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私立中高進学通信

2018年7月号

The Voice 校長インタビュー

品川女子学院中等部

女性ならではのライフデザインを推進しさらなる確実な学力向上を図る

仙田 直人 校長先生

仙田 直人(せんだ・なおと)校長先生
都立高校に36年間在籍。都立三鷹中等教育学校長として一期生を輩出。専門は日本史で、山川出版社の『日本史用語集』などの学習参考書や教科書などを執筆。前全国歴史教育研究協議会会長であり、新学習指導要領の中央教育審議会教育課程部会社会・地歴・公民ワーキンググループ委員。2017年に品川女子学院高等部の校長に着任、2018年に同中等部・高等部校長に就任。

独自の『28プロジェクト』が女性としての生き方を育む
公教育で培った学力向上への実効性の高い取り組みを基盤に『品女メソッド』を確立していく仙田校長。公教育で培った学力向上への実効性の高い取り組みを基盤に『品女メソッド』を確立していく仙田校長。

 本校に赴任するまでの約36年間、都立高校の教壇に立ち指導を行ってきました。本校に着任する以前は、都立三鷹中等教育学校で体制変革から5年間、校長として中高一貫教育の在り方について多くのことを学ばせてもらいました。

 中高一貫教育の最大のメリットは、6カ年を通じて体系的な学びができることです。それは2020年度からの大学入試新体制に向けた、より積極的な対応ができることを意味します。とくに本校には、女性が社会を生き抜いていくための力を、きめ細かに育てるノウハウがあると実感しています。

 働く女性が社会全体を動かす大切な原動力であることは言うまでもありませんが、男女平等とは言いがたい現実社会に直面し、壁を感じる女性が多いことも事実です。子育てをしながら働く女性が増えていく社会で、女子の進路選択は実に難しい問題です。

 しかし、本校の教育の柱が『28プロジェクト』であると知り、女子教育の明確な答えがここにあると実感しました。『28プロジェクト』は仕事で経験を重ね、一方で結婚や出産が身近になってくる28歳という年齢を人生のターニングポイントとして捉え、28歳前後になったときの理想の未来像を生徒に考えさせ、必要な知識、学力、能力を身につけさせる教育活動です。このプロジェクトによって、生徒たちは目標が立てやすくなり、大学進学や資格取得などへのモチベーションも確実に高まります。

 企業とのコラボレーション企画や起業体験プログラムなども実施して、さまざまな体験を通して自己実現の可能性を広げる取り組みも行うことで、生徒の進路選択に確実な成果を挙げています。これこそが女子教育に特化した本校の真価だと感じています。

教員の指導力アップを図る『品女メソッド』の導入
品川女子学院が大切にしていること
  1. 女子校としてのライフデザイン教育
  2. 数字では測れない能力や特性を伸ばす
  3. 学習、行事、部活動をバランス良く

 私が校長としてできることは、本校が積み重ねてきた、非常に完成度の高い『28プロジェクト』に、教科学習面をより強化し、教員と生徒のモチベーションをアップする取り組みをスパイスとして入れることだと考えます。

 例えば昨年度から、学内試験の成績や模試の偏差値など、生徒それぞれの学習到達度を、指導する教員すべてが共有する体制を強化し、チームとして成績分析を行うことで、指導力を高める『品女メソッド』を導入しました。分析によって生徒に適切な指導を行う環境がさらに充実し、補習や講習の内容もブラッシュアップされ、大きな成果を挙げています。1人1台のタブレットを所有するICT環境が大きな助けとなり、動画授業の活用なども行っています。

 今後さらに注力していきたいのが、若手教員の育成です。本年度も社会人経験者や大学院卒を中心に新教員を10名採用し、ベテラン教員と若手教員がお互いに学び合うなど、意識に良い変化が現れています。

 同時に、これまでは教員同士が授業を見学し合って指導方法を研究してきましたが、現在は授業アンケートの分析を外部に委託して、より客観的に指導方法の可否を判断できるようにしました。それによって学年、クラスごとの学習傾向や成績向上へのヒントが得られ、学習効果も高まっています。今年からは、高3生を対象に自習室の開放時間を夜8時まで延長しました。自主学習のモチベーションが上がり、生徒にも保護者にも非常に好評を得ています。

 さらにSGH(スーパー・グローバル・ハイスクール)の指定を受けている本校では、今後も英語教育に主眼を置いた新たな取り組みも積極的に行っていきたいと考えています。英検取得をめざしたネイティブ教員による集中研修、海外の現役大学生を招いての英語研修なども準備し、これまでの蓄積をさらに推し進め、確固たる基盤作りへと導いていきたいと思います。

面談を繰り返して生徒の良さを伸ばす進路指導

 本校は中高ともに、年間5回の生徒面談と2回の保護者面談で生徒たちの学習や生活面、進路に対する悩みに真摯に向き合っていますが、進路指導に関しても、これまで以上にていねいな指導を心掛けていきます。教員間で進路指導のケース会議を年3回行って志望先を共有し、学校全体が一丸となって進路実現に向き合う環境を構築しています。

 私も生徒との面談や日本史の特別講習などを通じ、生徒たちに共通する明るさ、元気さ、気さくさといった素晴らしい資質をさらに実感しているところです。社会に出たときに必要とされるコミュニケーション力や協働する心を育て、現実的でアクティブな、行動力に満ちた生徒の良さをさらに伸ばし、これからも学習力の向上を図っていきたいと思います。

[沿革]
 1925年(大正14年)に設立した荏原女子技芸伝習所を前身とし、1929年(昭和4年)に品川高等女学校を開校。1947年(昭和22年)、学制改革により品川中学校を設置。1991年(平成3年)には校名を品川女子学院に変更し、中高一貫教育を開始。2003年(平成15年)、カリキュラムの整備を行い、女子ライフデザイン教育『28プロジェクト』をスタート。現在新校舎を建築中。写真は仙田校長による日本史特別講座での1コマ。

(この記事は『私立中高進学通信2018年7月号』に掲載しました。)

品川女子学院中等部  

〒140-8707 東京都品川区北品川3-3-12
TEL:03-3474-4048

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