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私立中高進学通信

2017年10月号

授業見聞録

聖望学園中学校

理科
実験の失敗を繰り返して思考力を伸ばす

砂糖水の温度を測り、何度も失敗を繰り返しながらカルメ焼き作りに挑戦。実験しながら、なぜ重曹を加えると膨らむのかを考察します。

砂糖水の温度を測り、何度も失敗を繰り返しながらカルメ焼き作りに挑戦。
実験しながら、なぜ重曹を加えると膨らむのかを考察します。

 生徒への手厚くきめ細かいフォローに定評があり、面倒見の良い学校として知られる同校。ICTを取り入れたアクティブラーニングにも力を入れており、2016年度入学の中1より授業にiPadを導入しています。

「写真やイラストを多用したカラーの資料も気軽に視覚に訴えることで生徒の興味を引き出しやすくなりました」

 と理科を担当する高橋宏彰先生はその導入の効果について話します。

 理科の実験の日、生徒たちのiPadに実験手順やワークシートが事前に配信されます。実験の結果はiPadに直接書き込み、写真を撮ってレポートに挿入したり、情報を共有したりしてフルに活用しています。

「実験後のレポートは、以前は文字が中心でした。iPadを使うと画像や色を簡単に用いることができます。それを使ってさまざまな工夫を凝らすようになり、生徒の表現する意欲を刺激していると実感します」

 高橋先生は普段の理科の授業において、なるべく板書せずに、生徒が書き込んだワークシートを電子黒板に映し、その書き込みを活用しながら授業を進めるようにしているそうです。

「助けが必要なときはもちろんサポートをしますが、授業が一方通行にならず、生徒が自分で気づきを得られるように意識しています。板書に時間を費やすよりも、みんなで意見をすり合わせる方が勉強になります。
“理科は暗記ばかり”と敬遠しがちだった生徒も、アクティブラーニング型の授業や実験を増やすことで、好きな教科に変わってきているようです」

 理科では、成功が難しい実験でもあえて手順や説明を詳細に説明せず、生徒一人ひとりが考えながら作業を進めて、失敗から何かをつかみ、その失敗の原因を検証する『PDCAサイクル』を体感することを大切にしています。

「教科書や問題集どおりに学んだことは学校生活でしか役に立ちません。まとめる力、発表する力、自分で考えを組み立ててそれを試し、実践する力が大事です。生徒には授業を通してそれを学んでほしいと思っています」

※PDCAサイクル:Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)の4段階の頭文字をつなげたもので、業務を継続的に改善していく手法の一つ。

授業レポートココが違う!私学の授業
「なぜカルメ焼きは膨らむのか?」何度もチャレンジ! 試行錯誤から学ぶ

 この日の中1の理科の実験授業は、懐かしのお菓子「カルメ焼き」作りです。

 最初に高橋先生から火の取り扱いなどの注意点、実験の手順や役割分担・係決めなどの説明があります。成功すればおいしいカルメ焼きを食べることができるので、「早く作りたい!」と生徒たちは大盛りあがりです。4人のグループに分かれてさっそく実験開始です。

 お玉に砂糖と水を適量入れ、温度計がついた割りばしをお玉に入れて火にかけます。ぐつぐつと沸騰し、約130度になったところで火からはずし、重曹(炭酸水素ナトリウム)と卵白を混ぜたものを少量入れ、すばやく混ぜ合わせます。うまくいくと膨らんでカルメ焼きができあがります。

 しかし、残念ながら1回目で成功したグループはなし。

「水が多かったのかな?」

「重曹卵の量が多すぎたんじゃない?」

 と、失敗の原因を予想する意見が活発に飛び交います。そして、1回目の失敗を踏まえて再びチャレンジ。

 生徒のiPadに送付した実験手順には、あえて詳細な指示をせず、ポイントのみが記載されています。生徒たちは話し合いで気づいたことなどをワークシートに書き込み、レポートに使用する写真もiPadで撮影しています。

「130度になったら濡れた布で冷まして混ぜるといいよ」

 と、先生からヒントが出ました。これを参考に、生徒たちは失敗を繰り返しながら、だんだんとコツをつかんでいきます。

「やったー! 膨らんだ!」

 と、ついにいくつかのグループがカルメ焼き作りに成功しました。

 最後まで成功しなかったグループがありましたが、この実験の目的は成功することではなく、その試行錯誤の過程となぜ膨らむのかを予想して考えることです。

 レポートにどうまとめるかを話し合い、できあがったカルメ焼きを口にして、その食感や味について分析し、実験は終了しました。

まずは高橋先生からユーモアを交えながら実験の注意点と手順についての説明。まずは高橋先生からユーモアを交えながら実験の注意点と手順についての説明。
お玉に砂糖と水を入れたら、ガスバーナーに慎重に点火します。お玉に砂糖と水を入れたら、ガスバーナーに慎重に点火します。
初めてのカルメ焼き作りに緊張しながらもそれぞれの役割をこなしていきます。初めてのカルメ焼き作りに緊張しながらもそれぞれの役割をこなしていきます。
手順に沿って進めても、なかなかうまく膨らんでくれません。「重曹卵の量が多い?」など、話し合いながら失敗の中で気づいた点をiPadに書き込んでいきます。手順に沿って進めても、なかなかうまく膨らんでくれません。「重曹卵の量が多い?」など、話し合いながら失敗の中で気づいた点をiPadに書き込んでいきます。
膨らまずに失敗! お玉から材料をこそげ落としながら「何が悪かったのかな?」と、話し合いながら試行錯誤を繰り返していきます。高橋先生(写真左)は必要に応じて、助言をしていきます。膨らまずに失敗! お玉から材料をこそげ落としながら「何が悪かったのかな?」と、話し合いながら試行錯誤を繰り返していきます。高橋先生(写真左)は必要に応じて、助言をしていきます。
実験に成功し、上手く膨らんだカルメ焼きを試食。「甘い!」「ビミョー!」「サクサクしてる」と歓声を上げます。食べながら食感も分析。実験に成功し、上手く膨らんだカルメ焼きを試食。「甘い!」「ビミョー!」「サクサクしてる」と歓声を上げます。食べながら食感も分析。

(この記事は『私立中高進学通信2017年10月号』に掲載しました。)

聖望学園中学校  

〒357-0006 埼玉県飯能市中山292
TEL:042-973-1500

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