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私立中高進学通信

2018年8月号

私学の英語最前線

日本学園中学校

独自の『創発学』を応用英語をやる気になる授業

英語学習を探究型学習である『創発学』の一環として位置付けている同校。男子校ならではの工夫が、英語を学ぶモチベーションを育てます。
英語に慣れ親しむ環境を整え週2回はネイティブの授業

 自由闊達な校風のもと、一人ひとりの個性を大切にする男子校として、創立130年余の伝統を持つ同校。チームや個人でテーマを設定し、調査・研究をして論文にまとめる『創発学』や、読書によって論理的思考力を伸ばす『読書テスト』と一体化した『CLP:(Combined Langua-ge Program)』の考えに基づいて、授業や行事が組み立てられています。英語教育に関しても『創発学』の考え方をもとに、確かな日本語力で支えてこそ、高い英語力が身につくとの考えに立ち、総合的な語学運用力の育成をめざしています。

 英語の授業は週に6時間。うち5時間は、教科書を用いて文法や読解に取り組む「英語」の授業。1時間はネイティブ教員による「英会話」の授業です。このほかに週1回、ネイティブ教員と日本人教員によるチームティーチングの授業があり、生徒は週2回、ネイティブ教員によるオールイングリッシュの授業を受けることができます。日本語で行われる英語の授業でしっかりと英語表現を学び、オールイングリッシュで行われる授業で、英語で聞いて英語で話す感覚を身につけるのです。

 校内には英語の雑誌やコミックなどを常備した「イングリッシュ・ルーム」を4年前から開設し、英語に慣れ親しむ環境を整えています。ネイティブ教員と話したいと訪れる生徒も多く、「教室では恥ずかしいけれど、やっぱり英語を話したい」と思ったときに、立ち寄れる気軽さを大切にしています。

 中学3年間の英語教育の方針を示した『グランドデザイン』(下表参照)を生徒や保護者にオープンにして、「何ができるようになるか(Can do)」を明確にしています。中1では「聞く」「話す」に重点を置き、中2、中3と進むにつれて「読む」「書く」技能へと広げていきます。

事前学習が生きるオーストラリア語学研修

 英語学習の行事も多彩です。中2では福島県のブリティッシュヒルズに宿泊し、オールイングリッシュの2泊3日を過ごします。

 中3では2週間のオーストラリア語学研修に、学年全員で参加します。3月に実施するため、それまでの1年間を事前準備にあてているのが特徴です。

 1学期は「相手を知る」ために、オーストラリアについてさまざまな角度から調べ、新聞制作や発表会を行います。中1のときから、『創発学』の授業を通じて、林業や漁業体験を新聞にまとめる経験や、職業調べなどを経験しているため、調査や取材、まとめに慣れている生徒たちは楽しみながら取り組みます。

 2学期は逆に「自分を伝える」ために日本文化を英語で解説する準備を進め、9月の文化祭「日学祭」で発表します。このときに取り組んだテーマは、ホストファミリーとの会話の良いきっかけになっているそうです。そのため、生徒が現地でイキイキと「語れる」テーマを選ぶことがポイントになっています。

「日本の伝統文化に絞らず、アニメや鉄道、ゲームなど生徒が熱中できるものを自由に選ばせています。好きなものなら詳しく調べますし、それを英語でどうにかして伝えたい、という気持ちになります」
(英語科/工藤美知雄先生)

 スピーチは英語科の先生が原稿をチェックし、練習をサポート。

「発音も大切ですが、より重要なのは自信を持つこと、相手とアイコンタクトをとることなのです。それを1対1の練習で積み重ねていきます」(英語科/ジェイミー・バンゼイル先生)

 オーストラリア滞在中の約2週間は、ホームステイをしながら午前は語学研修、午後はスポーツやピクニックなどのアクティビティを楽しみます。毎年、帰国した後に、驚くほど「変わる」生徒がいるそうです。イングリッシュ・ルームに通い詰めて英語の成績を伸ばし、海外大学に留学した生徒もいます。

