私立中高進学通信
2018年4・5月合併号
目標にLock On!! 私の成長Story
専修大学松戸中学校
長期留学しても、難関大に現役合格
困難なときは、先生がサポートしてくれた

国際基督教大学 教養学部 1年(取材時)
OB 小野 啓人さん
本場の英語に触れて長期留学を決意

2017年の11月に開催された同校の学校説明会に、卒業生代表として小野啓人さんが登壇しました。同年3月に卒業し、現在は国際基督教大学の教養学部に在籍しています。
小野さんはまず、学校説明会に足を運んでくださった参加者に「本日、自分の経験を皆さまと共有できることに感謝します」と伝え、学校生活を振り返りました。英語教育に力を入れる同校では、高校1年次に毎年5人前後の生徒が1年以上の海外留学を経験しています。小野さんもその一人です。
「母が英会話教室の講師をしており、日常的に英語に触れて育ってきました。そのため、留学してまで語学力を高める必要性を感じませんでした」
そんな小野さんが留学を決意したのは、中3の修学旅行でアメリカのネブラスカ州を訪れた時のことです。
「料理のプログラムを体験した時、現地の先生から『お好み焼きについて、英語で説明してほしい』と言われたんですが、思ったことをうまく伝えられなかったんです」
小野さんは「ネイティブと同じくらい話せるようになりたい」と、長期留学を決意します。先生方のサポートを得ながら、それからわずか1年足らずの高1の7月にアメリカへ旅立ちました。留学前に「文章能力も高めたい」と先生に相談すると、毎月、英語でレポートを提出するという課題を与えられました。
「先生がレポートを学校のホームページに掲載してくれて、学校のみんなが見てくれていると思うと、留学中も母校とのつながりを感じることができました。当時の自分の考えを振り返るツールとして、今も大切にしています」
帰国後も、先生が授業についていけるように導いてくれました。
文化祭と受験が重なり大忙しだった高3の秋

帰国後の小野さんは行事に積極的に参加し、学校生活を満喫します。
「授業を受けているだけでは見えてこない同級生の姿が行事でわかります。高3の時に、クラスの副委員長と文化祭の実行委員を兼任し『この行事に、どうやったらみんなに楽しく参加してもらえるだろう』と考えました」
AO入試を選んだ小野さんにとって、文化祭の時期は受験本番のシーズンでもありました。学力による試験結果のみに頼らないAO入試では、受験生一人ひとりの考え方や個性、これまでの学校生活で得た経験などが、グループ面接などを通じて総合的に判断されます。
「副委員長としてクラスをまとめることと、実行委員として学校全体の行事を管理すること。両面からその場に応じた対応を常に求められました。AO入試では『その場で与えられた課題を多角的に考え、アウトプットする力』が求められます。文化祭での経験は入試でも役に立ちました。忙しい時期でしたが、グループ面接の練習などは先生や同級生が協力してくれました」
AO入試や推薦入試などを利用して進学先が決定した生徒は、一足先に受験勉強を終えることになります。同校ではこのような生徒に、進学先での学びにつながる事柄についてレポートを書くという課題を与えています。AO入試で第一志望の国際基督教大学に合格した小野さんも同様です。
「5カ月もの間、自分が興味のある課題を調べ続けます。リサーチの技術はあの期間で身につきました」
今の充実した日々は母校の6年間があってこそ
中高時代の学校生活で、小野さんの現在に役立っていることに、毎朝、始業前の20分間行われる「朝読書」があります。
「読書は、主体的に学ぶ有効な方法だと思っています。興味がある本を読むことは、受け身の勉強よりも多くのことを吸収できます。大学に入ってからも毎日1時間、必ず読書の時間を設けています」
中高6年間をひとことで表すと「自由でゆとりがあった」と小野さんは言います。学校説明会でも「心身共に不安定ともいえる時期に、詰め込み型の教育ではなく、海外にも目を向ける機会を多く与えてくれ、広い世界を見る目を養い、さまざまな価値観を学ばせてもらえた」と、母校の教育方針を紹介しました。
「自分自身と向き合えるような機会を与えてくれ、自分に合った進路を選べるようにサポートしてくれたこと。そして、将来について語り合えた多くの人が身近にいたからこそ、充実した今があると感謝しています」
小野さんは、「受験のために勉強をしていると、『学びの本来の楽しさ』には気がつけないかもしれない」と言います。
「学びは『自分とは何者なのか』を探り、『自分の価値』を高めるためにあります。でもそれらは一生をかけて作りだすもの。だから、学びに終わりはなく、一生続いていくものではないでしょうか」
スケッチブックに記した “Unique” という言葉には「人とは違う、自分という存在」という意味を込めています。そんな小野さんは、将来「日本の教育に貢献したい」と考えています。その言葉には、同校の建学の精神の一つ「報恩奉仕」がしっかりと心に刻み込まれていることが感じられました。
恩師からの応援メッセージ
後輩の目標となる素敵なOBとして活躍してほしい

小野くんはアメリカ留学の帰国を遅らせて、後輩の修学旅行のサポートをしてくれました。たった2学年しか違わない先輩が流暢な英語を話す姿は、胸を高鳴らせてアメリカに渡った後輩の目には、とても頼もしく映ったことでしょう。さらに難関大学にも現役合格し、とても充実した学生生活を送っていると聞いています。後輩たちにとって、とても素晴らしいロールモデルになってくれていると感じています。長期留学を考える後輩が、小野くんに相談することもあるんですよ。これからも母校に関わり続け、後輩にたくさんのことを伝えていってほしいですね。
(教頭代理/五味光先生)
(この記事は『私立中高進学通信2018年4・5月合併号』に掲載しました。)
専修大学松戸中学校
〒271-8585 千葉県松戸市上本郷2-3621
TEL:047-362-9102
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