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私立中高進学通信

2018年8月号

実践報告 私学の授業

東京成徳大学中学校

ICT活用で広がる表現力思考力・創造力を育てる教育

iPadを道具として使いこなし、全教科の授業に導入
画面に直接書き込めるタッチペンも導入。生徒たちはiPadをメモ代わりに使ったり、配られたプリントを撮影して保存し、余白に講義内容を書き込んだりと、自由な使い方をしています。

画面に直接書き込めるタッチペンも導入。生徒たちはiPadをメモ代わりに使ったり、
配られたプリントを撮影して保存し、余白に講義内容を書き込んだりと、自由な使い方をしています。

1人1台のiPad導入で生徒の自由な学習をサポート

 昨年度から新入生に1人1台、iPadを導入し活用する同校。ICT教育を本格的にスタートさせたのは3年ほど前からです。まずは教員がiPadを使用し、授業での活用を始めました。教員が十分に活用できるようになった時点で、生徒への本格導入を実施。現在ではすべての授業でiPadの活用を進めています。先生方も1人1台iPadを所有し、工夫を凝らしながら教科に合った活用を、常に模索しているそうです。

「導入の一番のメリットは、生徒たちが自分に合った形で、表現ができるようになったことです」

 と中1の社会科を担当する福島祥雅先生は話します。1枚の紙にプレゼン内容をまとめるのが苦手だった生徒も、プレゼンテーションソフトや動画・画像を使うことが表現のヒントになり、自分なりの表現をするようになったそうです。

「生徒たちは、すぐにiPadに慣れ、使いこなします。生徒同士の教え合いや情報交換もあり、表現のレベルが一段も二段もアップしています」

 
ネット検索も自由に活用情報を見分ける力も身につける

 iPadを導入したことで、先生方の役割も大きく変わりました。

「まずは生徒に任せて、つまずいた時に専門家の立場でアドバイスをしたり、調べ方を教えたりするようにしています。最終的には教員の役割も、“教える”ではなく“後押しする”という形にしたいですね」

 また、紙のプリントを配るのではなく、iPadに配信することで、教える側の作業も効率化され、一つひとつの単元に対して、より深い学習が行えるようになったそうです。

 さらに、学校内のどこでもインターネットが利用できるので、生徒たちは授業中にわからないことがあれば気軽に検索し、場合によっては専門家に直接コンタクトをとることもできます。

「10代にふさわしくないサイトはシャットアウトしていますが、決まったサイトだけにしかアクセスできない仕様にはしていません。生徒たちには『間違ったことが書いてある場合もあるから、見極めようね』と呼びかけています。今、失敗をしておいて、大人になった時に使いこなせる人間になってほしいですね」

 教科の勉強を深めることはもちろん、インターネットやツールを「道具」として徹底的に使いこなすことで、情報の見分け方、活用の仕方を身につけ、自ら思考し、表現できる人材へと育てていく。これこそが同校のめざすICT教育なのです。

中1 社会科の授業
iPadを使って歴史上の人物になり、つぶやいてみよう!

Step 1 授業の意図とツールの使い方を最初にしっかりと説明

「歴史上の人物になったつもりでインスタグラムをやってみます」と先生が言うと、「え~、インスタ?」と生徒たち。興味津々の様子です。作業へ入る前に「簡潔に伝える、人を傷つけない」など、ネット上で表現をする時の注意点にも触れました。伝えるべきことを最初にしっかりと話した後は、生徒の自主性に任せます。

Step 2 「大化の改新」をテーマに当事者の「つぶやき」を創作

 テーマは前回の授業で習った“大化の改新”。「1列目は蘇我入鹿になったつもりで、関連の画像を探して貼り付けて、つぶやいてください。2列目は中臣鎌足、3列目は中大兄皇子……」と福島先生。

 それぞれの人物の背景や起こった出来事をしっかりと把握できていなければ「ひとこと」をつぶやくことはできません。一生懸命にiPadで調べたり、教科書を読んだりして取り組みます。

Step 3 わからない生徒には直接アドバイス

 この日、使用したのは「Pages」というアプリ。簡単なワープロ機能と画像を貼り付ける機能があります。先生はフォーマットとなるファイルを生徒全員に配信。生徒たちは“大化の改新”にちなんだ画像を貼り付け、歴史上の人物になりきってつぶやきます。

 ツールの使い方や情報の探し方がわからない生徒は、先生に積極的に聞きに行きます。なかには検索に時間がかかり、なかなか作業が進まない生徒も。そんな時は先生が検索の仕方をていねいに指導していきます。

Step 4 早く終わった生徒は「ミニ先生」に

 作業が早く終わった生徒は、まだ終わっていない友達のフォローをします。先生も「終わった人は、いつものように“ミニ先生”をしてね」と声をかけます。次回の授業では、作った画面を実際に投稿し、学校内のネットワーク上で共有します。

ココも注目!
自分なりの表現へと一歩踏み出すことが大事

「ホームルームの時間に『自分を深める学習』を実施し、『生と死について』などの重いテーマも扱います。道徳的な授業の時に、自分の意見を言うことには抵抗があると思いますが、iPadを利用して投稿の形で匿名の意見を募ると、生徒たちは発言するようになります。

 “匿名だからふざけた投稿が増えるのでは?”という危惧もあると思いますが、そこは前段階で『こういう場面でふざけたり、人を傷つけたりする発言はよくない』としっかり教えています。匿名の意見を紹介すると、それをもとに自発的に話し合いを始めるなど、次第に積極的になっていきます。自分のこととして考え、発言する、表現することが当たり前となるように指導していきたいですね」
(社会科/福島祥雅先生)

(この記事は『私立中高進学通信2018年8月号』に掲載しました。)

東京成徳大学中学校  

〒114-8526 東京都北区豊島8-26-9
TEL:03-3911-7109

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