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私立中高進学通信

2018年2・3月合併号

校長が語る思春期の伸ばし方

浦和明の星女子中学校

他の人たちを理解し、尊重し
違う個性を大切にする思いやりを

百人一首部

百人一首部

いつも楽しそうな生徒たちそれが本校の伝統
島村 新(しまむら・しん)
校長先生
1970年、浦和明の星女子高等学校に社会科教員として着任。以来「明の星教育」に魅せられて、現在に至る。2000年に教頭に就任。2003年の中学校開校以後、2008年に副校長、2012年に浦和明の星女子中学・高等学校の7代目校長となる。

 カトリックミッションスクールとして2016年に創立50周年を迎えたことを記念して新校舎2棟がすでに完成。2018年の夏にカフェテリアが竣工すると、校舎の建て替えは完了です。ますます注目の高まる同校ですが、島村先生は新校舎よりも生徒に着目してほしいと述べます。

「『学校は建物ではありません。明の星は “みんな”です』。私は機会があるごとに生徒にこう話しています。ですから、学校説明会にいらした小学生のお子さんや保護者の皆様には明の星生 “みんな”の様子を見ていただきたいのです。
 毎年、説明会にお越しになった受験生の保護者の皆様が決まって口にされるのが『生徒のみなさんはしっかりされていて、楽しそうでいいですね』という感想です。保護者の方々の集まりでも『みんな、いつも楽しそう』という声が聞こえてきます。私はこの言葉を耳にするたびに生徒が学校を支えてくれていることを実感し、とてもうれしい気持ちになります。
 明の星生 “みんな”の楽しそうな様子は今も昔も変わりません。では、そのような“みんな”になるためには何が大切なのでしょうか。2017年度の生徒の実践目標は『ほんとうの“和”を生きる』です。私は生徒といっしょにずっと考えてきました」

校訓「せいじょう」を常に心に刻んでほしい
バスケットボール部の部員たち。それぞれの役割を認め合いながら「常に全力を尽くす」という教えのもと、練習に励んでいます。バスケットボール部の部員たち。それぞれの役割を認め合いながら「常に全力を尽くす」という教えのもと、練習に励んでいます。

 イエス・キリストの教えに基づく同校の校訓は「せいじょう」。「正」は「自分の使命を生きること」、「浄」は「自分を受けとめること」、「和」は「他者を受けとめること」です。毎年、同校では「正・浄・和」の中から1つを選んで実践目標にし、生徒がその意味を考えながら学校生活を送っているのです。

 新校舎2棟の定礎には、この校訓を表す「新約聖書」の言葉が刻まれます。D棟は「正」を表す「義に飢え渇く人々は幸い」、E棟は「和」を表す「平和を愛する人々は幸い」の文字です。2018年に竣工予定のF棟(カフェテリア)には「浄」を表す「心の浄きよい人は幸い」の文字が入ります。「常に明の星の精神を意識して学んでほしい」という願いを込めてこれらの言葉を刻んだそうです。

「ほんとうの『和』を生きるために大切なことは3つあると思います。1つめは『自分の役割を果たすこと』だと考えています。
『人』を英語で『person』といいます。この言葉はラテン語の『persona(ペルソナ)』に由来します。『persona』とは『仮面』のことです。古代ギリシャの劇は仮面をつけて演じられました。つまりこの言葉は『役』や『役割』を意味したのです。『人』とは『役割を果たすもの』と、とらえられていたのですね。
 本校の生徒も、クラスや部活動など、学校生活の中でそれぞれの役割を果たしています。役割を果たすことが使命(校訓「正」)につながるのです」

」に必要なのは積極的な思いやり
明の星が考える思春期の育て方
  1. 自分の役割を果たすこと
  2. 一人ひとりの違いを認めること
  3. 同じ目標があること

「2つめは『一人ひとりの違いを認めること』だと思います。これは『一人ひとりの役割を認めること』と同じです。本校の生徒は友だちの悪口をほとんどいいません。これは本校の伝統です。
 私は、中学生たちに『和』が成立するためには、どんなことが必要かを改めてたずねたことがあります。多数を占めた回答は『思いやり』でした。この回答が多く寄せられたことを私はとてもうれしく感じました。
 そして私はこの『思いやり』について考えているうちに、生徒のいう『思いやり』が単に弱い人を思いやるという次元にとどまるものではないことに気づいたのです。『相手を理解し、尊重し、違う個性を大切にする』という積極的な行為となっているように思ったのです。つまり『思いやり』とは、他の人たちをありのままに受け入れることになるのではないでしょうか。
 3つめに大切なことは、『同じ目標があること』です。このことは、学校行事の時などによく感じられることです。また、クラスの目標や毎年の実践目標を大切にしている理由がここにあるのです。
 『自分の役割を果たすこと』『一人ひとりの違いを認めること』『同じ目標があること』。この3つが思春期の生徒を伸ばすために必要なのではないでしょうか。
 私が『明の星は“みんな”だ』と断言できる理由は、生徒全員がこれらを実現しているからです」

 島村先生は生徒が違いを認めて同じ目標に向けて成長する様子を、よく合唱にたとえています。一人ひとりの違う声が調和して、ひとつの曲が完成するからです。

「思春期には、まわりの友だちみんなを大切にして、仲良く勉強や行事や部活動などに励んでほしいですね。こうした毎日の中で、自分の役割や使命を見つけてほしいと思います」

 社会に出れば、ひとつの目標を達成するために、多くの人たちと力を合わせながら、自分の役割を果たしていかなければなりません。同校で学んだ「和」はその基盤となるはずです。

“みんな”で自分の使命を生きてほしい
グリー部(合唱部)の練習風景。合唱は、みんなの声を聴きながら歌わないと、自分の声で歌うことができません。校訓の「正・浄・和」に通じるものがあります。グリー部(合唱部)の練習風景。合唱は、みんなの声を聴きながら歌わないと、自分の声で歌うことができません。校訓の「正・浄・和」に通じるものがあります。

 校訓「正」は「自分の使命を生きること」です。カトリックミッションスクールの同校では「使命」を「神様が望んでいること」と考えています。一方「浄」は「ほんとうの自分を生きること」つまり「ありのままの自分を受け入れること」です。「生徒が自分の使命が何なのかを知ることは難しいことです。しかし、ありのままの自分を受け入れ、友だちみんなと一生懸命に生きれば、神様の思いと合致するのではないでしょうか」(島村先生)

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