私立中高進学通信
2017年8月号
校長が語る 思春期の伸ばし方
秀明中学校
人生の岐路を相談できる仲間を見つけ
家族のような関わり合いを育む

スーパーイングリッシュコースでは、授業内の言語が英語に統一されています。
全寮制だからできる確かな自立

校長先生
千葉市立轟町中学校、千葉県立千葉南高等学校を卒業後、埼玉大学教育学部・教員養成課程・数学専攻を卒業し、1992年4月より、秀明八千代中高で6年奉職し、1998年4月より、秀明中高で勤務。八千代中高で高校1年の担任1年間以外は、中学校で教鞭を執り続けている。
全国でも珍しい全寮制を取り入れる同校。他の学校や教育機関から全寮制の利点を生かした教育を参考にさせてほしいという声が後を絶たないといいます。神野校長は次のように話します。
「月曜から金曜日まで親元を離れて生活するので、身の回りのことを自ら進んでやらなければなりません。例えば布団をたたむことや衣類の管理などです。今までは、保護者の方がしてくれたことですが、それを自分で管理することになります。脱いだ服が洗濯してあることは『当たり前』ではないことを実感し、保護者への感謝の気持ちが芽生えてきます。この自覚が自立へと導いていくのです。その結果、保護者の方から『帰ってくるたびに成長しています』という喜びの声をたくさんいただいています」
子どもたちが親元を離れるという環境の変化を、学校側はどのようにケアしているのでしょうか。
「中学校に入学して最初の1カ月間は『寮生活に慣れる』ことを意識しています。学年の教員が朝から晩までコミニュケーションを取ることはもちろん、全教職員が学校全体で温かく見守っています。生徒一人ひとりに声をかけ、時には入浴を一緒にすることもあります。また家が遠く週末に帰宅できない生徒には、買い物や映画へ連れて行ったりと、休日も楽しく過ごせるようにしています」
「脱・スマホ」が勉強と人間関係の鍵

昨今、SNSなどの関係性がいじめにつながるニュースが後を絶ちません。新聞などでは、中学生の1日平均携帯使用時間が2時間から3時間といわれています。携帯電話にまつわる問題を、どのように受け止めているのでしょうか。
「小学生時代にテレビゲームや携帯に執着してしまい、心配している保護者の方は多いと思います。携帯は使用した時間だけ勉強時間やコミュニケーションの時間も減少してしまいますので、本校では、通学時に携帯端末を預かることにしています。携帯が使えない環境に身を置き、それを習慣にすることがなによりも大切です。生徒自身が正しい判断ができるようになるまで、家庭でも時間をかけて教えてあげることで上手な付き合い方ができると思います。『脱・スマホ』という本校のこの考え方は、保護者の方々からも理解を得て、好評です。ニュースになるような、SNSを介したいじめも携帯を使用していない集団の中では起こりようがないのが実情です」
それでは、学校生活における生徒同士の関係は、どのようなものなのでしょうか。
「6年間、特に思春期の一番成長する時期に、一緒にいる友達というのはかけがえのない重み、力があるように思います。特に大学受験の際に発揮されているようです。大学受験の集団面接の練習では、友達のために先生役をすることもあります。みんなで志望校に合格しようというポジティブな感情にあふれていますので、本当の兄弟姉妹のような関係です。私からみてとても羨ましい関係です。また卒業後もこの関係が続いており、頻繁に連絡をとりあい、切磋琢磨しているようです」
保護者は一番近くにいるお手本
「思春期の育て方」心得
- 保護者は生徒の見本
- 学校との信頼・連携を大切に
将来、どのような仕事に就くかという進路の選択は、子どもたちが選ぶというよりも、保護者が教えるものだと神野校長は話します。
「親の背中を見て子どもは育っていきます。だからこそ、善悪の判断や働くことの尊さを教えてあげてほしいと思います。保護者は子どもたちにとって一番の身近な見本であり、指針でもあります。創立者の教えに「親の職業を継ぐのが一番の親孝行である」という考え方があります。その考えを中学1年から教えているので、やはり保護者の方と同じ職業をめざす生徒がたくさんいます。ですから、ぜひ保護者の方がされている仕事や考えを、子どもたちに伝えてほしいと思います。そうすることで、本校のめざす『共に育てていく共育』『協力し合う協育』『強く育てる強育』へとつながります。保護者との信頼や連携をなくして、子どもたちの成長はありません。保護者と生徒の情報を共有しながら、よりよい自立・職業選択へ結びつけていくことを、これからも心がけていきます」
自分で選んだ場所だから自らを叱咤し邁進する

