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私立中高進学通信

2018年6月号

私学の英語最前線

田園調布学園中等部

高い英語力を維持する少人数制『取り出し授業』

帰国生はもちろん、小学生から本格的に英語に触れる生徒は少なくありません。
同校の『取り出し授業』は個々の力に応じた学びで、
高度な英語力をより高く引き上げます。
少数精鋭だからできるハイレベルな授業

 同校の中等部では高い英語力を持つ生徒を対象に『取り出し授業』を実施しています。中1生は、英検2級程度以上の語学力がある生徒(帰国生・一般生を問わず)の中で希望者を対象に、週1コマの英会話の授業をネイティブ教員による少人数クラスで行っています。さらに、英検準1級以上を取得した中2・中3生は、『取り出し授業』が週3コマになります。また、高等部に進級してからも、高1・高2で継続して『取り出し授業』を実施しています。

 昨年度の『取り出し授業』は、1クラス1~4名。授業では、小説や論文を読んでのディスカッション、プレゼンテーション、エッセイライティングTOEFL対策などを行いました。同じ帰国生でも語学レベルにばらつきがあるため、一人ひとりの英語力に応じて指導するのも同クラスの特徴です。例えば昨年度の高1生には、3名の生徒それぞれに異なる課題を与えたそうです。文章を書くことが得意で「田辺聖子文学館ジュニア文学賞」の受賞経験もある生徒は、1カ月で4000語以上の小説を書き上げるなど目覚ましい成果を見せました。エッセイライティングでは、比喩表現を用いた詩的な作品を仕上げた生徒もいて、先生を驚かせました。

 同校では英語以外の教科でもタブレット端末を用いた研究発表、スピーチコンテストを開催するなど、プレゼンテーション能力の育成にも力を入れています。ほかの教科で得た学びを『取り出し授業』にも結びつけ、昨年度は高1生3名が同学年の生徒たちの前で英語によるプレゼンテーションを披露しました。

 先生が「言語について研究発表したらどうか」とアドバイスすると、3名はアイヌ語、カナダの先住民族が話すクリー語をテーマに選び、課外時間を使って調査・研究に取り組みました。プレゼンテーションにも工夫が凝らされ、1人がインタビュアーになり、1人がクリー族、1人がアイヌ民族を演じるというユニークな形式を採用。映像やスライドを交えた即興インタビューのようなプレゼンテーションはほかの生徒たちからも大好評で、拍手喝采を浴びました。

模擬国連に出場し積極性も向上

『取り出し授業』の成果は、英検の取得、各種検定のスコアアップのほかにもさまざまな面で表れています。イギリス人の父親を持つある生徒は、家で英語を使う環境にあるため、会話力はある程度ありましたが、『取り出し授業』に参加してからは、ライティングにも力を入れるようになり、スペルミスの減少、英文作成能力の向上につながりました。本人も「英作文が楽しくなった」とより積極的に英語に向き合っています。

 また、昨年度の『取り出し授業』に参加した高1生のうち2名が「全日本高校模擬国連大会」に出場し、「ジェンダー平等」について活発な議論を繰り広げました。その後、彼女たちが中心となり『模擬国連同好会』を立ち上げ、今年度から活動を開始しています。自分たちの経験をほかの生徒に広め、英語による交渉力を磨くためです。『取り出し授業』での学びを活かして外部の大会に参加したことで、積極性、学習意欲もますます高まったといえるでしょう。

 さらに、ジャパンメトロポリタン模擬国連大会には、中2から高2までの『取り出し授業』参加の生徒全員が挑戦しました。2人1組で堂々とスピーチや意見交換を行い、語学力はもちろん交渉力、協調性もアピールし、大きな手応えを感じたようです。

今年度から対象を広げ『取り出し授業』参加者が増加

 英語教育に力を入れる同校では、昨年度から高1・高2生を対象とするターム留学も開始。9名が約3カ月間ニュージーランドに留学し、高い英語力を身につけてきました。そして、2018年度からは英検準1級取得者、TOEFL juniorのスコアが800点以上など基準を満たした生徒なら、希望すれば高1・高2からでも『取り出し授業』に参加できるようになりました。そのため今年度の高2生は、計14名が『取り出し授業』を受けています。参加対象を広げたことで人数が増えたため、即興のディベートや英語劇にもチャレンジするなど、授業内容にも広がりが生まれました。もちろん新たな生徒が加わってもレベルを下げることなく、高い水準をキープしたまま授業を行っています。

