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私立中高進学通信

2018年8月号

私学だからできるオリジナル教育

秀明大学学校教師学部附属秀明八千代中学校

大学連携授業で数学的思考を体験

系列の秀明大学と連携して発展的な学習を実施。学校教師学部の大学教員が教えることで、実践的な思考力を引き出し、生徒の視野を広げます。
古代に使われた方法で暗号を解きます。小田切先生をはじめフォローの大学生も授業に加わり、ていねいに学びを促します。

古代に使われた方法で暗号を解きます。
小田切先生をはじめフォローの大学生も授業に加わり、ていねいに学びを促します。

暗号やパズルを通して数学的な学びを体験

 大学附属の中高一貫校のメリットは、大学と連携した授業や体験学習ができることです。生徒の好奇心を刺激し、学ぶ楽しさを知る機会として、同校では中学生が大学のキャンパスで授業を受ける『大学特別授業』を実施しています。国語、数学、理科、社会、英語の主要5教科を1教科ずつ年に5回、中学3年間で計15回実施しています。6月は「数学」にスポットを当て、生徒の興味や関心を広げる授業が行われました。

 秀明大学の学校教師学部は教員就職率が8割以上という実績を誇ります。教員養成の優れた力を中高に注いで、教育内容をより良くしていこうという狙いがあるのです。

「教科の本質を、教科書の範囲外で学べるのが『大学特別授業』の特色です。毎回、工夫のある新鮮な授業なので、生徒たちはとても楽しみにしています」

 と、富谷利光校長先生は話します。なぜ関心や興味を広げる『大学特別授業』が必要なのでしょうか。それは2020年度から実施される新学習指導要領で強調されている各教科の “見方・考え方”と関連があります。 “見方・考え方”とは、その教科に特有の、ものごとを捉える枠組み、視点や考え方のことで、思考力や判断力を育むために重要な役割を果たすといわれています。

 例えば数学なら、事象を数量や図形から論理的に考えることで、そこには学問の本質が表れるとされています。大学の教員が中学生向けに授業をすると、その学問の本質が自ずと表れます。このように、各教科の “見方・考え方”が鍛えられるのが『大学特別授業』の特徴なのです。教科の本質を楽しく体験することは、自ずと主体的な深い学びへとつながります。

「AI時代には、知識を身につける学びだけでは役に立ちません。未知の状況に直面したときに課題解決できる力を身につけるのがこれからの学校です。知識を活用して課題を解決する資質・能力を高めるには、 “見方・考え方”を働かせて物事を深く捉える経験をしておくことが重要です」

PGTプログラムで教育改革

 次の時代を先取りする『特別授業』は、同校独自の『PGTプログラム』に組み込まれています。2014年から、校内に教育改革の準備委員会が発足し、生徒たちが「知識基盤社会」(※)を生きていくために必要な力を議論し、グランドデザインを組み立てました。「実践力(Pスキル)」「国際力(Gスキル)」「伝統力(Tスキル)」の3つのスキルを育めるよう、全教科で授業改善を進めているところです。

 本年度から高校も大学附属校となり、高大連携の特別授業が始まっています。大学との連携授業によって、より深く学ぶきっかけをつくり、日々の学びへとつなげていく取り組みは、今後もより学びの質を高めていくことでしょう。

※知識基盤社会…平成17年の中央教育審議会答申「我が国の高等教育の将来像」で示された言葉で、21世紀は、新しい知識・情報・技術が政治・経済・文化をはじめ社会のあらゆる領域での活動の基盤として飛躍的に重要性を増す、「知識基盤社会」だと述べられています。

鉛筆が暗号を解く鍵になる?
暗号を解読してみよう

 中1のクラスでは、暗号を解読する授業を行いました。まず、ひらがなが書かれた細長い紙と鉛筆が配られました。鉛筆に紙を巻きつけてみると解読できます。これは古代ギリシャで使われた「スキュタレー暗号」というもの。このとき鉛筆は「鍵」になります。

