LINEで送る

スクールポット中学受験版 - 首都圏学校情報検索サイト

ツイッター フェイスブック

私立中高進学通信

2018年8月号

私たち、僕たちが大好きな先生

横浜創英中学校

仮説を立てたり、疑問に思ったことを調べたり。
自分で学ぶための手法を習得できる授業がしたい

森久保怜美先生

理科 森久保怜美(もりくぼ れみ)先生

2005年横浜創英中学校入学。2011年横浜創英高等学校卒業。高校在学中のクラスは特進コース。青山学院大学理工学部物理・数理学科卒業。大学在学中は超新星残骸の研究に励む。2015年横浜創英中学・高等学校に教員として着任。現在は中1生を担任。

「先生、顕微鏡のピントが合わない」「先生、どれを写真に撮るの」。中1の理科の授業では、先生を呼ぶ生徒の声が男女問わず響きます。生徒たちからお姉さんのように慕われ、ご本人も同校の卒業生という森久保怜美先生に聞きました。

自ら学んだ場所で今度は自分が教えたい

―― 母校の教員をめざしたきっかけを教えてください。

高2の3学期からスタートする難関大学に合格するための「GMARCHプロジェクト」では、物理の講座を担当します。
高2の3学期からスタートする難関大学に合格するための「GMARCHプロジェクト」では、物理の講座を担当します。

 私自身、本校の卒業生で、この学校で学ぶことで、勉強が楽しいと思えるようになりました。学ぶことは楽しいんだということを多くの生徒に伝えたいと思ったのが、教員を志したいちばんの理由です。

 大学の教職課程で、周りが公立学校の教員試験を考え始めた時に、私はなぜかそういう気持ちになれなくて……。それはどうしてだろうと自分と向き合った時に、母校で働きたいという思いが強いことに気付きました。自分がお世話になった場所で、今度は生徒を教える側に立ちたいと思ったのです。

―― 理科の教員をめざしたのはなぜですか?

 中学生の時から教員になりたいという夢は持っていたのですが、当時は、問題が解けた時の喜びがいちばん大きい、数学の教員がいいなと思っていました。大学で理工学部に進み、専門的に学んでいく中で、一つの現象から浮かび上がる疑問に対し、『なぜ?』の全容を解明できる理科のおもしろさを知りました。それから、数学よりも理科を教えたいという思いが強くなっていきました。

―― 授業で大切にしていることは何ですか?

 一つは、“身近な題材で観察や実験をすること”です。中1理科の最初の単元は、植物の観察です。自分たちで学校の近くの草を摘んできて、種類ごとに分類することから始めました。今回の授業で使ったツユクサは、わたしの実家で摘んだものと、ほかの先生のお宅に生えていたのを持ってきていただいたものです。

 二つめは、“発見する喜びを実感させること”です。今回の授業のテーマは、顕微鏡でツユクサを観察して、唇の形を探すことでした。唇の正体は気孔(葉の表皮にあり、空気や水蒸気の通路となる小さな穴)なのですが、それが何であるか、生徒たちに先に教えることはしません。

 これはいったい何だろうと疑問を持たせて、その先の授業を展開できるようにしています。そのために、生徒からポロッとこぼれる『これは何?』『何で?』という声を聞き逃さないようにしています。答えを私が教えてしまうのではなく、自分たちで考えさせるようにしています。疑問に思ったことを自分で調べたり、仮説を立てたりしながら、自分で学ぶための手法を学習できる、そんな授業であればいいと思っています。理科の授業で“学び方”を学び、それをほかの場面でも応用してくれたらいいですね。

物事を違う視点から見ることも大事

――「考えて行動できる人」という、建学の精神にもつながりますね。

 生徒たちは、教科書で学ぶことはすべて正しいと思って学習しています。でも、ときには、「本当にそうなのかな?」と違う視点から見ることも大事だと思うのです。そのために実験をして、その結果から考察することの重要さを伝えたい。結果と考察を混同してしまう生徒は多いのですが、結果からどのようなことが言えるのかという探究の流れは大切にしていきたいです。

―― 授業でもう一人、先生がいらっしゃいましたね。

 授業が入っていない先生が、チームティーチングという形で来てくださることがあります。観察の授業は生徒が落ち着かないことが多いのですが、ほかの先生に見守っていただくことで授業をスムーズに進めることができました。

―― 中学1年生の担任をされているそうですね。

 昨年まで高校1年生の担任を務めていましたが、今年、初めて中学1年生の担任になりました。中学1年生は、まだ人格や自我が確立していない時期ですが、入学してからの数カ月で、やろうと思ったことは一生懸命がんばってやっていたり、やりたくないことが出てきたりと、少しずつ個性が出てきたのかなと思っています。

―― やりたくないことを、がんばらせるためには?