 帰国生はこれまでに培ってきた英語力を維持でき、一方で努力して語学力を磨いた一般生の学習意欲にも応えてくれる『取り出し授業』。参加生徒たちが高度な英語力を駆使し、グローバルに活躍できる人材になることは間違いないでしょう。

2018年度『取り出し授業』の対象者と授業例、到達目標
中1 中2・中3 高1 高2


帰国子女入試入学者(英語選択)
または英検2級程度の語学力
〈Advanced〉英検準1級以上
〈Intermediate〉帰国子女入試入学者(英語選択)
または英検2級程度の語学力
英検準1級以上 英検準1級またはTOEFL
junior800以上を取得し、
他教科の成績も基準を満たしている生徒


・スピーチ
・Creative
・物語のReadingと
その感想文のWriting
・エッセイライティング
・TOEFL問題
・時事問題のReadingとそれに基づく
ディスカッション、プレゼンテーションなど
・検定教科書の内容をもとにしたディスカッション
・エッセイライティング
・TOEFL問題
・世界情勢についてのReadingとそれに基づく
ディスカッション、プレゼンテーションなど



英検準1級 〈Advanced〉英検1級
〈Intermediate〉英検準1級
英検1級
TOEFL junior800
TOEFL iBT72
英検1級
TOEFL junior850
TOEFL iBT95

※帰国子女入試入学者は英語選択で受験した生徒のみです。 ※中2・中3はAdvanced(上級)とIntermediate(中級)の2つに分かれます。

POINT
高2『取り出し授業』について

 今年の高2の取り出し授業のテーマはcompassion(思いやり)とintegrity(誠実さ)です。授業内の活動はすべてこのテーマに基づいて構成されています。

 生徒たちはグラフィックノベルや短編小説、アメリカの古典小説などを読み、ディスカッションを行っています。本に関連した英文のニュース記事を交代で持ち寄り、議論に加えることもあります。またテーマに基づいた即興ディベートも行います。

 夏休み前に全員が英語で短編小説を書くことに挑戦し、さらに秋にはNational Novel Writing Month Young Writers Programに参加し、1カ月かけて英語で長編小説を書きます。


『取り出し授業』参加生徒のコメント(1週間参加してみての感想)

「その場で考えながら英語を発信する力が必要とされる授業です。意見文を書いたり、本についてのディスカッション、プレゼンテーションをしたりする過程でさまざまな課題が出されますが、先生やクラスの仲間とコミュニケーションを積極的に取りつつ、楽しみながら取り組んでいます。どれもやりがいがあり、とても面白いので、今年1年間が楽しみです」 (高2/N・S)

担任の先生より
難しいことにあえて挑戦し英語力をさらに引き上げる
右・英語科教員/平福かおり先生 左・『取り出し授業』担当教員/ジェイソン・メイ先生右・英語科教員/平福かおり先生
左・『取り出し授業』担当教員/ジェイソン・メイ先生

「The goal of the program is to instruct the students in as close a manner as the instruction they would receive if they were still living in a foreign country. Our syllabi focus on an overarching theme like honesty or compassion and connects various activities to the theme. Each week students read and discuss age appropriate novels, participate in parliamentary-style debate and make mini-presentations on news articles related to the themes. By the end of the program, students will be prepared to take high-level tests such as TOEFL and IELTS. 」(ジェイソン先生)

「中2・中3生は最大で週3コマの『取り出し授業』を受けますが、英文法の授業はみんなと同じクラスです。彼女たちがクラスをリードすることで、ほかの生徒にも好影響を及ぼしています」(平福先生)

(この記事は『私立中高進学通信2018年6月号』に掲載しました。)

田園調布学園中等部  

〒158-8512 東京都世田谷区東玉川2-21-8
TEL:03-3727-6121

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