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私立中高進学通信

2018年1月号

The Voice 校長インタビュー

和洋九段女子中学校

多様化する社会に向けた発想と思考を
自ら伸ばす独創的な教育改革を推進

中込 真 (なかごめ・しん)

中込 真 (なかごめ・しん)校長先生

上智大学理工学部化学科卒業後、1986年に同校の理科教員となる。
以後、情報主任、教務主任、高校学年主任を経て、2015年4月から中学校教頭。
2016年4月より現職に就く。
上智大学 理工学部でも教職科目の教鞭を取り、化学分野の検定教科書や参考書も多数執筆。
ベストセラー『視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録』(数研出版)では実験写真やコラムを担当。

大改革の成果により学校のカラーにも変化が
創立から120年間で育まれた伝統を良き校風としながら、新たな世紀に羽ばたく同校。アクティブかつ自主的な学びを中込校長が牽引しています。創立から120年間で育まれた伝統を良き校風としながら、新たな世紀に羽ばたく同校。アクティブかつ自主的な学びを中込校長が牽引しています。

 本校で30年以上、理科教員として教鞭を執り、時代と生徒たちの変化を身をもって感じてきた私は、昨年春、校長就任の際に『和洋九段の大改革』というスローガンを掲げ、21世紀型の教育スタイルをさらに推し進める5項目――「PBL(問題解決型学習)授業の全科目展開」「ICT環境と授業への活用」「サイエンスリテラシーの育成」「国際標準教育プログラムの実践」「語学教育体制の飛躍的変革」に徹底的に取り組んできました。

 そこから約1年8カ月を経て、本校のカラーが、とても良い方向に変わりつつあることを実感しています。これまでと比べて、今年は本校を第一志望とする志願者がかなり増加しました。同時に、これまでと同様、たくさんの本校OGのお子さんたちが本校への入学を希望されています。伝統ある校風への信頼、時代に即した教育の改革。その2つを併せ持つ本校への共感と期待感の高まりが、はっきりと表れていると思います。

独自のルーブリック導入がもたらした学習意欲の向上
和洋九段が取り組む世界標準教育の柱
  1. 自ら考え・学ぶ21世紀型教育の推進
  2. 知識偏重に陥らない20世紀型教育とのハイブリッド
  3. 視野を広げるグローバルマインドの育成

 本年度より本校は、海外進学も視野に入れてオールイングリッシュで英語の授業を行う『グローバルクラス』と、プレゼンテーション能力の育成をより重視した『レギュラークラス』、2つのコース選択をスタートさせました。どちらのコースも、生徒のモチベーションが飛躍的に向上しています。これは周到な準備期間を経て導入した本校独自の評価基準「ルーブリック」の成果でもあります。

 ルーブリックとは横軸に「認識・理解」、「思考・探究」、「表現・創造」と考え方の深度を3段階設け、縦軸に意識の広がりを「個人」、「集団・社会」、「世界」と3段階設けることで、学習や行動、成すべき課題の達成度が、全部で9個の段階のどこにあるかを教員、生徒全員が客観的、論理的に共有・可視化できるものです。授業だけでなく、行事を含めた学校生活全体に、この基準を活用しています。

 ルーブリックを活用する最大のメリットは、ペーパーテストだけでは計れない表現力、問題解決能力、コミュニケーション能力などを確実に拾い上げられることにあります。テストの成績は優れなくても自己表現に秀でている生徒、ふだんは目立たなくても縁の下の力持ちとして周囲のためにがんばれる生徒など、各自の個性や資質も明確になるため、教師もより細やかに対応ができるのです。

 実践は今年本格化したばかりですが、「今、何をめざせばいいのか」「何のために学習しているか」がはっきりしたことで、生徒がすべての物事に生き生きと取り組み、モチベーションを高く保ちつつ、努力を楽しむようになったと感じています。

グローバルな視野を広げ進路選択の自由度を高める

 さらに学習面での大きな変革として挙げられるのが、生徒が主体となって問題解決を行う『PBL型授業』の徹底です。これは主要5教科に留まらず、全教科にわたって実践されています。例えば、保健の授業なら女性が社会で直面する諸問題をグローバルな視野で討議し、体育で球技の授業なら、ただ身体を動かすのではなく、チームの戦略会議から授業にしっかり組み込みます。

 学校行事や学校生活の各場面でも、生徒自身が考えて自ら行動し、その成果を発表・思考するPBL型を徹底しています。その好例は、今年から中1も参加することになった『グローバル遠足』でしょう。フランス大使館、アメリカンセンターJAPAN、ユニリーバ・ジャパンなど、都内の各国大使館やグローバルな団体・企業に生徒がアポイントを取り、取材に訪れて学習の成果を発表するプログラムです。教員はあくまでサポーター役に徹します。この取り組みによって、生徒の積極性がより向上しているのを、教員全体が実感しています。

 また、本校では中高一貫の利点を活かしてグローバル教育に取り組んでいます。中1・中2ではグローバル遠足や福島県のブリティッシュヒルズ英語研修、中3の修学旅行はシンガポールを訪れ、中学からの異文化体験、海外体験を重視しています。早くからグローバルな体験をさせる理由は、将来への選択肢をより早く広げ、高校での進路選択の際には自信を持って、広い視野で考えられるようにするためです。グローバルを知ったうえで自分自身を見つめ直せば、本当にすべきことが真剣に理解できる、それこそが“個”を大切にできる真の教育だと考えます。

 私が考える中高教育の役割は、さまざまなパターンを体験・理解することで、生徒の本質的な想像力を養い、自ら思考する方法をしっかりと身につけることです。来年度は高校にも『グローバルコース』を新設します。今後も生徒たちが多様な人生の選択肢に対応できるように、全力で良き改革を進めていきたいと思います。

[沿革]
1897年、前身となる和洋裁縫女学院が設立し、1947年の教育制度改定に伴い和洋九段女子中学校、翌年には和洋九段女子高等学校が発足。大学認可に伴う1950年の和洋女子大学附属九段女子中学校・高等学校への名称変更を経て、1992年、和洋九段女子中学校高等学校に。長き伝統を育みつつ、グローバル教育、21世紀型教育を中核とする改革を推進し、充実した中高一貫教育を行う。

(この記事は『私立中高進学通信2018年1月号』に掲載しました。)

和洋九段女子中学校  

〒102-0073 東京都千代田区九段北1-12-12
TEL:03-3262-4161

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