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私立中高進学通信

2017年10月号

アクティブラーニングで伸ばす新しい学力

和洋九段女子中学校

PBL型の授業で積極性と表現力が伸びる

先取りで始まったアクティブラーニングが好評!
大型スクリーンと6台のプロジェクター、1人1台のタブレットが使えるフューチャールームでグループブレスト。

大型スクリーンと6台のプロジェクター、1人1台のタブレットが使えるフューチャールームでグループブレスト。

生徒が積極的になった新しい授業のカタチ

「導入してみると、生徒たちが積極的に意見を言うようになり、"友達の意見を聞くことができて面白い"という声が聞こえてきました」

 そう話すのは社会科を教える水野修先生です。同校は2017年度から中学に『グローバルクラス』を新たに設け、『本科クラス』との2クラス制に。2018年度より高校は『本科』『グローバル』『サイエンス』の3コース制をスタートさせます。

 同校の取り組みのなかでも注目されているのは、『PBL』(Problem Based Learning)という授業スタイル。問題提起となる「トリガークエスチョン」を先生が投げかけ、生徒がグループで話し合い、自らの力で解答を模索するアクティブラーニング型授業です。同校では2016年度から全教科でPBL型授業への移行が始まっています。

 2016年度の2学期から中3の社会科でPBL型授業を取り入れた水野先生は、すぐに「これはいける!」と、感じたそうです。中3の社会科は公民分野を学びますが、アメリカ大統領選挙の行方、日本の地方自治のあり方、死刑制度の是非などについて、話し合いや発表に時間を割いたところ、どんどん生徒が自分の意見を話すようになりました。

 グループで最も説得力のある意見を述べた人を「プレゼンター」に決め、クラス全員の前で発表する流れで授業を進行したところ、自分とは異なる意見を聞いて、生徒は「私の考えはこれでいいのかな」と再考したり、そのうえで「私はこう思う」と考えをまとめたりするように。生徒自身が能動的に考えるようになり、まさに頭のなかが活性化するアクティブラーニングが実現できたのです。

最新のICT環境が意欲を後押しする

 PBL型授業は、最新のICT機器を備えた『フューチャールーム』で主に行われます。生徒が自ら作ったパワーポイント資料を壁面に投影してプレゼンテーションする、アイデアを電子黒板に書き込む、各自の端末にほかの生徒のプレゼンテーションの資料をダウンロードするなど、生徒と先生はもちろん、生徒同士の情報の共有がスムーズで、話し合いや発表に集中できるようになっています。

 2017年度に入学した中1は、入学時から全教科でPBL型授業を導入。『フューチャールーム』を自在に活用しています。

「生徒たちは入学当初から、授業では話し合う、発表をすることが普通だと思って臨んでいます。良い発表をしたい、自分の考えをみんなに聞いてほしいという積極性はこれまでにないほどです」

 授業だけではなく文化祭のクラス展示もPBL型で構想するなど、学校全体にアクティブラーニングを推進しようと力みなぎる同校。これからの生徒の成長に期待が高まります。

Active Learning 001
中1社会科・地理分野のPBL型授業
他国を調べ、魅力的な旅行プランを立案

課題
あなたの好きな3つの都市を回る旅行プランを立てなさい

条件

  1. 世界の3都市を回ること
  2. 飛行機の乗り換え時間や時差も含めて5日間で日本に戻ってくること
  3. 旅のコンセプトがはっきりしていること
授業の流れ(2~3週間の取り組み)
Step 1
教科書を用いて世界の国々の気候や風土を学ぶ
Step 2
自分が行きたい都市について調べてくる
Step 3
グループで意見を出し合う

調べてきたことを元に意見を出し合うブレストを行います。

Step 4
課題の提示(トリガークエスチョン)「3つの都市を回る旅行プランを立てる」
Step 5
各自で調べてプランを立てる
Step 6
プレゼンテーションする

プレゼンテーションでは、生徒それぞれが立案した旅行プランを自作の資料を映しながら発表。
聞いているみんなが「行ってみたい」と共感をよぶプランもありました。

生徒の考えた旅行プランとは…
  • 酪農の盛んな国でチーズ料理を堪能する「チーズ旅」
  • 物語の舞台となった国をめぐる「おとぎ話の旅」
  • 世界の名作を自分の目で見る「三大美術館の旅」
  • アジアンフード満載!「世界の料理を食べてみたいーグルメ旅」
Step 7
定期テストでは身についた知識を問う

例:降雨量や気温のグラフを示して、都市名を推測する

Step 8
知識の定着と、課題解決力、相手に伝える力が身につく
Active Learning 002
知識のインプットは自宅で学校ではアウトプットを重視
PBL型授業で用いる『PBLシート』。調べた内容やプレゼンをした感想などを記入します。枠に収まりきらないほど書く生徒も多く、水野先生を驚かせます。PBL型授業で用いる『PBLシート』。調べた内容やプレゼンをした感想などを記入します。枠に収まりきらないほど書く生徒も多く、水野先生を驚かせます。

 PBL型授業では、事前に教科書を読み込んでおく、プリントの課題を済ませるなどの「インプット」は授業の予習として自宅で行います。一人でもできることは事前学習で行い、授業は知識を活用しながら意見を出し合ったり、他の人に伝えたりする「アウトプット」をする空間と考えています。

 アウトプットが活発になると、生徒の中に「もっと調べてみたい」という意欲がわいてきます。

「PBL型授業の今の課題は、生徒たちの発表が長くなりがちなことです。むしろこれは積極的な学習姿勢の表れで良いことなのですが、どのように時間内でまとめて伝えられるかが、これからの課題ですね。納得と共感が持てる伝え方ができるよう、私たちも工夫していきます」(水野先生)

ココも注目!
かかわり度合いを認める「エンパワーメント評価」

 PBL型の学びの成果は、どのように成績に反映されるのでしょうか。同校では定期考査の結果のほか、授業中に生徒がかかわったプロセスを重視する「エンパワーメント評価」を加えています。グループワークで積極的に話せたか、発表に向けてしっかり取り組めたかなどが評価されます。

(この記事は『私立中高進学通信2017年10月号』に掲載しました。)

和洋九段女子中学校  

〒102-0073 東京都千代田区九段北1-12-12
TEL:03-3262-4161

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