私立中高進学通信
2017年8月号
注目のPICK UP TOPIC!
恵泉女学園中学校
試行錯誤しながら課題に取り組む
サイエンス・アドベンチャー
モデルロケット全国大会に初出場!

楽しみながら科学を学ぶ課外活動

物理班
アドバイザー 高綱藻さん
(東京理科大学大学院 理学研究科 物理学専攻)
創立時より、「世界に目を向け、平和を実現する自立した女性」の育成をめざしている同校。そのために、「発信力」「主体性」「多様性」「協働性」を育み、自ら考え、発信する力を養うことを重視した教育活動を行っています。
2016年度より、希望者を対象とする放課後の課外活動の一つとして、『サイエンス・アドベンチャー』が始まりました。生物班・化学班・物理班・コンピューターサイエンス班の4つの班に分かれて、週に1回、授業ではできない継続的な研究に取り組み、科学の楽しさを味わいます。
「科学を楽しみながら学び、知識を深めることで、将来の選択肢として、理系の進路にも目を向ける生徒が増えてほしいと思って、開始しました」
(サイエンス・アドベンチャー物理班/熊原諒先生)
熊原先生が率いる物理班は、今年の5月にJAXA筑波宇宙センターで行われた「第30回モデルロケット全国大会」(主催/NPO日本モデルロケット協会)に出場。「モデルロケット」とは、プラスチックや紙で作った小さなロケットのことですが、火薬を動力としており、その仕組みは本物のロケットと同じです。物理班では、約半年間、モデルロケットの製作に力を注いできました。

物理班
熊原諒先生
「一口にモデルロケットと言っても、大きさ、重さ、材質、羽の長さなど、検討する要素がたくさんあります。それをゼロから作るとなると、扱いきれないほど広大なテーマとなってしまうので、今回は、市販のキットの1カ所(パラシュート)のみを改良してみようということになりました。私が具体的な指示を出したのはその点だけで、その先は、生徒たち自身が試行錯誤しながら取り組みました」


大会を前に、中庭で打ち上げをした時の様子。動力は火薬です。
知恵を絞りながらモデルロケットを製作

知識や情報が十分でない中でのスタートで、初めは戸惑ったという生徒たち。実際に手を動かし、試すうちに、どんなことが重要なのかを見出していったそうです。熊原先生と一緒に生徒の指導にあたった、アドバイザーの高綱
「いろいろな条件で試してみて、結果を比較した時に、『なぜこういう結果が出たのだろう?』と考えることが、理科の学習においての重要なポイントになります。結果を踏まえて出てきた生徒たちの意見やアイデアがまずあって、それに対して『実は、こういう公式もあるんだよ』と理論を使ったアプローチのヒントを与える。生徒の理解はより深まるし、興味も引き出されますよね。こちらが先に何かを与えるのではなく、生徒たち自身が互いに知恵を絞りながら製作することにこだわりました」
“たった1カ所”と思った改良も、一筋縄ではいかず、一つのことを改善すると、また別の問題が出てくる、そんな失敗の連続だったそうです。それでも、大会の直前まであきらめることなくセッティングし続けました。
「答えの用意されていない問いに、どのように向き合い、取り組み、考えたらいいのかを経験できる良い機会だったのではないでしょうか。この経験から得られた思考プロセスは、この先、理系へ進むにしても、文系へ進むにしても必ず役立ってくれるものだと思います」(熊原先生)
初出場したモデルロケット全国大会では、他の参加者が製作したモデルロケットを見ることも大きな刺激となったようで、生徒たちは次の大会の参加にも意欲を燃やしています。
「今回、生徒たちは、こちらが予想していた以上によくがんばってくれました。半年間で大きく成長した生徒たちが、今後の大会に向けてさらなる改良に取り組もうとしている姿に、頼もしさを感じますね」(熊原先生)



自分の手で何かを生み出す授業にはない経験ができました!

M.Sさん(高2)
失敗が多くて、初めは落胆するばかりでしたが、そのうちに「こうしたら良いのではないか」と、自分たちで考えることができるようになりました。大会で、他のチームのモデルロケットを目にして、次回の改良点のヒントも見えてきました。今後に活かしていきたいです。

A.Sさん(高2)
半年間の活動を通じて、先輩・後輩に関係なく、意見を交わすことができるようになりました。将来は、理系に進みたいと考えています。ロケットとは直接関係のない分野が志望ですが、ここで得られた知識や経験は、今後もきっと役に立ってくれると思います。
(この記事は『私立中高進学通信2017年8月号』に掲載しました。)
恵泉女学園中学校
〒156-8520 東京都世田谷区船橋5-8-1
TEL:03-3303-2115
進学通信掲載情報

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