学期にあたる期間の1月下旬~4月上旬に留学します。
まず、現地校への編入前に現地の語学学校で準備コースを履修します。この期間は、生徒2人で1つの家庭にホームステイし、学校で英語力に磨きをかけるとともにNZでの生活に慣れていきます。
その後、現地の受け入れ校での留学がスタートします。ここからのホームステイは、各家庭に同校の生徒は1人。現地校1校に配属される生徒も3人程度となり、ホームステイ先でも学校でも英語のみを使う日々となります。
他国からの留学生も多く、各国の同世代の生徒と触れ合う機会があるのも、NZ留学の醍醐味。ホームステイ先にほかの国の留学生がいることも少なくありません。学校や家で英語のみでコミュニケーションを取り、他国の文化や生活習慣に触れて、実践的な英語力と国際感覚を養います。


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他教科とのコラボも多数
毎学期で実施される「イングリッシュキャンプ」
外国人の英語講師と交流する「イングリッシュキャンプ」は、英語力を伸ばすまたとない機会です。同校では、1日のものから宿泊を伴うものまで、さまざまな形で年間3回、学期ごとに実施されています。
例えば、中1の1学期は日帰りで、11人の生徒に対して外国人講師が1人ついてさまざまなアクティビティをしました。2学期は1泊2日、3学期は、社会科・理科・英語の3教科がコラボレーションした校外学習「動物の身体の器官を使って人間の生活に役立つ新製品の開発プロジェクト」に関連した「イングリッシュキャンプ」が実施されました。
上野動物園で動物の器官を観察する際に、日本の大学や大学院に通う外国人留学生に同行してもらい、生徒は留学生とアイデアを議論するとともに、英語でのプレゼンテーションによるスピーチ内容や表現の仕方にもアドバイスをもらうなど、アカデミックな交流も行っています。
生徒の成長や学びの進度に合わせ、同校ならではの独自の内容で行われている「イングリッシュキャンプ」。生徒たちにとっても、楽しみな行事の一つとなっています。

外国人とも話しやすくなります

実践的な表現力も磨きます
(この記事は『私立中高進学通信2018年10月号』に掲載しました。)
東京成徳大学中学校
〒114-8526 東京都北区豊島8-26-9
TEL:03-3911-7109
進学通信掲載情報

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