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私立中高進学通信

2017年10月号

子どもの自立を促す教育

淑徳SC中等部

伝統ある少人数教育と仏教の教えから学ぶ「自律」
新たな取り組みを加え長い目でライフプランを設計

少人数ならではの家庭的で温かな雰囲気(プログラミングの授業)。

少人数ならではの家庭的で温かな雰囲気(プログラミングの授業)。

 創立以来125年、仏教に基づく教えを大切に伝え続けている淑徳SC。キャリア教育やパソコン学習など新たな取り組みを加えて生徒の「自律」をめざしている現状について、入試広報部長のK.K先生にうかがいました。

仏教から学ぶ「自立」するための「自律」
K.K 先生 入試広報部部長で中等部主任。強豪バレーボール部の顧問も務める。同校に赴任して20年。専門は社会科(世界史)。K.K 先生
入試広報部部長で中等部主任。強豪バレーボール部の顧問も務める。同校に赴任して20年。専門は社会科(世界史)。

「進み行く世に後れることなく、有為な人間となれ」を建学の精神として、明治時代に女子5人を集めた寺子屋からスタートしたという同校。現在も校長先生は仏教従事者で、生徒の前で浄土宗の教えに基づいた話をする『淑徳の時間』があります。

「『淑徳の時間』は仏教行事といっても、お坊さんの説法を聞くようなかしこまったものではありません。身近な話題を取り上げ、生徒が自分で考えて答えを導き出すような問いかけをする時間です。例えば最近では、問題になっている歩きスマホを例に出して、『歩きスマホをしている人と、変な正義感からわざとぶつかっていく人とどちらが正しいのか?』という話がありました。テストと違い、何が正しいか答えが一つではないような問いかけですが、自分で答えを考え、また他者の答えに耳を傾ける姿勢が大事だと生徒たちには伝えています」

 建学の精神から発展させた校訓に『進み行く世に迷いなく、自律した女性を育む』とあるように、経済的な意味も含めた『自立』以前に、自分を律する『自律』の教育を大切にしていると話すK.K先生。『自律』教育には、怒られたり叱られたりして気づくのではなく、自ら気づいて律することのできる女性になってほしいという願いが込められています。

「我が校は伝統的に少人数教育で、中学は20人以内、高校は25人以内を徹底しています。さぼったり手を抜いたりすると目立ちますし、自分を律するしかない状況でもあります。逃げ場がないように思うかもしれませんが、とても家族的で温かな校風です。担任は生徒の表情がよく見えるので、気持ちや体調がすぐにわかります。生徒同士も一人ひとりが刺激し合いながら切磋琢磨していて、自己理解も他者理解も深めやすい環境です」

 仏教行事『淑徳の時間』で生徒たちに問いかけながら話をする、校長代行。 仏教行事『淑徳の時間』で生徒たちに問いかけながら話をする、校長代行。
キャリア教育「DFL」の授業より、妊婦体験。靴下を履くなどの簡単なことがいかに難しくなるかを体感する機会に。キャリア教育「DFL」の授業より、妊婦体験。靴下を履くなどの簡単なことがいかに難しくなるかを体感する機会に。
高校の1クラスの様子。自己理解、他者理解に適した環境です。高校の1クラスの様子。自己理解、他者理解に適した環境です。
DFL、パソコン学習など新たな取り組みも

 伝統を重んじる教育とともに、女性のためのキャリア教育「DFL(Design the Future for Ladies)」や、小型パソコン「ラズベリーパイ」を導入した授業など、現代の女性に必要なスキルアップにも努めています。

「『DFL』は、女性教員が中心となって始めた、女性のためのキャリア教育です。女性はどうしても結婚や出産でキャリアの考え直しを迫られる場合が多いですよね。大学入学や、就職がゴールではなく、その先を見据えたキャリアプランを考えられるように促すのが『DFL』の目的です。将来を大学名、企業名で選ぶのではなく、そこで何が学べるか、どんな資格が取れるのか、産休や育休の制度はどうなっているのか。一人ひとりが長い目で人生を考えていけるように、定期的に指導しています」

 具体的には、赤ちゃんと同じサイズの重りをつけて妊娠体験をし、卒業生や保護者に育児経験を話してもらう企画があります。さまざまなスタイルの結婚があることや、結婚や出産にかかるお金の話まで、実体験を聞くことで将来をイメージしやすくなるそうです。

「また、今年の中1生からは『ラズベリーパイ』という小型パソコンを生徒に配給しています。今の生徒が社会に出る頃には、AIが台頭していて仕事が減る、理系が重要になるなどと言われていますが、やはり必要とされるのはプログラミングして機械をどう使うかという人間の力。そのために、今のうちから遊び感覚でパソコンの仕組みを学ぶ準備を進めています。今年は『ラズベリーパイ』を使ってプレゼンをするのが目標です」

少人数教育ならではの他者との関わり方
入試広報部のA.Y先生。専門は英語科で高校1年生を担任。入試広報部のA.Y先生。専門は英語科で高校1年生を担任。

 実際にクラスを担任している先生は、少人数教育における自律や自立教育を通して生徒たちの変化をどのように感じているのでしょうか。高1の担任で英語教師のA.Y先生にも話をうかがいました。

「どの授業も、一人ひとりが持っている生徒ならではの力や気づきを大切にしよう、という方針で進めています。英語の教科書にも、異なる人種が登場し、男女の違いについて書かれたものがあり、そういった内容についてディスカッションする機会があります。少人数だからプライベートな人生観や意見も話せるし、互いの意見を否定せずにうまく取り入れている姿が見られます」

 英検を受検した結果に、生徒たちの成長を感じたとA.Y先生はいいます。

「合格者と不合格者に分かれて気まずくなってしまうのかと思ったのですが、前回の不合格から今回合格になった生徒たちが、『次はできるからやってみよう!』と励ましていました。不合格の悔しさを知ったうえで、上のレベルについていこうとする姿を見てうれしかったですね。さまざまな場面で友人と共に物事を乗り越えていこうとする姿を見ることができるので、今後の成長が楽しみです」

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