私立中高進学通信
2017年9月号
私学だからできるオリジナル教育
神田女学園中学校
『KANDAラーニング』がICT導入でさらに進化
2016年度から主体的な学習を進める授業スタイルをスタートさせた同校。今年からChromebookを導入し、より積極的な学びが実現できるようになりました。

先生にアドバイスされながら、主体的な学びを進める生徒たち。全員が集中して授業に取り組んでいました。
授業内で先取り学習内容の理解を深める
『語学の神田』をキャッチフレーズに、実践的な教育を行ってきた同校。2016年度からは、同校独自のアクティブラーニング型学習『KANDAラーニング』をスタートさせています。『KANDAラーニング』では、先生が教える前に、まず問題を解いてみる、学習する内容の教科書や資料を読むなど、授業内で先取り学習を行い、生徒に疑問点が芽生えた状態で授業を行う学習スタイルです。授業後は必ず演習を行って学びを定着させ、その正解率で生徒たちがどの程度理解しているかを確かめています。
演習は個々に解かせるだけでなくグループワークも取り入れ、より深く授業内容を定着させるように工夫を凝らしています。例えば、高1の社会科の授業では、現在学習中の内容に関連する大学入試問題を、4人ずつのグループに分かれて解いていました。
「高1生にとって、大学入試問題は1人で解くには難しく感じますが、グループで相談しながら解くと、答えも見えてくるものです。生徒たちはインターネットで調べたり、資料集を見直したり、それぞれ工夫しながら問題を解いています。早く解き終えたグループは、『もっと追加の問題がほしい』と言ってくることもあります。やりがいを感じているのが伝わってきます」
と社会科の細川晋之祐先生は話します。

Chromebook導入で生徒の理解度も把握

小堀美和先生
この『KANDAラーニング』をより効果的にするために、2017年度から導入されたのが、Chromebookです。Chr-omebookはソフトのすべてをWebブラウザー上で動作するのが特徴のノートPC。面倒な設定も不要で、データはすべてクラウドに置く仕組みになっていて、情報の共有も非常に簡単に行えます。現在、中1と高1の学年全員がChromebookを使用。2018年度以降の入学生も、全員に導入する予定です。
「Chromebookの導入で板書する時間やプリント配布の時間が節約でき、その分、演習をする時間が確保できます。問題に取り組む、それを繰り返す。何度も解くことで、力をつけていく。そんな授業が実現できるようになりました」
(教務部長/小堀美和先生)
Chromebookを介して生徒たちの解答をリアルタイムで一斉に見ることもできるので、入力した解答をチェックしながら、生徒それぞれに適切なアドバイスができます。先生が積極的に声かけをすることで、より活発で対話のある授業が実現しているそうです。
また、Chromebookは先生たちの作業の効率化や情報収集にも役立っています。

細川晋之祐先生
「Chromebookとの連動で、そのクラスで正解率の低い問題はどこなのかが一瞬でわかります。次回の授業ではそこを重点的に教えるなど、授業の指針にもなります。プリントを管理したり、統計を取る手間も省けて、とても助かっています」
(細川先生)
空いた時間は、先生たちが問題作りや授業の準備に充てることができ、本来の学びがより充実したものになっています。今後は生徒や教員同士のやりとりがもっと増え、『KANDAラーニング』の精度もますます高まっていくでしょう。


模試や大学入試も意識
徹底して演習を繰り返す独自の授業スタイル

英語の授業でも「使える英語」にこだわり、実践力を重視する同校。模試や大学入試問題を取り入れ、授業内で徹底して演習を繰り返すのも『KANDAラーニング』ならではの取り組みです。
「従来のように演習を宿題にしてしまうと、ダラダラと何時間もかけて解くこともあり得ます。しかし、入試本番では時間が勝負。授業中の限られた時間内で演習をさせることで、本番に強くなる力を養成しています」(小堀先生)
演習中心の授業は生徒のモチベーションにも大きく影響します。生徒たちは授業内で問題を解くことで「できた」という実感が湧き、「これでいいんだ」という成功体験を得ます。座学の授業で「わかった」つもりでいるよりも、格段に知識の定着が良いそうです。
「夢中になって問題に取り組むムードができています。『授業時間が短く感じられるようになった』といううれしい言葉が学校全体で増えました。授業時間中は頭の中が最大限にアクティブになっている状態ですし、いい緊張感が持続しています」(小堀先生)
ココが独自!
「スタディサプリ」で弱点克服
自分に合った予習・復習ができる『DEタイム』
同校が月曜から金曜まで、毎日25分間の時間を取って実施しているのが『DE(Dev-elopmental Education)タイム』です。生徒のChromebookとリクルートが提供する『スタディサプリ』を連動させて、単元ごとに診断テストを行い、それぞれの弱点や苦手分野を洗い出していきます。
『DEタイム』は、自分の苦手分野に取り組む「学びなおし」の時間として設けられましたが、最近では生徒たちが得意な科目で主体的に先取り学習を始めているそうです。
「できる生徒は指示など待たずに先へ進める個別対応に近い形で進めています。復習はもちろん、予習にも効果があります」(小堀先生)


(この記事は『私立中高進学通信2017年9月号』に掲載しました。)
神田女学園中学校
〒101-0064 東京都千代田区神田猿楽町2-3-6
TEL:03-6383-3751
進学通信掲載情報

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