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私立中高進学通信

2017年11月号

アクティブラーニングで伸ばす新しい学力

横浜創英中学校

主体的な学びが育む『考えて行動のできる人』

全教科でアクティブラーニングを推進
グループで力を合わせ、数学の問題に挑戦すると、自然に意見交換する雰囲気が生まれます。

グループで力を合わせ、数学の問題に挑戦すると、自然に意見交換する雰囲気が生まれます。

ノートは取らず解説とグループワークに集中

「ノートは一切取りません」

 アクティブラーニングを取り入れた高1の数学の授業では、髙橋英樹先生は、講義や黒板の内容に集中し、要点を押さえるため、ノートは取らなくていいと生徒たちに宣言しています。今回の授業は2次関数とそのグラフ移動について。どのようにアクティブラーニングが進められているのでしょうか。

 まずは、その日に学ぶ単元について先生が黒板を使って説明。グラフの放物線は針金で作った模型で表現され、移動の様子がテンポよく解説されます。ノートを取る必要がないので、先生の話に集中することができて、理解が早い様子です。

 その後、生徒はランダムに4人ずつ9グループに分けられます。グループから1人がプリントを受け取りに行くと、その生徒が班長になるようにと伝えられました。役割分担を明確にすることで、突然決まったメンバー同士でもスムーズにグループワークへ入ることができます。

 プリントは空白を多く設けて、生徒自身が次の展開を想像し、自ずと思考するように工夫されています。制限時間10分以内にグループで問題を解いて、答えがわかったら先生に解答を提示して、どのグループが早く正解できるかを競い合います。

創英中の学びで得た自発的な姿勢

 各グループで活発に意見交換が行われ、教室内はとてもにぎやかです。リーダーシップを取り、議論を引っ張っているのは、創英中から入学した内進生たちです。中学でアクティブラーニング型授業を受けてきた体験から、自発的に考え、意見を交わすことが当たり前になっているのです。この姿勢が外進生にも影響し、全体が前向きなムードになっているといいます。

 解くことができたグループは先生のところに解答を説明しに行きますが、惜しい内容で戻されることも。皆、問題を解くことに夢中になり、議論が盛り上がっていました。

 最後は生徒全員がそれぞれに『振り返りシート』を記入して、今日の授業で学んだポイントを復習しながら、理解を定着させていきます。授業の取り組み姿勢がどうだったのか、学びの理解度はどうだったのかを4段階で自己評価し、授業の感想や次の目標も書き込みました。

ICT機器に頼らないアクティブラーニング

 生徒たちは授業中にノートを取っていませんが、家庭学習で『振り返りシート』をノートに貼り、教科書を参考にしながらノートにその日の学習内容を自分でまとめることで知識の定着を図るように指導しているそうです。

「解き方を話し合いながら、数学を学ぶ楽しさを感じられることが、アクティブラーニングの良いところです。グループワークでほかの人の意見を参考にすることで、より理解が深まります。難しい課題でもスムーズに頭に入るようです。
 今後も、よりアクティブラーニングを深化させ、主体的かつ対話的で深い学びへといざない、これから激変する社会で求められる『考えて行動のできる人』へと成長してほしいと願っています」

 と髙橋先生。これからの発展に期待が高まります。

Active Learning 001
建学の理念を共有して授業をブラッシュアップ
公開授業実施中は下山田校長(右)も必ず見学に訪れ、教員全体にフィードバックしています。公開授業実施中は下山田校長(右)も必ず見学に訪れ、教員全体にフィードバックしています。

『考えて行動のできる人』の育成を建学の精神に掲げる同校は、全校を挙げてアクティブラーニング型授業を積極的に取り入れています。

 2015年度からアクティブラーニングの導入を本格的に進め、先生同士での意見交換を行うほか、下山田伸一郎校長による授業観察・フィードバックなどを通して、全員で授業力の向上に努めてきました。

 今年度は『アクティブラーニング型の授業の深化』を目標に掲げ、6月前半にすべての教科で公開授業を実施。先生同士で授業を見学し合い、研究協議会で意見交換を行うことで、同校の生徒にとって最適なアクティブラーニングはどのようなものかを検討しています。

 また、昨年から電子黒板を中学の各教室と特別教室、合計8教室に導入し、授業でのICT活用をスタートさせました。ICTはあくまで補助ツールとの位置づけですが、今後は高校も含めさらに整備を進めて積極的に授業で活かしていく予定です。

Active Learning 002
授業への取り組み姿勢と学びの理解度を振り返る

 授業の最後で記入する『振り返りシート』には、「授業への取り組み」と「学びの理解度」について自己評価する項目があります。今回の授業では9割近くが、いずれも高く自己評価をしていることがわかりました。

 生徒たちが、自信を持って学んでいる様子がうかがえます。

Student's Comment生徒たちのコメント
「グループで自然と会話が弾んで楽しかった」という加藤瑠菜さん(右)、「考え方をより理解することができた」という相澤みなみさん(左)、「ほかの人の意見を聞けて良かった」という吉田一成さん(左から2人目)と髙橋先生(右から2人目)。「グループで自然と会話が弾んで楽しかった」という加藤瑠菜さん(右)、「考え方をより理解することができた」という相澤みなみさん(左)、「ほかの人の意見を聞けて良かった」という吉田一成さん(左から2人目)と髙橋先生(右から2人目)。

 問題を解くときは、普段は自分の考えだけで解きますが、班の人の意見を聞くことで、自分と違った考えを知ることができて、解き方についての考えをより深めることができました。

 グループワークをしてみて、1人で考え込むより、みんなで考え合うとさまざまな意見が出て面白かったです。

 考えをいろいろとめぐらせて、自分たちで答えを見つけることが楽しかったです。

 数学は苦手だけれど、ヒントをもらったり、グループで考えたりすることによって、いつもの授業と比べて理解しやすいと感じました。

 問題を解くためにはいろいろな方法を試し、最後まであきらめないことが大切だと思いました。

 最初は頭が混乱して問題が解けなかったけれど、グループワークとそのあとの解説でポイントをつかめたので、次からは1人で解けると思います。

Active Learning 003
“美しい数学”を生徒に伝えたい
生徒の集中が切れないように工夫をこらした授業で、数学の“美しさ”も伝える髙橋英樹先生。生徒の集中が切れないように工夫をこらした授業で、数学の“美しさ”も伝える髙橋英樹先生。

 試験範囲を3回は繰り返し解くように指導し、理解の定着を図っている髙橋先生。教科書の内容をより理解できるように、独自の解答集『守破離』(しゅはり)を生徒たちに配っています。『守破離』とは茶道や剣道における修行の段階を表現した言葉ですが、数学の学びにも通じるところがあると言います。

「“守”はできるだけ多くの人の話を聞き、決められた型や指導者の教えを守り、それを繰り返して基本を習得する段階。“破”は守で身についた基本をベースにしつつ、自分なりの工夫で基本を徐々に破り、発展していく段階。“離”は型や教えから離れて、独創的なオリジナルの個性を発揮する段階です」

 髙橋先生は高1の数学は“守”の段階であるとして、間違えてもいいから、繰り返し問題を解く大切さを教えています。同時に数学は美しい学問であると説き、生徒たちの興味を引き出すのも忘れません。

「数学の解き方はいろいろありますが、生徒たちには、より美しい方法を考えなさいと言っています」

 と話す髙橋先生は、“美しい”というキーワードをもとに、数学の奥深さや問題を解く楽しさを伝えているのです。

(この記事は『私立中高進学通信2017年11月号』に掲載しました。)

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