LINEで送る

スクールポット中学受験版 - 首都圏学校情報検索サイト

ツイッター フェイスブック

私立中高進学通信

2017年11月号

授業見聞録

横浜女学院中学校

英語
新しい英語学習法CLILクリルを全面的に導入

中2の英語の授業。ペアワークを積極的に取り入れて、互いに話したり聞いたりする時間を多くとっています。

中2の英語の授業。ペアワークを積極的に取り入れて、互いに話したり聞いたりする時間を多くとっています。

 国際的な社会課題への意識と英語運用能力を身につけ、世界の人々と協働できる人材を育成するため、同校は新たに教育改革を進めます。

 ひとつは『ESD』(Education for Sustainable Development:持続可能な開発のための教育)。世界の人々の暮らしや環境問題に目を向け、自分たちのこととして考える教育です。多文化共生や生物多様性、ジェンダーやエネルギー問題など現実にある諸問題を学習テーマとします。

 もうひとつは『CLIL』(Content and Language Integrated Learning)を導入すること。教科の内容を英語で協働しながら学ぶことを通して、教科学習と英語コミュニケーションを同時に習得できる学習法です。

 世界の諸課題を学ぶESDを、CLILという英語学習法で学ぶ。この2つを組み合わせると、グローバル社会に通用する思考力と英語力を同時に身につけられるのです。ESDもCLILも従来の教科学習の形式にとらわれない、学際的な、新しい考え方に基づく学び方です。同校では、すでに英語科をはじめ各教科で、こうした取り組みを試みています。

 授業での実践や研究を通して、このほどCLILの6年間のカリキュラムが完成しました。CLILの研究で著名な上智大学の池田真教授の監修によるもので、来年度4月より運用されます。カリキュラムの開発に携わった英語科主任の白井龍馬先生は、これからの英語の授業のあり方についてこう話します。

「英語は知識で終わらせてはならず、“4技能を使ってこそ役に立つもの”と、折にふれて生徒に話しています。そう言う以上は授業にもしっかり反映しなければと思い、実用的に英語を使うためのさまざまな課題を出しています」

 新しいカリキュラムは毎月、池田教授から直接指導を受け、同校の生徒に合うようにと、内容をすり合わせてきた力のこもったもの。詳しい内容は今後の学校説明会で解説があるそうです。2018年度より『国際教養クラス』と『アカデミークラス』を新設する同校。来年度スタートする新クラスの目玉として注目を集めることとなりそうです。

4技能をバランスよく伸ばす中学の英語

 中2の英語では、聞く・読む・話す・書くの4技能をバランスよく伸ばす授業が行われています。授業の冒頭の単語チェックはペアワークで言い合います。教科書の例文を音源で聞き、情報をピックアップしていく「スキャニング」、先生の後から追いかけて音読する「シャドウイング」など、さまざまな技法を駆使して1つの単元を多角的に学びます。

 授業の特徴は「わからなかったら友達に相談したり、たずねたりしていい」という点です。

「この先、互いに意見をぶつけあい、議論する『ESD×CLIL』の授業を実りあるものにするには、単語や文法事項を覚えるだけではなく、よりよいアウトプットができるような“学びの姿勢”を身につけることが大切です」
(白井先生)

英単語の暗記はペアワークで、意味と発音を同時にチェックします。英単語の暗記はペアワークで、意味と発音を同時にチェックします。
宿題の答えをペアで相談。わからなければもう一度教科書をじっくり読む「精読」が自然発生する、白井先生ならではの仕掛けです。宿題の答えをペアで相談。わからなければもう一度教科書をじっくり読む「精読」が自然発生する、白井先生ならではの仕掛けです。
ココが違う!私学の授業授業レポート
世界で今、解決すべき課題を知る

 高2の授業では「Whom to Leave Behind」(誰を置いていくか)という「滅亡する地球から脱出する宇宙船に8人しか乗れないとしたら、次の13人のうち誰を残すか」をグループで考えるアクティビティを行っていました。13人のリストには、お酒をよく飲む会計士、アフリカ系アメリカ人の医学生、英語の話せないネイティブアメリカンのマネジャーなどがいます。これは誰を選ぶかにより、自分の偏見やバイアスを認識するアクティビティで、アメリカの教育界では有名なものだそう。

 基本はオールイングリッシュで授業は進みます。先生から英語で説明があったあと、グループで話し合い、誰を選んだかを英語で発表して、その理由を考えます。多くのグループの判断基準は「悪い人かどうか」。それに対してアンナ・ハルナ先生は「私は宇宙船での仕事に合う人かどうかで選びました」と、生徒とは違う人を示します。

 そののち、差別と偏見に関する実験的な授業をした英語のドキュメンタリー映像を見て、「なぜ差別が生まれるのか、どうしたらなくすことができるのか」というテーマが提示されました。次回の授業で引き続き話し合っていくことにしました。

アクティビティについて英語で説明するアンナ・ハルナ先生。アクティビティについて英語で説明するアンナ・ハルナ先生。
ハルナ先生と白井先生は教材選びから授業の進め方まで、そのつど話し合いながら決めています。ハルナ先生と白井先生は教材選びから授業の進め方まで、そのつど話し合いながら決めています。
話し合いの様子。先生の英語がよく聞き取れないグループにはチーム・ティーチングで白井先生が手助けをします。この日はエクアドルからの留学生、アライ・サラさんもアシスタントを務めました。
話し合いの様子。先生の英語がよく聞き取れないグループにはチーム・ティーチングで白井先生が手助けをします。この日はエクアドルからの留学生、アライ・サラさんもアシスタントを務めました。

話し合いの様子。先生の英語がよく聞き取れないグループにはチーム・ティーチングで白井先生が手助けをします。
この日はエクアドルからの留学生、アライ・サラさんもアシスタントを務めました。

進学通信2017年11月号
紹介する学校
共学校 共学校   女子校 女子校   男子校 男子校
この号のトップに戻る 進学通信一覧を見る
ページトップ