私立中高進学通信
2017年12月号
その先に備えるキャリア教育
サレジオ学院中学校
目標
『25歳の男づくり』を見据え未来を描く種を蒔く
「25歳になったときにどんな生き方をしているのか」を基本に、さまざまな体験を積み重ねながら、人生の土台を育む教育を実践する男子校。職業観を育むためのキャリア教育にも力を入れています。

2泊3日で行われる『進路ガイダンス』の一場面。『職業適性検査』の結果を受け、自分の向いている職業を探ります。
25歳になった時に、社会に奉仕できる人間になっていてほしい。その教育方針のもと、25歳から逆算した教育プログラムを行っている同校。大学を卒業し、社会に出て数年が経ったこの年齢を一つの目標として、日々過ごすように指導しています。そのために力を入れていることの一つが、将来の夢や目標をつかむためのキャリア教育。本格的に大学受験を意識する前の中3や高1の時期に、職業やそれを通じて実現したいことにじっくりと向き合います。
「偏差値や大学名のみを重視して大学を選んでしまった結果、入学後に、本当に自分がやりたかったこととのギャップを感じるケースが問題視されています。本校の卒業生からは、そういった話を聞きません。『何のために大学で学ぶのか』を考えるプロセスを重視しているからだと思います」(進路指導部長/中井俊夫先生)
中3で行われるのは、教材を使いながらの学習と『仕事研究会』や『職場訪問』。「働く」とは何なのかを学び、仕事や業種についての理解を少しずつ深めていきます。高1になると、それをさらにもう一歩進め、「大学で何を学び、それをいかに将来の仕事につなげるか」という視点で、自分の職業の適性を考える『進路ガイダンス』が行われます。このようなプロセスを経た後、文系・理系を高2で選択。将来の目標に向けた勉強をいよいよスタートさせます。
「仕事や職業についての理解を深める働きかけを重ねることで、徐々に将来の目標が定まり、ほとんどの生徒が『大学でこういうことを学びたい』ということを明確にして、受験に臨んでいます。さまざまな方法で種蒔きを行うことで、一つでも二つでも芽を出してくれることが目標です」
実際に25歳になった卒業生たちから聞かれるのは、「中高時代には、25歳は成熟した大人なのだと思っていたけれども、実際になってみると、今からがスタートなのだと感じている」という声が多いそうです。
「『25歳を目標にしてほしい』という学校からのメッセージを、しっかりと受け止めてくれていることをうれしく感じますね。仕事にも慣れ、描いてきた目標を具体的に実現できるようになるのがこの時期です。25歳を通過点に、その先にある将来に向けて職業観を熟成させていってほしいと思います」

『進路ガイダンス』の最終日には、グループで取り組んだ『起業コンテスト』のプレゼンテーション大会を開催。各々のアイデアが集まって、個性豊かなプランができ上がります。

『進路ガイダンス』の夜には、先輩たちの話にじっくりと耳を傾けます。聞きたかったことを気軽に聞ける雰囲気が好評。
Report
『進路ガイダンス』について聞きました!
高1の11月に行われる『進路ガイダンス』。先輩の貴重な話を聞くことで どんなことを感じたのか、高2の4人が振り返ります。
――先輩のお話を聞いてどのようなことを感じましたか?

理系
賀来くん
興味のある分野に進んだ先輩の話を聞くことで、大学での学びに関する理解が深まったと感じます。先輩の話は具体的で、よりリアルなイメージがわきました。
西川くん
先輩と対話をして、直接質問できたのが良かったと思います。勉強面だけではなく私生活のことも聞けて、大学生活全般についてイメージを広げることもできました。
柴内くん
自分と同じような中高生活を過ごしてきた先輩たちの話は身近に感じられて、自分も近づけそうな姿だと思いました。

野球部・生徒会/理系
黒木くん
受験勉強をどのように進めていったらいいかについて、具体的な内容が聞けたのも良かったですね。
――進路や将来のビジョンについて、どのように考えていますか?

テニス部/文系
賀来くん
化学か、経済の分野に進もうと思っています。新薬の開発など、化学の力で社会に貢献できる仕事をしてみたいと思っています。
西川くん
具体的なことは決まっていませんが、国内だけではなく、海外にも出ていって、多くの人と交流を持ちたいです。生徒会活動を通じて、外から情報を得るだけではなく、自分で体験して、何かを感じることが大切だと考えるようになったからです。
柴内くん
父は会社を経営していて、自分のやりたい仕事を楽しんでやっています。その姿を見て、そんな働き方もいいのではないかと思っています。

バスケットボール部/文系
黒木くん
僕は社会科が好きで、進路は文系を選びました。世の中の動きについての理解を深められるのがその魅力です。この先、それをどのように職業に結び付けていったらいいのかについて、身近な大人にさらに話を聞いてみたいと思います。
Report
仕事研究会・職場訪問(中3)
今後の進路を考えるきっかけとして、中学3年では「仕事とは何か」に触れます。「社会で生きること」「働くこと」とはどのようなことなのかのイメージを広げます。
『仕事研究会』では、さまざまな業種に携わる保護者がパネルディスカッション形式で、仕事の苦労ややりがいなどを語ってくれます。秋には、グループで『職場訪問』を行い、そこで経験した内容をまとめて、保護者や後輩の前で発表します。
Report
進路ガイダンス(高1)

2泊3日の日程で、大学入試制度や各学部学科の紹介、自分を見つめ将来の適性を考えるワークなどを行います。夜には現役の大学生のOBに多数参加してもらい、学部ごとのディスカッションを実施。学部や大学生活についての理解を深めます。同時に、グループに分かれてビジネスプランを考える『起業コンテスト』を開催。初めの2日間でプランを練って、最終日にプレゼンテーションを行います。
(この記事は『私立中高進学通信2017年12月号』に掲載しました。)
サレジオ学院中学校
〒224-0029 神奈川県横浜市都筑区南山田3-43-1
TEL:045-591-8222
進学通信掲載情報

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