私立中高進学通信
2018年10月号
未来を切り拓くグローバル教育
昌平中学校
IB教育で育てる英語力と課題解決力
4年連続で東大合格者を輩出

どの授業においても話し合いの機会が多い同校。
ほぼすべての教科で行われているので自ずと議論する力が伸びていきます。
英語力を中学3年間で積み上げ、中学入学時は約8割の生徒が英検を未取得だった現高1生は、
中学卒業時には準1級取得者が7%、2級が30%、準2級が47%と全体の84%の英語力がすでに高校レベルに達しています。
来春から高校にもIBプログラムを新設
今春、東京大学2名、一橋大学2名、東北大学2名など国公立大学に現役で49名、早慶上理に現役で46名という大学合格実績を出した同校。中高一貫生からも東京大学、一橋大学の合格者が出ています。同校の中高一貫教育は着実な成果を挙げていると、評価が高まっています。
この実績を支えているのはたえず新たな教育方法を模索し、取り入れてきた同校の進取の精神にあるといっていいでしょう。『国際バカロレア(IB)教育』のほか、独自の取り組みで世界を意識し、理解する力を持ったグローバル人材の育成を推進しています。
IB教育は、同校が3年前に中学でスタートさせた世界基準の教育プログラムです。スイス・ジュネーブに本部を置く国際バカロレア機構が提供する教育プログラムで、世界では約5000校が導入していますが、日本国内では現在45校しか取り入れていません。
調べ学習、発表、話し合いなど生徒が授業の中心となり、『変わり続ける社会で将来にわたり役立つものを身につける』という“IBの理念”を具現化する授業が各教科で展開され、思考力やコミュニケーション能力を養っています。
そしていよいよ2019年春には、高校にもIBコースが設置される予定です。日本にいながら国内外で評価されるカリキュラムを学ぶ「ディプロマ・プログラム」が導入され、高3の11月実施の最終試験をクリアすると、世界共通の大学入学資格(国際バカロレア資格※)を取得できます。
海外大学はもちろんのこと、近年はIBコースで学んだ高校生に特化した「IB入試」を取り入れた国公立大学、私立大学が増えています。進路選択も国内外を問わず広がってくるでしょう。
※国際バカロレア資格…「ディプロマ・プログラム」のカリキュラムを履修した後、最終試験を経て、所定の成績を収めると、国際的に認められる大学入学資格(国際バカロレア資格)が取得可能です。この試験のスコアを活かして、大学に入学できるケースもあります。
現役ハーバード大学生とディスカッション
さらに新たな取り組みも、次々と始まっています。一つは中3生がIB教育の集大成として行う『コミュニティープロジェクト』です。社会課題を見つけ、地域や企業など学校以外の人々と関わりながら解決法を見出していく奉仕活動です。もう一つはこちらも中3生対象の『ハーバード・サマースクール』です。ハーバード大学の現役学生を日本に招き、学校でディスカッションをしたり、ワークショップを行ったりする特別夏期講習です。
「英語を学ぶのではなく、英語で学ぶ良いチャンスです。生徒は苦心したようですが、批判的思考力を身につける経験ができたと思います」
と、副教頭・国際教育部部長の前田紘平先生はその意義を語ります。中高6年間で思考力や基礎力を培い、その上にアカデミックな学びを積み重ねていく。同校ならではの先進的な取り組みは、今もなお、進化し続けています。
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埼玉初の認定校
世界標準の学び方「IB教育」
同校の中1~中3は、すべて国際バカロレア(IB)教育の中等教育プログラム(MYP)に則ったカリキュラムで学びます。科目名は一般的な中学校のものと変わりませんが、その学び方はIBの理念に基づきます。調べ学習や発表、話し合いなど、生徒の主体的な活動が授業の中心となります。
「導入から3年経ち、IB教育を受けた生徒が中学を卒業し、高校に進学しました。明らかに深く考え、自分で行動できる生徒が増えたと実感しています」(前田先生)
2019年から高校でもIBコースを展開、英語で学ぶ「ディプロマ・プログラム」(DP※)を受講することができます。日本の高校のカリキュラムを学びながら、世界基準のカリキュラムも同時に学び、国際的な大学入学資格(国際バカロレア資格)を得ることができます。

※DP…ディプロマ・プログラム
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論理的思考力と英語力を磨くディスカッション
『ハーバード・ サマースクール』

今年度、中3生を対象とした英語行事『ハーバード・サマースクール』が新たにスタート。8月上旬の3日間、現役のハーバード大学生7名が同校を訪問し、同校の生徒とともにディスカッションを行いました。
今回は 「年齢、生活環境、職業などが異なる4人の患者がいるが、助けるためのワクチンは2人分しかない。誰を助けるか?」というテーマを論じ合いました。正解のない問いに対して、自分の意見を論理的に説明できるかが鍵となる、難しい討論です。
「ハーバード大学の学生と話す経験ができて本当に良かったです」「難しい話題を英語で考え、書く練習が必要だと気づきました」など、生徒たちはさまざまな感想を抱き、確かな手応えをつかんだようです。
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水曜は校外学習・実験を体験
『スペシャル・ ウェンズデイ』

学期に数回、水曜日を使って校外学習や実験を行う『スペシャル・ウェンズデイ』は、開校以来の伝統です。各国の大使館を訪問して世界を知る、模擬裁判を通じて司法の仕組みを知る、大学の研究室を訪問するなど、ユニークな体験活動ができます。
学年ごとにテーマを持って臨み、それぞれその体験のまとめを新聞形式で発表。しかも日本語ではなく英語で作成した新聞です。体験+英語力育成と、IBプログラムらしい取り組みになっています。

外務省や各国大使館を訪問
世界の国々や外交について学びます
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社会貢献をテーマに自分で考え・行動
中学3年間のIB学習の集大成『コミュニティープロジェクト』

IBプログラムは、学んだ知識を活かし、社会課題を認識し、行動する力を身につけることを求めています。この精神を活かし、中3生が3年間のIB教育の集大成として取り組むのが、『コミュニティープロジェクト』です。社会や他者に貢献できる活動を生徒自身が考え出し、準備し、実際に奉仕活動を行うというものです。
この活動を通じて、スポーツの魅力を伝えたいと、母校の小学校で「走り方講座」を開いた生徒、最先端の医療技術を学び、がんの研究団体への募金活動をした生徒など、さまざまな成果が生まれたそうです。
「人のために何かを行ったという経験が、自己肯定感や自信につながっています。自分の好きなこと、やりたいことで社会貢献する体験をきっかけに、将来の生き方を考えることにつながればと思っています」(前田先生)
(この記事は『私立中高進学通信2018年10月号』に掲載しました。)
昌平中学校
〒345-0044 埼玉県北葛飾郡杉戸町下野851
TEL:0480-34-3381
進学通信掲載情報

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