 まずは生徒の興味や関心を引き出し、次の学習へのモチベーションにつなげていく。『創発学』と同じ学習プロセスを経ることで、海外研修を有意義なものにしているのです。

先生の個性や強みを活かした楽しい授業

 同校の強みは、英語科の先生が自由な発想を持ち、授業や行事に自身の個性を活かしていることでしょう。ジェイミー先生は大学で美術を専攻していたので、授業に視覚的な要素を取り入れて、生徒の興味をかき立てます。英語科の中島喜嗣先生とのチームティーチングの授業では、生徒が楽しく英語を学べるように、新出単語や英文がイメージできる写真を提示して、生徒の記憶に残るインパクトを出すように工夫しているといいます。

 工藤先生は英単語ゲームや英語版の「モノポリー」などボードゲームを授業に持ち込み、英語でルールを説明しています。生徒たちはゲームをしたいがために、耳から聞いた英文を何とか推測しながら聞き取ろうとするそうです。

「普段の授業から工夫をして、一人でも英語が好きになる、勉強したくなる仕掛けを取り入れています。男子の英語学習は継続性がカギになります。適切な時期、必要な時に我々が機動的に動くことが、生徒のスイッチを入れることにつながります」

POINT1
1年間をかけて準備するオーストラリア語学研修

 オーストラリアのアデレードを訪問する2週間の語学研修は、1年間の事前学習を経て、中3生全員で参加します。『創発学』の取材や調査、まとめと発表、評価と改善のルーティーンで磨いた知的好奇心に、課題図書を読み込む『読書テスト』で培った思考力や質問する力を用いて、ホストファミリーと触れ合い、英語運用力を高めます。

POINT2
授業に夢中になれる楽しさがあふれています

 ジェイミー先生は、英語の授業に写真付きフラッシュカードを使うなど、生徒の記憶に残る、楽しく、ユニークな授業を行っています。英語の朝テストで満点を取ると、ジェイミー先生がオリジナルイラストを描いてくれる特典も! この特典はあっというまに生徒たちに広まり、がんばって勉強をして満点を取る生徒が増えたそうです。

POINT3
先生が好奇心いっぱいだから生徒も英語に興味が持てる
(左から)中学英語科の工藤美知雄先生、ジェイミー・バンゼイル先生、中島喜嗣先生。(左から)中学英語科の工藤美知雄先生、ジェイミー・バンゼイル先生、中島喜嗣先生。

 生徒の好奇心が生まれるポイントを常に探している英語科の先生たち。ジェイミー先生は今度、漢字検定にチャレンジするそうです。授業で先生の個性に触れることで、生徒も楽しく学べます。また、そうした個性を出せる環境にある点が私立学校の良さなのです。

中学の英語3年間のグランドデザイン
【基本的な考え方】
  • 3年間を通して英語の4技能をバランス良く身につけさせる。
  • クラスの状況に応じて授業の中でさまざまな活動を取り入れていく。
    (網がけ部分は学年の中で重視する技能)
学年 中1 中2 中3
イメージ 楽しむ 感覚から筋道へ 正確性
CANDO 聞く 初歩的な内容の短い英文を聞き取って内容を把握することができる 日常的な内容の英文を聞いて概要を把握することができる 英語を聞いて場面や状況を正確に把握することができる
話す 身の回りのことや体験したことを話すことができる 身近な話題について自分の考えを話すことができる あるテーマについて理由をあげて意見を表明することができる
読む ・教科書の英文の意味を把握できる
・短い文章を読んで概要をつかむことができる(100語程度)
・教科書の英文を読み、要点を把握できる
・少し長めの文章を読み、内容を把握できる(200語程度)
・英文を論理的に読むための基礎を身につけられている
・教科書の英文に対して感想や意見を述べることができる
・さまざまな内容の英文を読み、概要を把握できる(300語以上)
書く 身の回りのことや体験したことを英語のルールに従って5文以上で表現できる 自分の考えや自分の身近な物事について英語のルールに従って50語以上で表現できる 日本文化を中心に自分が興味をもつ内容について英語のルールに従って100語以上で表現できる
行事 東京都英語村など ブリティッシュヒルズ語学研修 オーストラリア語学研修
活動 統一単語テスト/教科書暗唱/基本英文300/スピーチコンテスト参加/多読(中2)
作る
(作文)
自己紹介 将来の夢 日本文化

(この記事は『私立中高進学通信2018年8月号』に掲載しました。)

日本学園中学校  

〒156-0043 東京都世田谷区松原2-7-34
TEL:03-3322-6331

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