LINEで送る

スクールポット中学受験版 - 首都圏学校情報検索サイト

ツイッター フェイスブック

私立中高進学通信

2018年特別号

憧れ校のこだわり教育

白百合学園中学校

外国語教育

キリスト教の宗教教育とともに、英語とフランス語を学びながら豊かな情操を養う外国語教育を実践する同校。
ますます国際化が進む今こそ、注目したい授業を見ていきましょう。
英語とフランス語の双方にあるネイティブ教員の授業。楽しい時間です。(写真は英語の授業)

英語とフランス語の双方にあるネイティブ教員の授業。楽しい時間です。(写真は英語の授業)

フランス人修道女が開いた英仏2カ国語を学ぶ学園

 教育活動の土台に「一人ひとりをかけがえのない存在として大切にする」キリスト教の教えを据えているカトリックミッションスクールの白百合学園。設立母体は『シャルトル聖パウロ修道女会』といい、1696(元禄9)年にフランスに誕生しました。病気や貧困にあえぐ人々への奉仕や教育活動を行う同会の活動は徐々に世界各国へと拡大。1878(明治11)年にフランス人修道女が来日し、函館の地に修道院を創立したところから学園の歴史が始まりました。

 伝統あるキリスト教の宗教教育と外国語教育は同校を特徴づけるものです。

 英語とフランス語からなる外国語教育は、『21世紀の国際社会で活躍できる女性の育成』を掲げる同校の中核をなすものであり、英仏の2カ国語を学ぶことで、より豊かになる国際感覚の優位性は、これからのグローバル社会に向けて注目すべき魅力です。

 ちなみに併設の白百合学園小学校では、小1からフランス語、小4から英語を学習していますが、語学と親しむことを主な目的とする授業で、細かい文法事項などは中学生になってから学習するので、中学からの入学者に不利はありません。

 それでは同校の外国語教育について、英語とフランス語に分けて見ていきます。

読む・書く・聞く・話すをバランス良く習得する英語

 中学の英語教育では、週5時間の授業を基本にしています。一般生クラスでは、コミュニケーションに必要な「読む力」「書く力」「聞く力」「話す力」をバランス良く身につけることを目標に、5時間のうち3時間を日本人教員が、2時間をネイティブ教員が担当しています。

「コミュニケーションに必要な能力をバランス良く伸ばすことのねらいは、これからの大学入試改革に対応したプログラムであるとともに、本当の意味での"使う英語"を意識してのものです。少人数クラスならではの利点を生かし、日本人とネイティブ教員との連携を密に取りながら、生きた英語力の習得に努めています。中3からは習熟度別授業をしています」(英語科/瀧澤裕子先生)

 中学3年間、帰国生は別クラスで全てネイティブによる授業を受けます。高校からは一般生も帰国生も一緒に、A・B・Cのグレード別授業で学習します。

「中学では日本人とネイティブの教員が連携し、それぞれの学習内容を関連させていきながら、スピーチや即興会話といったスピーキングテストを効果的に実施しています。また、中1と中2の各教室には、英語の本を『Happy Reading』のコーナーとして常設し、授業の導入部分で行う多読の時間で活用しています。中1生は多読の成果を、3学期に行われる『外国語発表会』においてレシテーション(暗誦)で発表します。外国語発表会では、スキット(寸劇)・スピーチ・プレゼンテーションなどの形式で他学年も1年間の成果を発表します」

 英語を使えることの喜びが大きなモチベーションとなって、教室から外へとコミュニケーション機会が広がっていきます。

「毎日昼休みに開放している『リスブラン』(フランス語で『白い百合』の意味) という愛称がついた外国語学習専用の部屋へ積極的に足を運び、英語やフランス語を担当するネイティブ教員との会話を楽しんでいます。イースターやハロウィーンなど、季節の行事をネイティブと一緒に楽しむ企画もあります」

 中1・中2では、スピーチやポスター制作、あるいはBook Reportにも取り組みながら、書く力を養っていくのも同校の英語教育の特色の一つです。これらの実績は『My Portfolio』という自分だけの作品集として大切に保管されています。

