私立中高進学通信
2018年4・5月合併号
中1の始め方
佼成学園中学校
知る、考える、動く
少し大人になるオリエンテーション

みんなで協力しながら自分たちのことは自分たちでやる2泊3日。クラスメートとの距離がぐっと近くなります。
初めてのホームルームは生徒同士で名刺交換
中1初めの行事カレンダー
4月 | ・入学式後のホームルーム 生徒同士で襟章を付け合う クラスメートと名刺交換 ・対面式 ・学校施設案内~まずは学園を知ろう ・オリエンテーション 2泊3日 @青梅錬成道場 生活指導上のルール、 各教科の担当教員から学習の心構えなどの説明 ホームルーム、ドッジボール大会、 オリエンテーリングなど |
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5月 | ・校外授業 @さがみ湖リゾートプレジャーフォレスト みんなでカレー作り |
小学校とは大きく環境が変わる学校生活のスタート。同校では中1の担当教員が決まると研修会を開き、さまざまなエンカウンター(出会い)のプログラムを考え、新入生がスムーズに学校に馴染めるように準備をします。例えば入学式の後に各クラスの教室で、襟章の付け合いと生徒同士の名刺交換をします。これは生徒の緊張感だけでなく参観している保護者の不安も和らげているそうです。
「初日に隣の席の生徒とお互いの襟章を付け合い、クラスの5人以上と名刺交換をすることで、次の日から話がしやすくなります。また、入学式の後のホームルームは保護者の方々も教室に入って参観されています。自分の子どもが緊張して座っている姿だけでなく、体を動かしている様子を目にすることで安心感を持たれるようです。
クラス担任はこの機会に、コミュニケーションが得意な生徒、苦手な生徒といったことを把握しています」
(中学部主任/八十川勝先生)
緊張の初日終了後、4月中は、上級生との対面式、学校施設の案内、図書館や自習スペースの使い方のレクチャー、2泊3日のオリエンテーションと、学校を知るための行事が続きます。


「意識を変える」そして「協力しながら競う」
2泊3日のオリエンテーションの狙いは「生徒の意識を変える」こと。生活指導上のルールや学習の心構えについてなど、内容は盛りだくさんです。
「かなり情報量が多いのですべてを覚えられるわけではないと思いますが、一通りの説明をします。『この学校では何を求められるのか』をまずは知ってもらうことで、小学校との違いを伝えています。それをどうやって乗り越えるのかは自分でしっかり考えなければなりません。中学生としてあるべき姿、姿勢を根気強く語りかけます。
ともに生活をするうえで大切なのは、やはり、自分だけ良ければいいのではないということ。オリエンテーションでは周囲の人々に感謝し、思いやりの気持ちを表すことの大切さを強調していて、これは本学の建学の精神に謳われているところでもあります」
食事の配膳や片付けを自分たちで行い、クラスの全員で入浴。大広間に布団を敷いて100人が一つの空間で寝る3日間は、先生やクラスメートとの距離が近くなるだけでなく、中学生の意識へと脱皮するための大切なステップです。
オリエンテーション2日目のドッジボール大会、3日目のオリエンテーリングはお楽しみのプログラムのように思えますが、ここにも狙いがあります。
「学校は『通う、学ぶ、競う』場。本学では『協力しながら競う』ことを大切にしており、オリエンテーションでも、その時間を設けています。自分よりちょっと上の、いいライバルを見つけて競うことで生徒は成長します。
中3の学習合宿でも数学や英語の問題を5人のグループで解いて競わせることで学び合いが効果的に行われています。大学受験も、個の力で乗り切るのではなく、みんなで協力しながら競うことでより良い結果が得られると考えています」
晴れやかな笑顔で卒業する先輩たちの背中を追って

オリエンテーション中のホームルームではクラスの係や6月に行われる体育祭の応援団を決めるなど、クラスメートと話をする機会が多くあり、とても仲良くなって帰ってきます。部活動に入部するつもりはなかったのに、新しくできた友達と一緒に入ることに決めたと話す生徒もいます。
「最初の印象というのはとても強くて、彼らの中にずっと残るのだと思います。中1の時に出席番号が並んでいた生徒とずっと仲良しということも多いようです」
また、「6年間楽しかった」「やれることをやりきった」と晴れやかな笑顔で巣立つ生徒が多く、先輩の笑顔が後輩の笑顔につながっているといいます。
「オリエンテーションの期間中に、先輩たちが笑顔で過ごした6年間を映像で見る機会があります。また、体育祭では先輩たちの頼もしいリーダーシップに触れるうちに、自ずと『先輩たちのようになりたい』という気持ちが芽生えるようです」
同校の教員には卒業生も多く、同窓の先輩として生徒を見守っています。
「常にコミュニケーションを取ろうと意識していますが、なかにはなかなか応えてくれない生徒もいます。タイミングや相性などのせいかもしれません。学年の担当教員で情報を共有しながら指導することが大事だと思います。本校は教員同士のコミュニケーションを密にしながら生徒と向き合っていく学校です」
グローバルリーダープロジェクト(GLP)
モンゴル異文化体験など多彩なプログラムで人生観を変える、世界に目を向ける!

今年で3年目を迎えるGLPは、実践を通して世界を体感する、グローバルリーダー育成のためのプログラムです。GLP生は本人の希望と学力を考慮して選出され、プログラム費用には庭野国際交流スカラシップ制度から補助金が支給されます。
八十川先生は一昨年のモンゴル異文化体験プログラム(中1)に同行されました。
「寝泊まりする住居(ゲル)作り、羊の解体の見学、馬に乗ってみんなで一列になってとにかく広い草原をひたすら進むなど、なかなかできない貴重な体験の連続でした。街を案内してもらったり、逆にこちらが高校生に書道を教えたり、現地の方と接する機会は多いです。モンゴルでは英語が通じません。それでもみんな、なんとかして伝えよう、会話をしようと努力をしている姿が印象的でした」
(この記事は『私立中高進学通信2018年4・5月合併号』に掲載しました。)
佼成学園中学校
〒166-0012 東京都杉並区和田2-6-29
TEL:03-3381-7227
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