私立中高進学通信
2017年8月号
私学だからできるオリジナル教育
武蔵野大学中学校
外国人教員が主導のダブルティーチャー制
使える英語の習得に努める同校。中学3年間は“生の英語”に触れる機会を増やすため、外国人教員と日本人教員によるダブルティーチャー制授業を導入しています。

楽しい話が弾む座談会でした。
「聞く」「話す」を基本に耳から入れて五感で楽しむ

(中2担当)
2015年4月から同校で始まった『ダブルティーチャー制』(DT)。通常、外国人の先生と日本人の先生がペアになって英語の授業をする場合は、日本人の先生が主導する「チーム・ティーチング方式(TT)が主流です。しかしDTは外国人の先生が中心となって指導を行い、日本人の先生がアシスタントとしてフォローする新しいタイプの授業です。DTの授業を担当するアメリカ人の先生方に、集まっていただきました。
D・P先生
外国人の先生と日本人の先生の英語のやり取りを間近で見聞きできるのが、DTの良さです。よく観察し、それをお手本にして、五感を使ってアウトプットするように指導しています。
J・C先生
DTの授業は週2回あります。私は中1の副担任を務めていますが、入学から約2カ月が過ぎた今、「今日は授業で何をやるの?」と、生徒の方から聞いてくるほど楽しみにしてくれています。緊張して小さくなっていたのは最初の頃だけです(笑)。

(中3担当・副担任)
J・K先生
日本人の先生が担当する授業では、話す・聞く・読む・書くの4技能のバランスの良い習得をめざして授業を展開しています。一方、私たちが担当するDTの授業では、主にリスニングとスピーキングに重点を置いています。特に低学年のうちは、英語を聞く耳をつくることが重要です。また、大人の私たちとも躊躇なく話ができるようにコミュニケーション力を磨くことも重視しています。これが将来、とても大切になっていくからです。
A・P先生
私は昨年、中3を教えていましたが、「もっと英語力に自信をつけたい」と発言する生徒がたくさんいて、指導する私のモチベーションが格段に高まりました。
また、本校の生徒たちは、とても好奇心が旺盛です。今まで英語指導を担当した他国の生徒と比べても、世界の文化に対する意識が高いと感じます。
J・C先生
私が担当する中1のクラスでは、毎日の朝拝※も午後の終礼もすべて英語です。伝える内容の中に知らない単語があっても、生徒は全体のニュアンスを理解しています。宿題の提出漏れや忘れ物も驚くほどありません。英語を聞く機会、使う機会を増やし、英語を自ずと習得できる環境を整えることは、生徒一人ひとりの成長にとても大きな意味を持つと思っています。
※朝拝……仏教主義の同校では毎朝、HRでの合唱・礼拝から一日が始まります。
日本人の先生がいるから楽しく一緒に頑張れる

(中1担当・副担任)
D・P先生
DTの授業のメリットはいくつもありますが、特に着目しているのは、日本人の先生も生徒と同じように“学んでいる”という点です。先生方も常にがんばって発音をより良くしようと努力しています。『大人になっても発音練習するんだ』『恥ずかしいことじゃないんだ』と、そんな姿を見せることがやる気につながるのです。
J・K先生
先生同士の会話を見聞きすることで、会話やコミュニケーションのエチケットやマナーも自然と身につけてもらいたいと思っています。言葉遣いの一つひとつにもきちんとしたルールがあることを、英会話を通して教えるようにしています。
J・C先生
英語のていねいな言い回しも、日頃から指導しています。お互いにフレンドリーであることは大事です。でも一線を越えてしまえば教育ではなくなります。本校の生徒は礼儀もちゃんとしていると外部の方たちから言われると、とてもうれしいです。

(高校生担当)
A・P先生
「自分は今、何のために英語を勉強しているの」と問いかけながら授業に臨むことも大切です。昨年教えた生徒の中に、将来はドイツに行きたいので、ドイツ語も勉強したいという生徒がいました。英語もドイツ語も身につけて世界で活躍したいという熱意を感じて、全力で応援してあげたいと思いました。
J・K先生
そのためにもまずはDTの授業で、しっかりとした英会話の基礎を作ることです。努力したことは絶対に無駄にはなりません。生徒が自分から積極的に「学びたい」と思えるよう、楽しくてためになる授業をこれからも続けていきたいです。
D・P先生
本校の高校には4つのコースがありますが※、そのうちの『国際交流コース』では高2の夏から高3にかけて、全員が1年間の長期留学を体験します。英語が好き、他の国の歴史や文化を学びたい、国際的な仕事がしたいという希望を具体的な形にするためにも、中学時代に盤石な土台固めをしていきたいですね。
※同校の高校には総合進学コース、国際交流コース、文系創造コース、理系医療コースの4コースがあります。
アクティビティ満載のDTの1時間!
楽しく競い合いながら身につく英語力
中2のDTの授業では、D・P先生と英語科のW・K先生がペアになって教えます。この日はアシスタントとしてA・P先生も参加しての3人態勢です。
この日のテーマは『将来の夢』。中2はキャリア教育で世の中にあるさまざまな職業を勉強中とあって、自分が興味のある職業ついて英語で学んでいくというものです。
「1コマの授業の中で毎回、3~4のアクティビティを行うことで、ゲーム感覚で英語力を鍛えるようにしています。バラバラにした文章から何の職業を説明しているのかを探るグループ対抗戦や、D・P先生が作成した職業当てのオリジナルゲームなど、クラスメイトと楽しく有意義に競い合えるように工夫を凝らしています」(W・K先生)
本格的なライティングにも取り組んでいます。次回の授業では、関心のある職業についてそれぞれが英語でプレゼンテーションを行う予定だといいます。



形の見える効果的な学習へ
ICT活用の授業もスタート

2016年から全生徒がタブレット端末を所有している同校。英語の課題提出の際も、タブレットのアプリから直接送信できるようになるなど、その利便性が拡大しています。
「例えば、自宅で収録した暗誦データを、その日のうちに音声データとして担当教員に提出するということも可能になりました。これまでの“見えない学習”を具体的に可視化することで、個別指導もさらに充実しています。
また各教室にはAppleTVを標準装備。タブレットと連動した双方向型の授業も生徒たちに人気です」(入試広報部副部長/O・T先生)
(この記事は『私立中高進学通信2017年8月号』に掲載しました。)
武蔵野大学中学校
〒202-8585 東京都西東京市新町1-1-20
TEL:042-468-3256
進学通信掲載情報

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