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私立中高進学通信

2018年特別号

校長が語る自立へのプロセス

鶴見大学附属中学校

夢を持ち、相手を尊重することが成長への鍵

撮影のために放課後、残ってくれた生徒と亀山先生。「今年の目標は、大好きな吹奏楽部と勉強の両立です」(藤庭みつきさん・中2)、「まだ見ぬ世界が広がる数学のメディアセンターがお気に入りです」(斎藤晄くん・中2)。

撮影のために放課後、残ってくれた生徒と亀山先生。
「今年の目標は、大好きな吹奏楽部と勉強の両立です」(藤庭みつきさん・中2)、
「まだ見ぬ世界が広がる数学のメディアセンターがお気に入りです」(斎藤晄くん・中2)。

禅の教えに基づいた実践を学校生活に取り入れる同校。心身ともに成長する中高6年間で生徒をどのように育んでいるのか、亀山仁校長先生にうかがいます。

ホームベース+教科エリアで自ら学ぶ気持ちを引き出す
亀山 仁(かめやま・ひとし)亀山 仁(かめやま・ひとし)

1956年、曹洞宗の寺院に生まれる。現世田谷学園で中高6年間を過ごし、東京理科大学理学部数学科を卒業後、曹洞宗専門僧堂瑞應寺に安居。後、世田谷学園数学科教諭に就任。32年間教鞭をとり、2015年、鶴見大学附属中学校・高等学校の第10代校長に就任。「夢や目標に向かって努力する過程で、失敗はあります。失敗の足跡こそが、自身で乗り越えた証であり、それが人をさらに強く優しくします」

 同校の教室は、朝礼などを行う「ホームベース」と、各教科専門の教室である「教科エリア」で構成されています。そして生徒の一日は、毎朝のホームベースでの黙念から始まります。

「30~40秒という短い時間ですが、ひと呼吸することで静かに自己を見つめ直し、集中して授業に臨むことができます。『黙念が受験に役立った』と話す生徒もいました。答案用紙を配られてからのわずかな時間で、自分の気持ちを落ち着かせて、がんばることができたそうです」と亀山先生。

 心を落ち着けた状態で、教科専用教室に移動し、授業が始まります。

「一日中同じ教室、同じ机で学習していると、ときには集中力が低下し、気がついたら違う先生が来ていたということもあるかもしれません。しかし、毎時間教室を移動することで、自ら学ぶ気持ちを引き出すことができるのです。それから、自分の机を汚したり、机の中にゴミが入っていても誰も何も言わないでしょう。しかし、本校では、一つの机をみんなが使います。みんなのものですから、自分が使ったときよりもきれいにして次の人に渡す。それがひとつの禅の教えなのです。生徒たちは意識していないと思いますが、『ホームベース+教科エリア』の構成により、そういったことが自然にできるようになってくれればいいですね」

生徒に伝えたいのは、夢を持つことと人を理解すること
この階段を利用して、ホームベースと教科エリアを移動します。この階段を利用して、ホームベースと教科エリアを移動します。

 亀山先生が生徒に伝えたいことは、大きく2つあるそうです。

「1つ目は、夢や目標を持つこと。目の前にある小さな夢から、世界に出て活躍するという大きな夢まであるでしょう。とにかく、いろいろなものを吸収して、その中から夢や目標を見つけてほしいのです。志望の中学校に入るという夢のために努力して、それが叶ったら、また次の目標を持ち、そこに向かって努力し続けることが大事です」

 これを後押しするのが、中高6年間を2学年ごとに区切って指導する「3ステージ制」です。

「2年ごとに短期の明確な目標を立て、それを達成することで、次のステップへの確実な成長を促すことができます。各ステージには、2つの学年を担当する『ステージ主任』を設けていますので、その年代特有の学習面や生活面での課題をきちんと把握することができ、ぶれのない指導が行えます」

 2年前の学園祭で、亀山先生はサックスの演奏を披露したそうです。60歳からの夢として生徒の前で約束し、チャレンジすることの大切さを身をもって体現したのです。

「2つ目は、相手を理解すること。自分だけが夢に向かって努力するのではなく、周りにいる人の気持ちを理解できるようになってほしい。そのためには、まず聞くことが大切です。自分の意見だけを一方的に言って、他者の意見を聞こうとしない人がいますが、それでは自分も受け入れてもらえません。相手の考え方を理解して、その上で自分の考え方を発信できるようになれば、社会に出たときに必然的に活躍できる人になれると思います」

思春期は、大きく成長する時期だからこそ悩む
自立のための育て方
  1. 夢や目標を持ちひとつ叶ったらまた次のゴールへ
  2. まず相手を理解しその上で自分の考えを発信する
  3. 大人が愛情を持って接すれば思春期は決して難しくない

 思春期は、可能性が広がると同時に、難しい時期とも言われます。

「いちばん変化がある時期だから、そう言われるのでしょう。でも、大人が愛情をもって接すれば、決して難しい時期ではないと思います」

 ときには、亀山先生自ら生徒を叱る場面もあるそうです。

「例えば、生徒間でのトラブルが起きた場合、まず生徒たちに『もし逆の立場だったらどう思う?』と尋ねます。生徒に、相手の立場になって考えさせることで、理解を求めるのです。そのとき大事なことは、この子を伸ばしたいという愛情を持って叱ることです。愛情なく叱るから歪むのです。愛情を持ってしっかり叱れば、生徒は理解してくれます。保護者の方も、叱るときは厳しく、愛情を持って叱ってください。子どもは必ずわかってくれるはずです」

 思春期は、いちばん成長する、頼もしい時期でもあると話す亀山先生。

「いろいろなものを吸収し、大きく成長していくのが思春期です。だから、悩むのです。悩んで、涙を流して、反省し、大きくなっていく。この時期に、夢や目標を持って、相手の気持ちを考えることができる生徒は、成長が著しいですね。この2つを心がけることで、大きく成長してほしいと思います」

授業は、各教科の専用教室に移動して行われます。教科エリアには、メディアセンターや各教科の研究室があります。写真はイングリッシュラウンジ(英語科エリア)。授業は、各教科の専用教室に移動して行われます。教科エリアには、メディアセンターや各教科の研究室があります。写真はイングリッシュラウンジ(英語科エリア)。
朝礼やランチタイムに使用されるホームベース。朝礼やランチタイムに使用されるホームベース。
教材資料や展示物を自由に閲覧できるメディアセンター。放課後は、わからないところを先生に質問する生徒の姿も見られます。教材資料や展示物を自由に閲覧できるメディアセンター。放課後は、わからないところを先生に質問する生徒の姿も見られます。

(この記事は2018年8月に掲載しました。)

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