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私立中高進学通信

2018年6月号

The Voice 校長インタビュー

駒込中学校

世に必要とされる人々を時代に先駆けて育てる駒込の改革

河合 孝允 (かわい・たかよし)

河合 孝允 (かわい・たかよし)校長先生
明治大学大学院修士課程修了。大学時代は「天然有機化学」を専攻。
1972年、駒込中学・高等学校に理科教諭として赴任し、2001年には教頭に就任。2006年より現職となる。
偏差値偏重主義から脱却し、真に時代の先を見据えた人間育成を実現する「駒込ミレニアム改革」を推進する。

高偏差値の受験生人気で高校のクラスを増設
時代に先駆けた新たな取り組みを、精力的に採用する河合校長先生。校内には、河合校長が丹精込めて育てた花壇や菜園もあります。時代に先駆けた新たな取り組みを、精力的に採用する河合校長先生。校内には、河合校長が丹精込めて育てた花壇や菜園もあります。

 本校は約10年にわたって「駒込ミレニアム改革」と題し、21世紀のグローバル社会、AI時代に向けた改革を行ってきました。21世紀型スキルの習得はもちろん、高校には大学の国際関係学部への進学や海外の大学進学を目標とする「国際教養コース」とSTEM教育(※1)を導入した「理系先進コース」の新しい2コースを設置。オールイングリッシュによるイマージョン授業の実施、全生徒にタブレット端末を導入したICT授業の展開など、改革内容は多種多様です。

 その成果は、平成29年度の高校入試で募集コースを一部変更し、超難関の「理系先進コース」「国際教養コース」「スーパーアドバンスコース」に絞って実施したにもかかわらず、高偏差値の受験生が学則定員を大幅に上回り、クラスを増設したという結果にも如実に表れています。

 中学入試にも優秀なお子さんが集まり、英検2級、準2級を取得した受験生が4人合格しました。受験生自身が「駒込に行きたい」と進んで志望し、私が入試説明会で本校の教育理念をお話しするたびに、「子どもの将来のため、ぜひ駒込に通わせます」と強い意志を示すご家庭が非常に増えています。

 本校の改革は、教育特区校(※2)として正式に認可された中高一貫校だからこそできる改革です。中学の「国際先進コース」で英語力のある生徒を「スーパーイングリッシュコース」として、学年の枠を越えた特別指導を行えるのも、教育特区校だからこそです。

※1 STEM教育……Science、Technology、Engineering、Mathematicsの頭文字をとったもので、数学をベースに科学・技術・工学の4分野を横断した教育を指します。
※2 教育特区校……学習指導要領によらない多様なカリキュラム編成など特例措置が設けられています。

自分の努力の結果が偏差値として表れる

 学校改革は、時代の要請に応じて行わなければ、立ち遅れてしまいます。グローバル化が当たり前の世の中で、これからは「聞く」「話す」「読む」「書く」の英語4技能の指導を徹底するだけでは足りないのではないかと思います。もう一つ重要なのは、社会のAI化です。人工知能があらゆる産業分野に投入され、どんどん無人化する。 “テクノ失業時代”を迎えようとしています。

 しかし多くの学校は、これに警鐘を発しているとは思えません。アメリカでは8年前より、小学校からSTEM教育をスタートさせ、早くから情報工学などを学ばせて、将来に備えた総合教育を行っています。

 ところが日本の教育は、実学・実業を非常に軽視し、偏差値と受験スキルのみを高める、緻密化し制度化された受験体制を推し進めてきました。しかしそれでは、子どもたちは主体性のある人間に育たず、自己肯定感を持てません。しかも、このグローバルな時代に、日本の偏差値は世界に通用しません。東大の医学部を出ても、国際資格を持っていなければ海外に出て行けない。弁護士でも同じです。

 本校が、「国際教養コース」を筆頭に、ほかのコースでもIB(国際バカロレア)(※3)的な要素を備えたカリキュラムを導入し、偏差値順のヒエラルキーに同意しない教育改革に乗り出したのには、そうした時代背景が色濃くあります。

 だからといって私たちは、偏差値を否定しません。本校の教育改革は、リアリストとしての改革。自分ががんばった結果として高い偏差値が得られれば、それを誇りにすればいいのです。問題は、その「結果偏差値」をどう使うか、どう役立てるかです。自らのライフデザインができる生徒を育てることが駒込の教育であり、多くの卒業生がその期待に応えてくれています。

※3 IB(国際バカロレア)……国際バカロレア機構(本部・ジュネーブ)が提供する、国際的な視野を持った人材を育成するための教育プログラム。

中学に「STEM入試」と「課題自己表現入試」を追加
駒込 学校改革のキーワード
  1. 常に時代を先読みし、変革への対応を発信
  2. 海外に出て行ける人材を育成するIB化
  3. 才能や能力をすくい上げる新中学入試

 本校の改革は来年度も続き、平成31年度入試にも新たな取り組みを始めます。中学入試は、「国際先進コース」と「本科AGS(アカデミック・グローバル・スタディ)コース」の2コース制になって2年目を迎えますが、来年度から新たに「STEM入試」と「課題自己表現入試」をスタートさせます。その目的は、高校で「国際教養コース」「理系先進コース」に進んだ際に、より専門領域の深化に向く、飛び抜けた才能をすくい上げることにあります。

「STEM入試」は、プログラミングを学んでいるお子さんを対象に、「算数基礎+プログラミング+アルゴリズム入試」で構成した問題を出題する予定です。「課題自己表現入試」は、社会への関心が強いお子さんを対象に、複数の社会学的テーマから一つを選び、作文やイラストで自分の意見を表現してもらうアクティブラーニング型の試験です。この二つに関しては、受験時に十分自信を持って臨んでいただけるように指導を行う体験会や説明会、個別相談会を設けていますので、ぜひご参加いただきたいです。

 駒込の生徒は、誰もが「一隅を照らす」人であり、その場にいなくてはならない人。生徒たちの輝かしい未来のために、10年後に役立つスキルを養う、時代に即した改革を、常に続けていきたいと思います。

沿革

[沿革]
天和2年、上野不忍池の畔に設立された「勧学講院」を濫觴(らんしょう)として、以降、天台宗の教育機関として発展を続ける。大正14年に文部省の認可を受け、宗門外からの生徒も加えて普通課程教育を行う「駒込中学」を大正15年に開校。戦災による校舎焼失などの変局を乗り越え、昭和27年、女子部を開設。昭和41年には男女共学制を開始し、現代社会への適応を図る。平成27年には創立90周年を記念した1000人規模の「天台声明(しょうみょう)公演」が行われた。

(この記事は『私立中高進学通信2018年6月号』に掲載しました。)

駒込中学校  

〒113-0022 東京都文京区千駄木5-6-25
TEL:03-3828-4141

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