 朝テストで点数が取れない生徒には、とにかく楽しく学べるように心がけています。例えば放課後に漢字の読みを提示して、その漢字を書くことをゲーム感覚で学べるようにしたり。月曜(国語)・水曜(英語)・金曜(数学)に朝テストがあり、火曜、木曜で再テストを行うので、そこで満点シールを貼るチャンスを増やしています。生徒は、やらされていると感じているかもしれませんが、まずは、点数を取れた時の喜びを感じてくれればいいと思っています。

時間・空間・仲間の三間を大切にするクラスに

―― クラス運営の目標は?

 入学式直後に『三間(サンマ)を守る』という学級目標を立てました。『三間』とは、時間・空間・仲間のことです。現在の子どもたちの環境は、習い事が忙しくて遊ぶ時間がない・遊ぶための空間がない・携帯電話などに時間をとられ、仲間がいないということを新聞記事で読みました。だったら、その3つを大切にするような学校現場にできたらいいという思いで学級目標にしました。空間作りのために整理整頓をしたり、困っている友達がいたら声かけをしたりと、生徒は具体的に行動してくれています。

―― 生徒にとって、どのような先生でありたいですか?

『先生が言っていたから、こうしてみようかな』と思ってもらえるような、誰かの原動力になれるような人でありたいと思います。学生時代を本校で過ごし、生徒がどういう体験をするのかを自ら経験しているので、自信をもって授業・行事・課外活動の大切さを生徒に伝えることができると自負しています。

ツユクサの葉の気孔をiPadで撮影して、次の授業でスケッチします。「気孔ではない写真を撮っている生徒もいたので、そんな時は『じゃあこれは何だろうね』という話につなげられればいいですね」(森久保先生)ツユクサの葉の気孔をiPadで撮影して、次の授業でスケッチします。「気孔ではない写真を撮っている生徒もいたので、そんな時は『じゃあこれは何だろうね』という話につなげられればいいですね」(森久保先生)
理科離れが叫ばれていますが、同校では、理科の知識を得ることをとても楽しんでいる生徒が多いそうです。理科離れが叫ばれていますが、同校では、理科の知識を得ることをとても楽しんでいる生徒が多いそうです。

(この記事は『私立中高進学通信2018年8月号』に掲載しました。)

横浜創英中学校  

〒221-0004 神奈川県横浜市神奈川区西大口28
TEL:045-421-3121

進学通信掲載情報

【私たち、僕たちが大好きな先生】仮説を立てたり、疑問に思ったことを調べたり。自分で学ぶための手法を習得できる授業がしたい
【中1の始め方】多彩な行事を通して自然と身につく創英生としての自覚と誇り
【アクティブラーニングで伸ばす新しい学力】主体的な学びが育む『考えて行動のできる人』
【学校生活ハイライト】協調性や表現力も育む生徒主体の一大イベント
【熱中! 部活動】【バトン部】表現力や団結力を培い人間性を豊かにする
【SCHOOL UPDATE】実践的国際教育で世界に羽ばたく人材を育てる
【カリキュラムを読み解く】少人数制で全員の能力を引き上げる
【校長が語る 思春期の伸ばし方】距離感を持ち、幅広い目で見ると 子どもたちの多様な面を評価できます
【目標にLock On!! 私の合格Story】一日一日を無駄にせず自分ができる最大のことを
【学校生活ハイライト】正しい国際感覚を身につけ、人格を形成 外国人留学生と歩く関西歴史研修
【校長が語る 思春期の伸ばし方】日々の授業で鍛錬し自分で考え行動できる人間へと導く教育
【Students' Chat Spot】語学研修などの行事や部活動そして学習サポートを通じた“考えて行動のできる人” の育成
【部活レポート】バトン部
【校長が語る 思春期の伸ばし方】日々の鍛練と段階的な体験で心と頭を磨く
進学通信2018年8月号
紹介する学校
共学校 共学校   女子校 女子校   男子校 男子校
この号のトップに戻る 進学通信一覧を見る
ページトップ