 続いて、ひらがな五十音を数字に変換し、百人一首のどの和歌かを当てる「ポリュビオスの暗号」を使った問題や、数や文字を1つずつずらして暗号化する「シーザー暗号」の仕組みを学習。

 そのあとには、グループごとに自分たち独自の暗号を編み出します。先生の名前を、2つの方法を使って暗号化したチームもあり、みんなは「なるほどね!」とそのアイデアに感心していました。

 指導にあたったのは秀明大学学校教師学部専任講師の小田切真輔先生。代数の研究で博士号を取得した数学の専門家です。

「生徒にはいろいろと試す経験をして自由に発想できる数学の世界の広さを感じてほしい」

 との思いから暗号をテーマにしたそうです。コンピュータを活用するときのパスワードも、鍵を使って解くという意味で原理は同じです。今の暮らしにつながる暗号を、歴史を追いながら楽しく学びました。

さまざまな暗号の方法を試して、グループで話し合いながら謎解きをしていきます。①さまざまな暗号の方法を試して、グループで話し合いながら謎解きをしていきます。
オリジナルの暗号づくり。各グループで考えたものを発表します。みんなで解けるかな?②オリジナルの暗号づくり。各グループで考えたものを発表します。みんなで解けるかな?
方程式の問題をパズルで解く!?
不思議なパズルゲーム

 中3のクラスは、秀明大学学校教師学部専任講師の岡野浩行先生と、数字パズルゲームに取り組みました。3列×3行の9個のマス目には、いくつかの数が書き込んであります。「どの列も下2つを掛けると上段の数になり」「上段の2列を足すと右側の数となる」のルールに則って空欄のマス目に数字を入れていきます。

 実はこれは「てんびん算」の考え方をパズルにしたもの。食塩水の濃度を求める問題を、このパズルに当てはめて解いていくと、式を作らなくても、すぐに解くことができました。

 パズルという“視覚”を使って解くこのゲームは岡野先生のオリジナル。公務員試験対策に考え出したものだそうです。

「視覚から論理を感じる力や、問題を解くのに使えるものは何でも使うという姿勢を持ってほしいと考えています。いろいろな角度から物事をとらえるヒントになれば」

 と岡野先生。「難しい」というイメージを持たれがちな方程式がゲーム感覚で解けることに、生徒たちは驚いていました。

ゲームのルールを聞きながらパズルを解いていきます。①ゲームのルールを聞きながらパズルを解いていきます。
グループワークで教え合い、助け合いながら問題を解いていきます。食塩水の塩分濃度を割り出す問題を、パズルゲームに当てはめて解くと、数式を使わなくても濃度を求めることができました。②グループワークで教え合い、助け合いながら問題を解いていきます。食塩水の塩分濃度を割り出す問題を、パズルゲームに当てはめて解くと、数式を使わなくても濃度を求めることができました。
岡野先生が、なぜパズルで解けるのかを解説。数学的な考え方を、身をもって体験する授業となりました。③岡野先生が、なぜパズルで解けるのかを解説。数学的な考え方を、身をもって体験する授業となりました。

ココが独自!
スキルコードで授業革新
スキルコードの学力モデルスキルコードの学力モデル

 同校が実践している『PGTプログラム』を、新学習指導要領からとらえ直したグランドイメージが下の図です。これをもとに新たに作成した「スキルコード」により、思考力・記述力を高める授業へと改革を進めています。各授業で高めるスキルを冒頭で示し、生徒たちは授業後に自己評価をします。定期考査にもスキルコードが付されており、どのスキルがどのくらい身についたかがわかる仕組みです。

(この記事は『私立中高進学通信2018年8月号』に掲載しました。)

秀明大学学校教師学部附属秀明八千代中学校  

〒276-0007 千葉県八千代市桑橋803
TEL:047-450-7001

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