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私立中高進学通信

2017年9月号

校長が語る 思春期の伸ばし方

二松学舎大学附属柏中学校

論語教育と多彩なフィールドワークが
豊かな人格と探究心・発信力を育む

「論語」の授業の様子。「論語」を深く読み解いていくことで人間的な成長につながります。

「論語」の授業の様子。「論語」を深く読み解いていくことで人間的な成長につながります。

論語を通じて学ぶ人間にとって大切なこと
芝田周一 校長先生芝田周一 (しばた・しゅういち)
校長先生

1976年二松學舍大学文学部国文学科を卒業し、千葉県立成田園芸高等学校に国語科教員として赴任。以後、県立高等学校の教員、印旛村立印旛中学校教頭、千葉県教育庁東葛飾教育事務所主任管理主事、沼南高等学校校長、東葛飾高等学校校長を歴任。2013年二松學舍大学特命教授を経て、本年4月から現職。初任地で剣道部顧問に命じられ、大原高等学校で剣道部をインターハイ出場に導いた。現在剣道4段。

「人間としてどうあるべきかを教えると同時に、リーダーとしての在り方を教えてくれる。そこに論語の真髄があると思っています」

 そう語るのは、同校の校長・芝田周一先生です。

 二松學舍大学の附属校として、同校では「自国の文化を正しく理解し、母国語を正しく表現できる真の国際人の養成」「異なる文化・歴史を理解し多様な価値観を認めようとする視点を養成」という理念の実現に向けて教育実践に取り組んでいます。その特徴の一つである「論語教育」は、思春期の子どもたちの能力を育むためにも大きな役割を果たしているのです。

「たとえば『忠恕』という言葉があります。これは『常に誠実でいなさい、人に対して思いやりをもちなさい』というような意味で、座右の銘として私も校長室に飾っています。また、『己所不欲、勿施於人也(己の欲せざる所、人に施すこと勿れ)』という言葉は、皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか。これは道徳の黄金率で、人聞にとって大切なことは何かを論語は教えてくれます」

 同校の中学では週2日モーニングレッスンの中で、高校では毎週1時間の必修授業で、6年間論語を学びます。高校の論語の授業には、英訳入りのオリジナルテキストを使用します。

「群読(全員で声を出して読むこと)からスタートして、少しずつ意味の理解を深め、中3になる頃には、論語の教えが自ずと身についています。グローバル教育に象徴されるように、これからは自分で物事について考え、発信することがますます大切になっていきます。そのために、まず人間としてどうあるべきなのか、リーダーになるためには何が必要なのか。それを学ぶうえで、論語は最適な教材だと私は思っています」

新聞のコラムが育む思考力とモノの見方
合唱祭で論語の群読発表をします。合唱祭で論語の群読発表をします。

 論語をベースにしながら、同校では人間的な成長を促すために、さまざまな取り組みをしています。

「本校では中学生全員に、毎朝、主要新聞3紙のコラムを配り、読ませています。生徒はその内容について意見を言い、話し合いをすることも多くあります。この活動は、社会の出来事に目を向かせると同時に、各紙の論調の違いにも注目し、主体的に考えることの大切さを学ばせることにも役立っています」

 思春期は、自我の欲求が強まる時期。意見を述べ合う中で、時には互いの考え方の違いからぶつかりあうこともあります。

「そこで大切になるのが、論語にもある『相手を思いやる気持ち』『異なる意見にも耳を傾ける姿勢』です。また、日常的に考えを述べ合うことで、違いがなぜ生じるのか、多面的な物の見方を学び、探究する姿勢を身につけることにもつながります。
 学校で話し合いをしたテーマについて子どもが家庭で話をしたら、ぜひお父さん、お母さんも耳を傾けて、意見を言ってほしいですね。そのことが子どもの成長、自立を促すことに役立ちます」

中学校生活の集大成卒業論文『自問自答』
中3の卒業論文集「探究 自問自答」(右)と「論語」の二松柏オリジナルテキスト。中3の卒業論文集「探究 自問自答」(右)と「論語」の二松柏オリジナルテキスト。

 同校の生徒は、このように研さんを重ねながら、3年生になると卒業論文『自問自答』に取り組みます。社会での出来事、世界の動きなどについて疑問に思ったことを自ら調べ、明らかにし、8000字の論文にまとめて発表するのです。

「テーマは生徒が自由に選ぶことができます。もちろんいきなり論文を書くことはできません。『自問自答』に向けて、中1の段階から、生徒はフィールドワークによる探究学習に取り組みます。学校の近くにある沼(手賀沼)や水田、都内の施設、奈良・京都を訪ね、グループごとに決めたテーマについて調べたり、体験したことを文化祭で発表したりするのです。それぞれ『沼の教室』(中1)、『都市の教室』(中1〜3)、『田んぼの教室』(中1・中2)、『古都の教室』(中2)『世界の教室』(中3)と呼ばれています」

 こうした経験を重ねながら、一人ひとりが疑問を持ったことについて調べ、論文としてまとめる『自問自答』へとつながっていきます。

東京大学現役合格2名難関大学への合格多数
「思春期の育て方」保護者の心得
  1. 自立を促すために自主性を重んじ親も子離れをする
  2. 頭ごなしに否定せず、子どもの意見・言い分に耳を傾ける
  3. 一番身近なロールモデルとして子どもに幸福のお手本を示す

 同校の中学校生活の3年間は、学ぶ力を着実に高めるとともに、他人を思いやること、自ら考えて発信することの大切さを学びます。培った知的好奇心や探究心は、高校での学習意欲につながり、その結果、中学一期生、東大現役合格2名などの合格実績になったのです。

「沼の教室」〜思考力
発信力を育む探究学習

 学校の近くにある手賀沼を題材に、環境や歴史を学習→問題を発見→問題を発表→仮設を立てて調査・話し合い→結論を導きます。1つのものを深く掘り下げることにより、授業をしているすべての教科がつながっていることを体験する、問題解決型+教科横断型のプログラム。ほかに『古都の教室』『都市の教室』などを行っています。

(この記事は『私立中高進学通信2017年9月号』に掲載しました。)

二松学舎大学附属柏中学校  

〒277-0902 千葉県柏市大井2590
TEL:04-7191-3180

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