階段を上ると、大きな扉があり、その中には生徒が入学当初に綴った将来の夢や希望、熱意が収められています。「生徒たちはこの塔を仰ぎ見て、秀明で頑張ろうと誓った初心を思い出すことで、一層勉学に励むようになります。勉強ができるようになるだけではありません。心をより一層強く育ててくれる。それが秀明の塔です」
(この記事は『私立中高進学通信2017年8月号』に掲載しました。)
秀明中学校
〒350-1175 埼玉県川越市笠幡4792
TEL:049-232-6611
進学通信掲載情報

PICK UP!!
紹介する学校
- グローバル社会を見据えた プレゼンテーション教育と語学教育大宮開成中学校
- 一体となって勝利をめざす応援で強まる絆、高まる愛校心明治大学付属中野八王子中学校
- 親密なコミュニケーションで言葉とともに多様性を理解する浦和実業学園中学校
- 協力し、ともに汗をかくことで芽生え、育まれる友情京華中学校
- 日本文化を知り国際感覚を磨く共立女子中学校
- 【ダンス部/バドミントン部】生徒の自主性を原動力に伝統を創り、受け継ぐ関東学院中学校
- 【吹奏楽部】自身の役割を理解して部の活動に貢献するサレジオ学院中学校
- 【英語部ディベートチーム/バトン部】部活動を通じてより磨かれる思考力・判断力・表現力西武台新座中学校
- 【料理部/ソフトテニス部】みんなで一つの目標に向かう喜びを知る東京家政学院中学校
- 【吹奏楽部/バドミントン部】指導者と生徒が心を一つに豊かな人間性を育む東京純心女子中学校
- 【バドミントン部】仲間と厳しい練習に挑み人として成長する高輪中学校
- イマージョン教育で確かな英語力を習得駒込中学校
- 中1から参加できる!セブ島英語研修スタート文教大学付属中学校
- 発信力と国際理解力を養いグローバルリーダーを育成目黒学院中学校
- グローバルな視点を育むユネスコスクールの取り組み麗澤中学校
- ICT化を加速させ思考力・表現力・判断力を向上城北中学校
- ICT活用のグループワークで学び合い、理解度を深める聖望学園中学校
- 英語で主体的に発信できる生徒を育てる田園調布学園中等部
- 自身で判断しようとする努力を見守り 多様な可能性を示してあげましょう江戸川女子中学校
- 子どもの考えや気持ちを正確に聴くこと話すことで自ずと自立していく佼成学園中学校
- 人生の岐路を相談できる仲間を見つけ家族のような関わり合いを育む秀明中学校
- 思春期はさまざまな体験をさせ 未来を生きる力を育むチャンス目白研心中学校
- 試行錯誤しながら課題に取り組むサイエンス・アドベンチャー恵泉女学園中学校
- 温かい先生と友達に囲まれて、楽しく充実した毎日を送っています!川村中学校
- 中学での留学制度が進路の決め手に!またニュージーランドへ行きたい。東京成徳大学中学校
- 「英語」や「科学」。やりたいことをとことん追求できる環境が自慢!山脇学園中学校
- 充実したサポート体制で生徒一人ひとりの進路の実現と豊かな人間性を育む完全一貫教育校佐野日本大学中等教育学校
- バランスの取れた教育方針と独自プログラムで生徒の才能を伸ばす京華女子中学校
- 挑戦する勇気や自分で判断する「たくましさ」を育てたい東京家政大学附属女子中学校
- デジタルの時代だからこそ大切なリアル体験型学習日本学園中学校
- 新たな『日駒新教育構想』を掲げ基礎学力を徹底する全人格教育を日本工業大学駒場中学校
- 『東大・医進クラス』が躍動!学校全体に活気が生まれ刺激し合う環境が当たり前に八王子学園八王子中学校
- 算数1教科入試を2月1日午後に新設品川女子学院中等部
- 適性検査型入試と英語技能入試を新設城西大学附属城西中学校
- 自立への導きとなる本格的な農作業体験狭山ヶ丘高等学校付属中学校
- 全校が集まる会食でマナーと感謝を育む光英VERITAS中学校(現校名 聖徳大学附属女子中学校)
- 独自のワークブックで21世紀型授業を展開東京女子学園中学校
- 外国人教員が主導のダブルティーチャー制武蔵野大学中学校
- 好きなことにまっすぐ打ち込む自分を支えてもらえた6年間日本大学第二中学校
- 多くの選択肢から自分の道を選び取る 自主性を育む自己管理と目標設定青稜中学校


