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私立中高進学通信

2018年7月号

生徒の未来対応型学校へバージョンアップ

聖徳学園中学校

教科の融合がポイント!
STEAM教育で育てる新しい価値を創造する力

iPadは中高6年間のSTEAM教育をサポートする“相棒”。映画制作もiPadで撮影し、映像編集を行います。

iPadは中高6年間のSTEAM教育をサポートする“相棒”。映画制作もiPadで撮影し、映像編集を行います。

教科の融合をめざす独自のSTEAM教育とは

 世界的視野でものごとを捉え、思考する力を育む「21世紀型教育」を掲げ、生徒全員がiPadを所持するなど、ICT機器を活用した主体的な学びに力を入れてきた同校。さらに次のステージとして、「STEAM教育」の実践を重視しています。

 先進的な理数系教育として注目の「STEM教育」(※1)では、一般的にプログラミングや理系科目を学びます。同校では、さらに芸術領域にも力を入れる、「STEM教育」の発展型「STEAM教育」(※2)を展開。この取り組みには、教科の枠を越えてさまざまな分野の知識を融合させ、課題を発見し解決することで新しい価値を創造する力をつけるという、同校ならではの目的が込められています。

「STEAM教育」の代表的な取り組みとして挙げられるのが、中1の映画制作です。5~6人ずつのチームを組み、企画、シナリオ制作から撮影まで、すべて生徒たちの力で作ります。昨年からは芸術的要素、さらに今年は国語的要素も作品に反映することを重視する内容となりました。

※1 STEM教育…STEM教育:Science:科学、Technology:技術、Engineering:工学、Mathematics:数学の頭文字をとった、理数系教育の総称。

※2 STEAM教育…STEMの4つの理数系科目と、A=Arts(芸術)分野の科目を重視する教育方法。

美術×国語×ICTで取り組む映画制作

 映画制作は、美術、国語、総合そしてICTの授業など、いくつかの教科を横断して行われます。美術の授業では、画面を彩るカラーリング、バックミュージックや効果音など、人間の感性に訴える演出について学びます。普段、何気なく見ている風景でも、光と影によって受ける印象が違うことを学び、照明の当て方などに活かすのです。

「これからは人工知能(AI)やコンピュータでは担えない、人間の感覚に寄り添うアートの要素が重要になってきます」

 と情報システムセンター長の横濱友一先生は話します。

 国語の授業では、シナリオ作りを意識して、文章に込められた作者の思いや背景まで読み解く力を養っています。

「自分の伝えたいことが相手にどう受け止められるのか、他者の気持ちを推し量り、正確な言葉で表現する力も必要です」

 と横濱先生。映画制作を通して国語力の強化にもつなげ、美術・国語・ICTをかけ合わせた新しい学びとして展開させたいと強調します。このような教科の融合は、建学の精神である、聖徳太子が提唱した「和を以て貴しとなす」に由来する『和』の精神にも通じると言います。

 制作した映画は校内の映画祭で上映。最優秀作品が選定されます。昨年度は理科で学んだ食物連鎖を、コマ撮りで見事に表現した作品が選ばれました。

「生徒たちが自由に制作するなかで、ほかの授業の学習内容を表現した作品が生まれたことに、驚きと大きな喜びを感じました。これからどのような作品が出てくるのか、予想もつかないのでワクワクしています。正解のないこの取り組みを、生徒たちは大いに楽しんでいます。そこに、創造する力を育む、STEAM教育の果てしない可能性を感じます」

 生徒に考えさせる、能動的な授業を早くから展開してきた同校。現在では授業のほとんどが、アクティブラーニング型で行われています。さらに次のステージとして展開される「STEAM教育」によって教科の枠に捉われない学びを身につけた生徒たちが、将来、社会でどのようなイノベーションを生み出していくのか、期待が高まります。

ここがポイント
アクティブラーニング×STEAM教育
まずはチームワークのあり方を体験から学ぶ
5月に実施されたスプリングキャンプで撮影した動画を、iPadで編集する中1生。2学期からの映画制作に向けた準備の一環です。5月に実施されたスプリングキャンプで撮影した動画を、iPadで編集する中1生。2学期からの映画制作に向けた準備の一環です。

 中1では週に1時間ずつ、ICTの授業が設けられています。1学期では2学期から始まる映画制作に向けて、撮影や映像編集などICT機器の基本的な活用方法を学ぶとともに、アクティブラーニング形式の授業を通し、チームで協働して取り組む基盤を作ります。

 卵を落としても割れない仕組みを、紙や糸で作る「エッグドロップ」の授業では、チームワークと思考力を磨きます。自分のチームはもちろん、クラス全体でより良い結果がもたらされるように、全員で創意工夫をして難問に取り組まなければいけません。

 授業では、あえて使用できる道具の数を限定、何らかの負荷がかかった環境を設け、譲り合ったり、工夫したりしなければ作業ができないようにしています。生徒は、他者のことも気遣いながら結果を出していくことを学ぶのです。

「生徒は、さまざまな価値観を持って入学してきます。そのため、まず中1の1学期では、自分とは違う他者を受け入れることを学びます。そのうえで他者と協働して新しい価値観を作っていくことを体験から学んでもらうのが狙いです」(横濱先生)

ここがポイント
なぜ今STEAM教育なのか
予想もつかない未来で生徒たちが夢を持てるように

「例えば今の中1生が大学生になる頃には『無人レジ』が普及し、コンビニの風景は一変しているかもしれません。そのような変化の中で、彼らはどのようなアルバイトができるのでしょうか。当然、その時代で必要とされるスキルが身についていなければ、アルバイトを探すことも難しいでしょう。
 諸外国に比べて、日本の若者は圧倒的に経験量が少なく、最新のテクノロジーに触れる機会も限られています。そのまま社会に出ても、できることが限られているのは当然です。夢を追い求め、かなえられる未来を自分の力でつかみ取ってほしい。本校がSTEAM教育をはじめ、ICTを活用した学びに力を入れているのはそのためなのです」(情報システムセンター長/横濱友一先生)

ここがポイント
教科の融合を実現する環境
STEAM教育を実践するための新校舎
1階は光が差し込む全面ガラス張り。この心地良い空間で、ICT機器を活用したアクティブラーニングが日々、実践されています。1階は光が差し込む全面ガラス張り。この心地良い空間で、ICT機器を活用したアクティブラーニングが日々、実践されています。

 2017年4月、地上3階、地下1階建ての13号館が新たに完成しました。1階はGlobal&ICTをコンセプトにした『アクティブラーニングフロア』です。自由に教室のレイアウトを変えることができ、最大で4クラスが同時に授業できる造りになっています。中1と高1の授業が同時に行われることもあり、互いに刺激し合える環境となっています。

「ディスカッションをするときなど、自ずと気持ちがオープンになり、活発な意見交換ができています。通常の教室で実施する以上の成果が期待できます」(横濱先生)

 また2階、3階にある音楽室や美術・技術室、物理室は教科に限定せず、さまざまな授業で使われます。映画の撮影のための専用スタジオも完備していますが、撮影内容によっては物理の教室を使うこともあるそうです。このような教科の枠を越えた教室の利用方法が、STEAM教育をさらに活性化しています。

(この記事は『私立中高進学通信2018年7月号』に掲載しました。)

聖徳学園中学校  

〒180-8601 東京都武蔵野市境南町2-11-8
TEL:0422-31-5121

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