中学から学ぶことで視野も広がるフランス語

 中学では『フランス語』の授業が週1時間必修です。中学では、「聞く」「話す」ことに徹底し、フランス語の発音に親しみながら少しずつ段階を踏んで「読む」「書く」へと円滑に発展させていきます。高校からは、第一外国語としてフランス語または英語を選択し、もう一方を第二外国語として学習することができます。

「5年間続けて中1の授業を担当しています。最初は文法やスペルを覚えてもらうことよりも、とにかく見様見真似で発音をしてみるとか、少し慣れてきたら寸劇に挑戦してみるといった、フランス語と親しむための実践的な活動を授業の中に取り入れています。3回に1度の日本人とネイティブ教員とのチームティーチングも、聞く力と話す力の養成に効果的です。入学から3カ月もすると、フランス語の発音が板についてくるようになり、今年度の中1はすでに身振り手振りを入れながらの演技も楽しめるようになりました」(仏語科/小林眞理先生)

 小林先生は英語科の瀧澤先生と同様に白百合学園の出身です。自身もフランス語を学ぶことでネイティブの先生と会話できることが楽しくなり、高1でフランスの短期留学も経験しています。生徒に注ぐ眼差しは自ずと後進への期待と重なります。

「英語とフランス語を同時に学ぶことのデメリットを心配される方もいますが、心配はいりません。フランス語と英語の発音の違い、言葉の使い方の違いを楽しんでいる生徒もいます。高校生の中には、2つの言語の違いをはっきり意識することによって、逆に英語圏とフランス語圏の文化に強い興味を持つようになった生徒もいます。多言語を学ぶことによって学びの視野が広がることを楽しんでいるようです」

 フランス語の授業の小テストは、「毎回の授業の確認として無理なく取り組めるレベル」と小林先生。家庭学習用に配布されるCDも、先生方が授業に合わせて制作したオリジナルで、家庭でも授業の内容が復習できるようになっています。フランス語を学ぶことの目的として、学ぶことの喜びを知ることを重視しているのがよくわかります。

「1学年が180名前後で、高校からフランス語を第一外国語として学ぶ生徒は例年20名弱といったところです。その中には、大学を卒業後に芸術の道を志してフランスに渡った生徒や、企業でフランス語を活かして活躍している生徒もいます。白百合でフランス語を学んだことで独自性を発揮しているのです。本校の伝統の一つとして、誇りを持ってフランス語に取り組んでほしいと思っています」

授業 Report
楽しい!Happy Reading!

 中1と中2の英語の授業内に「多読活動」を取り入れています。英語の絵本や物語などに記載された文章を追って、単語の意味を推測しながら読み、スピードを上げていくことにより、要点をつかむ力の育成と語彙力の習得に効果があります。

「多読では単語の一つひとつを完璧に理解する必要はなく、次から次へと読み進めていきながら、1年間で最低でも1万語を目標にしています。ほとんどの生徒は一番平易なレベルの絵本から多読を始めますが、なかにはお気に入りのシリーズにこだわって読む生徒もいます。多読の記録を残す『Happy Reading』シートには、手に取った本の語数とこれまでに読んだ語数の累積数、さらに特に気に入った表現を一つ選んで記入する欄もあります。多読に楽しく挑戦できる雰囲気づくりにもこだわっています。中3以上の学年も授業外で多読活動を続け、ペーパーバックの厚い本を読み、ブックレポートを書く作業に発展していきます」(瀧澤裕子先生)

多読の時間。楽しく自然に読む力を身につけていきます。多読の時間。楽しく自然に読む力を身につけていきます。
1冊読み終えたらまた次へ。Enjoy Extensive Reading!1冊読み終えたらまた次へ。Enjoy Extensive Reading!
多読の本。多読の本。
多読の記録がしっかり記入されています。多読の記録がしっかり記入されています。
これもこだわり英語授業は少人数で確実に
中1の教科書中1の教科書

 20人前後の少人数で行われている英語の授業。理解度確認のための小テストも随時行われています。また、4技能(読む・書く・聞く・話す)の確認のため、中2・中3からGTEC検定も受検しています。

活動の記録をまとめた『My Portfolio』。活動の記録をまとめた『My Portfolio』。
中1の授業の様子。伝統の黒いスモック「タブリエ」を着用する生徒もいます。中1の授業の様子。伝統の黒いスモック「タブリエ」を着用する生徒もいます。
Pick up!
全国優勝を決めた囲碁将棋部が今、熱い!

 今年3月に開催された『第12回全国高等学校囲碁選抜大会』において、これまで5年連続出場していた囲碁将棋部が、団体戦において4勝0敗の成績で悲願の初優勝! 翌日に行われた個人戦九路盤大会においても全国第5位に入賞するなど、白百合学園で今、一番熱い部活動です。

Pick up!
英語を使って一緒に世界平和を考える

フランスからの留学生も白百合では規定の制服を着用し、
3週間の有意義な学校生活を送ります。

 学生が参加できる国際教育プログラムとして、中1・中2の『チャレンジ・イングリッシュ』と、中3の『グローバルヴィレッジ』が用意されています。

「チャレンジ・イングリッシュでは、2日間英語の環境に身を置いて、さまざまな国籍の講師の指導の下、英語でのコミュニケーションを存分に楽しみます。最後に、中1は自分の趣味や家族についてのスピーチ、中2はグループで学校や日本文化について発表します。一方、日本に留学している大学生と交流するグローバルヴィレッジでは、『理想の国をみんなで作ろう』をテーマに、みんなで理想とする国の国旗をつくりました。"英語を使って一緒に世界平和を考える"という地球規模の視点は、ミッションスクールである本校の建学の精神にも通じると思っています」(瀧澤先生)

英語+フランス語で視野を広げる国際教育

 国際教育の一環として、生徒一人ひとりの「考える力」「行動する力」の育成を目的に、中1から自由に参加できる多彩なプログラムが用意されています。「外国語でコミュニケーションを体験したい」「異なる文化に触れて国際的な視野を広げたい」「仲間と共に学びながら将来の生き方を考えたい」など、その目的は広い視野に立ったものとなっています。

フランスの短期留学生から贈られたメッセージ。白百合で過ごした3週間の思い出と感謝の気持ちを、自ら学んだ日本語で温かく伝えていました。フランスの短期留学生から贈られたメッセージ。白百合で過ごした3週間の思い出と感謝の気持ちを、自ら学んだ日本語で温かく伝えていました。
Smith Collegeでの9日間の研修の様子を伝えるレポート。先を進む高校生の行動は中学生の憧れと目標になっていきます。Smith Collegeでの9日間の研修の様子を伝えるレポート。先を進む高校生の行動は中学生の憧れと目標になっていきます。
白百合学園の国際教育プログラム
プログラム名 対象学年 内容
チャレンジ・イングリッシュ 中1
中2
春休みの2日間、英語を使ってさまざまな活動に取り組む。
帰国生クラスは、ミニディベートやオリジナルミュージカル制作にも挑戦。
最後に行う発表会は保護者も観覧できる。
グローバルヴィレッジ 中3 総合学習の一環として、世界30カ国から留学中の大学生を招き、
小グループに分かれての交流を実施。
大和日英基金
イギリス人留学生との
交流プログラム
中3
高1
高2
イギリス人留学生を招き、かるたや七夕など日本の遊びや年中行事を一緒に体験。
一方、留学生からイギリスの大学生活についての
話を聞くことができる時間も用意している。
女性版
エンパワーメントプログラム
高1
高2
夏休みの4日間、海外の大学生をディスカッションリーダーとして、
世界が直面している問題や女性としての生き方などを討論。
最終日は全員がスピーチを行う。
セルフ・ディベロップメント・
プログラム@スミスカレッジ
高1
高2
米国マサチューセッツ州の伝統ある女子大学で行われる9日間の海外研修。
現地の高校生、大学生との交流を通じて、広い視野に立って将来を考える。
フランス大使館訪問 高2 フランス大使館員から大使館の役割や仕事のやりがいについて、
日本語とフランス語で話を聞く絶好の機会。
フランス大使館内や大使公邸の見学など特別感も魅力。
コリブリ
(日仏高等学校ネットワーク)
短期交換留学
高1 フランス人高校生とペアを組み、互いの家庭にホームステイし、
現地の学校にも通う3週間。
秋は留学生を受け入れ、春はフランス各地の学校に生徒が派遣される。
先生のホンネ
創部に尽力した生徒の努力で34番目に誕生した弦楽部
瀧澤裕子先生
美しい音色を奏でる弦楽部のステージ

美しい音色を奏でる弦楽部のステージ

「最も伝統があるクラブは『小百合会』。ボランティア活動を中心とするクラブです」(瀧澤先生)「最も伝統があるクラブは『小百合会』。ボランティア活動を中心とするクラブです」
(瀧澤先生)

 本校には全部で34のクラブがあり、その34番目にできた弦楽部の顧問をしています。私は幼い頃からヴァイオリンを習っていて、在学中に弦楽部があったら入りたいと思っていたのですが、残念ながら当時は器楽部しかなく諦めていたのです。教員として母校に帰ってきたとき、生徒たちの中から「弦楽部をつくりたい」という声が出て、「じゃあ喜んで協力しよう」という二つ返事で創部に向けた活動が始まりました。クラブとして認められるよう、一緒にがんばった生徒たちは「後輩のために道を開いた」と笑顔で卒業していきました。それから10年で今や人数も30名となった弦楽部の原点がここにあります。まだまだ専用の練習場などはありませんが、空いている教室で地道に練習し、卒業式や入学式やクリスマスミサではりきって演奏しています。

先生のホンネ
放課後は生徒と一緒にフランス語のミュージカル
小林眞理先生
フランス語で本格的なミュージカル!

フランス語で本格的なミュージカル!

「フランス語を学べるから本校に決めたという生徒が多く、仏語教師としてとてもうれしいです」(小林先生)「フランス語を学べるから本校に決めたという生徒が多く、仏語教師としてとてもうれしいです」(小林先生)

 顧問を務めるC.C.F(フランス語部)には、フランス語によるミュージカルの創作活動があります。脚本はすべて生徒が担当し、顧問がその翻訳を手伝っています。部員の中にはフランスからの帰国子女もおり、発音指導などに積極的に関わっています。文字どおり、生きたフランス語の発声方法を間近で吸収できる絶好の機会です。C.C.Fで活動をしている生徒は授業への関心も高く、積極的です。授業は週に1度ですが、クラブ活動だとその何倍もフランス語と接するので、発音も自ずとよくなります。実は今、部員数は増加の一途をたどっており、部員のモチベーションはますます上がっています。

Information
白百合学園中学校・高等学校(東京都千代田区・女子校)
ミッション校ならではの趣のある校舎です。ミッション校ならではの趣のある校舎です。

設  立:1878(明治11)年に3人のフランス人修道女が来日し函館に修道院を創立。1881(明治14)年には東京神田猿楽町に学校を設立し、校名が「女子仏学校」に。1923(大正12)年の関東大震災により校舎が全焼し、1927(昭和2)年に九段の現校地に移転。その後、空襲により再び全施設が焼失するも、直ちに復興に着手して1947(昭和22)年には学制改革により白百合学園中学校が設立。

アクセス:「飯田橋駅」(JR/地下鉄)・「九段下駅」(地下鉄)から徒歩10分


今回紹介した英語とフランス語による外国語教育のほかにも、カトリックの教えを基盤とした心の教育、グローバル教育、芸術教育にも力を入れています。進路指導は大学進学からその先にある「社会に貢献できる女性の育成」を視野に入れたもので、近年では、医療系分野に進学する生徒が増加しています。その背景として、奉仕活動を通じて「人々の幸せのために生きる」ことの喜びを感じる生徒が多いことが挙げられます。

白百合学園中学校  

〒102-8185 東京都千代田区九段北2-4-1
TEL:03-3234-6661

進学通信掲載情報

ページトップ